ニコ動で毎話1位の話題沸騰おパンツアニメ『嫌な顔されながらおパンツ見せてもらいたい』原作者・40原氏に訊く誕生秘話「10代の子たちの性癖をこじらせたい」
『嫌パン』で10代の子たちの性癖をこじらせたい
──これだけアニメの反響があると、夏コミでも相当な数のファンの方々が『嫌パン』目的で参戦しそうですよね。夏コミに向けてなにか思うところがあったりします? たくさん出すぞーとか。
40原氏:
僕自身がコミケにまだ6回しか出ていなくて、さらに今回は新しい場所(シャッター)なので不安が大きいです。今年の夏はとくに熱いので、可能な限りファンの方を待たせないようできればと、スタッフさんやとらさん(とらのあな)にいろいろ教えてもらっています。
『嫌パン』が18禁ではなく全年齢作品なことも影響しているんですが、ファンの人も僕の同人誌で初めて同人誌を知る人が多くて、コミケじたいが初めてな方も多いんです。なので、初めて来た人でもパニックにならないように配慮したいです。
──初めての同人誌って一生自分の思い出に刻まれる一冊になるわけですよね。それが『嫌パン』とはいろいろ業の深い人生になりそうですね。
40原氏:
そういうのがうれしいです! 『嫌パン』って10代の子たちの性癖をこじらせたいという目標があるので、Twitterでそういうリプをくれるとめちゃくちゃうれしいです。
──性癖をこじらせたい(笑)。
40原氏:
僕には夢があって、10年後か20年後に、いま10代の子が僕のブースにやってきてくれて「40原先生の同人誌に出会ったせいで僕の性癖が歪みました。そのせいで道を踏み外していまコミケに通ってます」って言われることなんです。
そこで堅い握手を結びたいです。ごめんねありがとうって(笑)。
──それって『嫌パン』と同じロジックですよね。「パンツを見させてごめんね、でもありがとう」って(笑)。
40原氏:
確かに(笑)。思考のベースにあるのがそこなんでしょうね。
──ちなみに先生にとっての思い出の作家ってどなたなんですか?
40原氏:
やっぱり『I”s』の桂先生(桂正和)ですかね。ずっと好きです。
──さっきのコミケで僕と握手じゃないですが、もし桂先生とお会いできるとしたら何を話しますか?
40原氏:
好きすぎて何も話せないかもしれないです。そうですね、パンツのしわ、桂しわとも呼ばれているんですが、そのパンツを超えたパンツはどこからくるのか、ぜひお聞きしたいです。
───パンツを超えたパンツ……いったいどういうパンツなんですか?
40原氏:
ふつうフルバックのパンツを描いたらあんなにしわはできないんですよね。でもあんなにしわができてなおかつすごいパンツで……まさしくパンツを超えたパンツなんです。
『嫌パン』はエロなのか? 哲学なのか?
──『嫌パン』で拝めるパンツってなんとなく白のパンツが多いイメージなんですけど何か理由があるんですか?
40原氏:
完全に僕の好みですね。平等にパンツを愛したいので、黒や派手なものいろいろ好きなのですが、なかでもとくに白が好きなんです。
また『嫌パン』はあくまで二次元のキャラクターというのが重要で、あまりリアルすぎると一気に生々しくなってしまい、意味合いが変わってきてしまうなと思っていて、あくまで二次元、でもあまり二次元二次元しすぎないありそうでないパンツを意識して描くようにしています。
──あくまで全年齢に向けての作品ということですよね。『嫌パン』って個人的にふたつの楽しみかたがあると思っていて、ひとつがエロ目的、もうひとつがパンツと嫌な顔を掛け合わせたことで生まれるシナジーを哲学的に感じる、なんですが、先生的にはどちらの認識で描いているんですか?
40原氏:
僕の中では区別したくないです。エロでも楽しんでもらいたいですし、逆にライトに笑って「これ描いてる作者病気だよ」とか言われたい気持ちもあります。
──もう言われてますよ(笑)。
40原氏:
めちゃくちゃうれしいです(笑)。そういう感じでもいいし、僕の中では“美少女の新しいかたちにしたい”という哲学的なところもあるので、深く考えてくれるのもうれしい、いろいろな楽しみかたをしてもらいたいです。
──消費する側に預けるみたいな?
40原氏:
そうですね。好きに料理してほしいです。いまのコンテンツって、消費者側に「こう遊べばいい」「こういう遊びかたで作ってるものだから」みたいなものを与えすぎな気がしているんです。
僕は消費者には無限の可能性があると思っていて、捉えかたは自由で線引きはしないようにしていて。だから『嫌パン』はあえてイラストだけでストーリー仕立てにはしなかったんです。
──『嫌パン』にそんな秘密が!? 確かにどういう経緯でこうなったとかこの後どうなったとかめちゃくちゃ気になります。
40原氏:
それを妄想して楽しんでほしいんです。そしてそれを友だち同士で語り合ってほしいです。そういうのがいちばんおもしろいんだと思うんです。
じつはたくさんある『嫌パン』の裏設定
──個人的にはキャビンアテンダントさんのイラストが好きで気になっています。なぜあの場所なのかとか、お願いしているのは機長なのかお客さんなのかとか。
40原氏:
そこですよね。お客さんならお客さんでそういうストーリーが膨らむし、機長なら機長でまた別のストーリーがそこにはあります。
──とりあえずプライドが高いのかな? っていうのと、服装もちゃんとしているのでLCC(格安航空会社)ではないなっていうのは妄想しました(笑)。
40原氏:
よくわかりますね! 彼女プライドが高いんですよ。
じつは本には描かれていない裏設定がいろいろあって、CAの彼女なら成田空港が見える千葉あたりの田舎育ちで、みんな田舎で空港関係の仕事に就いているんです。彼女が憧れている近所のお姉さんもCAなんです。
彼女は学生時代すごく地味で、それをコンプレックスに思っていて「私も絶対憧れのお姉さんみたいにCAになるんだ」と。それでキャリアを積んでバリバリやっていきたいと思っていて……なのでプライドが高いんですよ。
──それって世に出てる情報ですか? 大丈夫ですか? 書いちゃいますよ。
40原氏:
出ていないですね。書いても大丈夫です(笑)。
──ちなみにメイドさんにも裏設定があるんですか? あの笑顔とのギャップが素敵がメイドさん。
40原氏:
メイドさんはもともとあのお屋敷で住み込みで働いているんです。早くに両親と別れていて、ご主人さまのおばあさまにすごく目をかけてもらっていて。
そのおばあさまの影響で紅茶が好きだったり、ティーカップを集めるのが趣味なんです。そのおばあさまを尊敬しているのでその孫のご主人さまのことも尊敬したんです。
──だからアニメで「あのご立派だったご主人さまが」って言ってたんですね。
40原氏:
あの立派だったおばあさまのという含みも入っているんですよね。外には言ってないのですが、じつはそういう設定をめちゃくちゃ考えてあるんです。
──深いですね。鳥肌めちゃくちゃ立ちました。1話もう1回見直したい(笑)。ちなみにこれってご主人さまサイドにもなにか設定はあるんですか? パンツを見たくなった動機みたいな。
40原氏:
そこまで考えてしまうとその動きにしかならず、想像(妄想)する余地がなくなってしまうので、視聴者にゆだねるかたちがいいねという話を佐藤さんともしていました。
──そうなんですね。でもあれですよね、お願いしている人は純粋にパンツを見たくて土下座をしているんですよね?
40原氏:
そうですね。そこはシンプルに。僕の願望なので(笑)。
──やはりパンツが好きというところに戻ってくるんですね(笑)。では最後に『嫌パン』ファンの方々にひと言メッセージをお願いします。
40原氏:
みなさんの応援のおかげでこのコンテンツがあるのでこれからも応援よろしくお願いします。これをきっかけにパンツを好きになってくれたらうれしいです。おパンツ仲間として今後ともよろしくお願いします!
パンツによって青春の扉を開き、いまは10代の青少年たちの性癖をこじらせ続けている40原氏。
本気で嫌な顔をするという、これまでの二次元キャラクターにはなかった新たな美少女のかたちは、今後どのような発展を見せてくれるのか楽しみです。
40原先生描き下ろしイラスト&サイン色紙プレゼント!
インタビュー後、色紙に40原先生のイラスト&サインを描いていただきました。この色紙のプレゼント企画を8月7日(火)17時より実施します!
キャンペーンの詳細は、本日17時より公開される上記のプレゼントキャンペーン情報より確認ください!
イラストの女性の顔が見えないので、嫌な顔をしているのか、それともしていないのか……まさしくシュレーディンガーの嫌パン。存分に妄想して性癖をこじらせてください。
夏コミで『嫌パン』が頒布予定!
おパンツが好きでドMで読者の性癖をこじらせたい40原先生は今年の夏コミに参戦します。今年の夏は、冷えっ冷えの嫌な顔で見られてクールに過ごすのはいかが?
参加日:8月12日(コミケ3日目)
場所:西地区 “あ “ー51a
■40原先生からのメッセージ
新刊頒布予定です! 嫌な顔されながらおパンツみせてもらいたい人、お待ちしております。
嫌な顔されながらおパンツ見せてもらいたいイラスト展3(仮)開催
さらに、8月10日~26日の期間、秋葉原のとらのあなにて、『嫌パン』のイラスト展が開催されます。期間も長いので、ぜひぜひ足を運んでみてください。
日時:2018年8月10日(金)~2018年8月26日(日)
会場:とらのあな秋葉原店C(12時~19時)
入場料:無料