青髪ヒロインは本当に“約束された敗北者”なのか? アニメの結末から調べてみた
2018年6月頭、Twitter上で話題になった“青髪とかいう約束された敗北者”なる画像をご存知でしょうか?
やめろやめろ pic.twitter.com/FwpMKR4LD4
— 中本のキャスター (@TKWcos) 2018年6月3日
こちらは、いわゆるラブコメ系アニメ作品において、悲恋を遂げた青い髪色の、いわゆる不遇系ヒロインをまとめたもの。ラブコメ好きのアニメファンであれば、パッと画像を見渡しただけでも胸が締め付けられる思いですが……。
今回は、「元ネタがわからない!」という方のために、これらの青髪ヒロインたちにまつわるストーリーをご紹介。
さらに、最近放送されたアニメを振り返りつつ、“本当に青髪は敗北する運命なのか!?”をリサーチしていきたいと思います。
※本記事は、『あの夏で待ってる』、『とらドラ!』、『魔法少女まどか☆マギカ』、『Re:ゼロから始める異世界生活』、『ダーリン・イン・ザ・フランキス』、『りゅうおうのおしごと!』、『トリニティセブン』、『ゼロの使い魔』、『この素晴らしい世界に祝福を!』、『だがしかし2』、『フルメタル・パニック! Invisible Victory』、『冴えない彼女の育てかた♭』、『ポプテピピック』、『地獄先生ぬ~べ~』、『新世紀エヴァンゲリオン』、『中二病でも恋がしたい!』の重大なネタバレを含みます。作品を未視聴の方はご注意ください。
谷川 柑菜 『あの夏で待ってる』
ひと夏の自主映画制作を切っ掛けに巻き起こった、5人の高校生男女+美少女宇宙人の甘酸っぱい青春模様を描く『あの夏で待ってる』。
柑菜は中学時代から主人公のことを意識しまくっており、周囲にもそれがバレバレというかわいげのある女の子。で、終わればよかったのですが……。
ある日、主人公と運命的な出会いを果たす宇宙人・イチカの登場により、いわゆる“正妻ポジション”から転落。奥手な性格も災いし、主人公に対するアピールでも後手を取ってしまいます。
さらには、主人公の親友・哲朗からの告白を受け、心情的にもボロボロになってしまう柑菜でしたが、最後まで主人公の幸せを願い続けた健気さは必見。「救済ルートを用意してあげて!」と叫ばずにはいられない、印象深いキャラクターです。
★勝敗……ストレート負け
川嶋 亜美 『とらドラ!』
『とらドラ!』は、ひょんなことからお互いの恋を応援するために共同戦線を張ることになった主人公と、ヒロイン・逢坂大河を中心とする、重厚な人間模様が魅力の青春ラブコメ。
亜美は物語序盤で転校生として登場。大河とは何かと衝突が耐えないものの、徐々に主人公たちとの交流を深めていきます。
次第に主人公に対して恋心のようなものが芽生えていく亜美でしたが、同時に周囲のキャラクターたちの恋愛感情をただひとり敏感に察知してたがゆえに、一歩引いた立場に身を留めることに。
彼女の「結局、みんな自分の事が、一番わかんないんだよね」というセリフには実感がこもりすぎていて、胸が張り裂けそうになった方も多いのではないでしょうか。
★勝敗……敗北(ゲーム『とらドラ・ポータブル!』では大勝利エンドあり)
美樹 さやか 『魔法少女まどか☆マギカ』
想い人の幼馴染を交通事故の後遺症から救うため、魔法少女になる契約を交わした女子中学生。しかし、徐々にその契約内容の真意が明かされていくに従い、さやかは絶望を深めていきます。
ふつうの人間の体ではなくなってしまったことで、幼馴染との恋路からも身を引いた彼女。
それでも魔法少女として、魔女と戦い続けることを止めなかったさやかは、徐々に戦闘スタイルもバーサーカーじみていき、ついには自分自身が魔女になってしまいます。
恐らく、青髪キャラクターの中でも1、2を争うほどの凄惨な運命をたどった女の子として、アニメ史に長く語り継がれていくことでしょう。
★勝敗……敗北(劇場版『魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』では強キャラ)
レム 『Re:ゼロから始める異世界生活』
“死に戻り”の能力とともに異世界に転生した主人公は、ヒロインの屋敷でメイドをしているレムと対面。レムは、ある事件が切っ掛けで主人公に心を開くようになり、以後献身的なサポートを続けます。
主人公への好意をストレートにあらわにするレムでしたが、困難にぶち当たって進退窮まった主人公に駆け落ちを提案された際は、毅然と突き放す素振りも見せるできた子。
自分が主人公の“いちばん”ではないことを知りながら、「カッコいいところを見せてください」と微笑みつつ、主人公の背中を押す姿は号泣必至です。
なお、レムが鬼族の生き残りということにちなんで、毎年節分の日には彼女との駆け落ちルートを選んだ場合のIF小説が、原作者の手によって投稿されるのが通例。
レム派の方は、ぜひチェックしておきましょう。
★勝敗……惜敗?(IF小説では完全勝利)
イチゴ 『ダーリン・イン・ザ・フランキス』
“叫竜”と呼ばれる謎の敵に対抗し、ロボ兵器“フランクス”を駆って戦う少年少女たちの活躍を描いた『ダーリン・イン・ザ・フランキス』。
イチゴは、主人公たちが所属する第13都市舞台のリーダーを担う、委員長系キャラクターです。
長きにわたるアニメ史において、“キレると何をしでかすかわからない”というのは優等生ポジションの宿命。
14話では、ヒロインの失態によって想い人である主人公が殺されかけたことに対し、イチゴの激情家的な側面が爆発。結果、衝撃的な展開を迎えたことは語り草となっています。
アニメ完結前から“負けヒロイン”としての地位を盤石に固めるイチゴ。我々に、青髪ヒロインの危険性を再認識させた偉大なキャラクターと言えるでしょう。
★勝敗……敗色濃厚
空 銀子 『りゅうおうのおしごと!』
主人公の幼馴染にして、姉弟子という関係性を持つスゴ腕の女流棋士。
他を寄せ付けない雰囲気を放ち、主人公に対しても何かと口が悪いところがありますが、一方で圧倒的な才能を持つ主人公に置いていかれたくない一心で将棋に励むクーデレっ子です。
しかしながら、自分のことをおばさん呼ばわりするロリ内弟子の登場が相次ぎ、アニメではやや登場回数に水をあけられ気味。
さらには、名人との連戦で迷走する主人公に対し決死のアプローチを試みるのですが、これも裏目に出てしまいます。
主人公と同じ土俵で戦える=自分だけを見てもらえる女性初の正棋士の座を目指し、彼女の飽くなき挑戦は続くのでした。
★勝敗……劣勢(原作小説ではコスプレプレイあり)
春日 聖 『トリニティセブン』
『トリニティセブン』は、“崩壊現象”により異世界に飛ばされた主人公が、同じく巻き込まれて消息不明となった従姉妹・春日聖を取り戻すため、魔道士を目指すという物語です。
つまり、主人公の最大の目的でありながら、自身は行方知れず(アニメ終盤まで出番なし)という不遇な立場に置かれてしまったのが聖の“負けヒロイン”たる所以。
しかも主人公が在籍することになった魔道学園には、魅力的な7大美少女魔道士が君臨していたというライバル過多っぷり……。
ただし聖も、主人公と、ひいては世界を救うために重要な役割を担っていることは事実。勝つには厳しいが、負けを認めるにはもったいないという彼女の“正妻争い”に、今後も目が離せません。
★勝敗……劣勢(出場機会不足)
タバサ 『ゼロの使い魔』
タバサは、異世界召喚ファンタジーの金字塔、『ゼロの使い魔』が誇る無口で無表情な青髪ヒロインです。
じつは王族の血筋という素性を持ち、それによるいざこざに巻き込まれたところを主人公に救出され、好意を抱くようになりますが……。
すでにこのとき、主人公にはルイズという恋人が。やり場のない想いを、ついには国家戦争のために利用されるなど、涙なしには語れない苦難の道を歩みます。
しかし、見た目に似合わぬガッツを秘めているのがタバサの持ち味。晴れて主人公と結ばれたルイズの前で、高らかに宣戦布告し、ラストまで虎視眈々と主人公を狙う姿勢を貫くのでした。
★勝敗……敗北(本人は諦めてない模様)
アクア 『この素晴らしい世界に祝福を!』
アクアは、異世界転生した主人公の巻き添えを食らう形で、女神の座を引きずり降ろされてしまった通称“駄女神”です。
アニメでは勝ち負け以前に、「“正妻争い”に加わる気はあるのか? 」と、問いただしたくなってしまうようなギャグ要員っぷりを披露していますが、そこが彼女の魅力でもあります。
主人公とは気のおけない関係であるがゆえに、“実家のような安心感”を体現するようなキャラクターですが、「本人があの調子では……」とも思ってしまうところ。
アクアにもしその気が少しでもあるのならば、ぜひ早めの行動を心がけてもらうことを願ってやみません。
★勝敗……不戦敗(原作小説では……?)