花澤香菜「美空は高校生になってどんどん可愛くなっていく」アニメ『サクラダリセット』先行上映にケイ・美空・菫が登場
河野裕さんによるライトノベル『サクラダリセット』シリーズのTVアニメ化を受けて、浅井ケイ役の石川界人さん、春埼美空役の花澤香菜さん、相麻菫役の悠木碧さん、そして監督である川面真也さんによる『サクラダリセット先行上映会舞台挨拶』が行われました。
声優たちによる自分が演じているキャラクターを紹介するコーナーでは、それぞれの役について深く語る貴重なトークが見られました。川面監督が2クール予定されているTVアニメシリーズの尺について本音を漏らす場面も。
『サクラダリセット』は合奏しながらお芝居してる気分
悠木:
私は『サクラダリセット』では、合奏しながらお芝居してる気分でした。ケイが主旋律を紡いで、それに他のキャラクターたちでリズムを乗せていくような。そういう掛け合いのお芝居が気持ちいい作品だと思っています。その掛け合いを曲にたとえれば、賑やかな曲でもなければ、悲しい曲というわけでもなくて……でも共感できる部分がつまっているというか。
司会:
「この能力とこの能力が組み合わさったらこうか!」みたいな驚きがいっぱい出てくるのが、たしかに合奏という感じはしますよね。
悠木:
あとセリフ量が多い作品なんです。そのセリフにヒントがいっぱいあるし全部聞いてほしい。すると、普通の掛け合いとはちょっと違う流れができてくるんですよね。言葉を選ばずにいうと、普通の能力モノの作品と違って、たいしたことない能力の人たちしかこの作品には出てこないんです。それがすごく良い(笑)。個々の能力では火をつけたり凍らせたりすることはできないんだけど、キャラクターが集まると能力が組み合わさる、というところに大事な部分があるなと思ってます。
ケイは非常にロジカルで頭のいいキャラクター
司会:
各キャラクターはどんな特徴を持っているのでしょうか。
石川:
私が演じた浅井ケイは、非常に淡々としていて、感情がはっきり見えづらいっていうのがあるんですね。人の話を聞くときに、自分なりの結論を出しつつも、A~Fぐらいまでの答えを出していて、果たしてこの人はその中のどれなんだろうっていうのを情報を集めながら結論に近づいていくというキャラクターなんですね。
石川:
そんなキャラクター像が非常にロジカルでおもしろいんですね。だから、結論が見えてから改めて同じ会話を見てみると、「あっ、こういうことを聞きたかったのか」っていうのが見えてくる、頭のいいキャラクターですね。
司会:
ということは、演じていると石川さんもだいぶ頭を使いませんか。
石川:
あ……はい(笑)。
花澤:
(笑)
美空は高校生になってからどんどん可愛く
司会:
それでは続いて、花澤さんのキャラクターはいかがでしょうか。
花澤:
美空ちゃんは、ほとんど表情が変わらないんですよ。中学生のときは誰に対してもロボットのように同じように喋る、自分の感情というものを消している女の子なんですけど、ケイと出会ってだんだんと気持ちがあらわれるというか、そこで彼女の本質が見られるようになるキャラクターですね。
司会:
中学生と高校生でちょっとパーソナリティーが違うというか。
花澤:
そうなんですよね。彼女のかわいらしいところは高校生になってからどんどん出てくるので、こんなに表情は変わらないのにめちゃくちゃ可愛いこと考えてるなっていうところ、ぜひ楽しみにしていてください!
猫の要素をどうやって混ぜようか
司会:
それでは悠木さんはいかがでしょうか。
悠木:
菫はオーディションのときから「猫みたいな女の子」という一文がキャラクターの説明にずーっと入っていたことが印象的でした。彼女のセリフ自体はとても抽象的で、でも頭のいい、年齢がわからないようなキャラクターだなって印象もありました。そこに猫の要素をどうやって混ぜようかなっていうのを構築するのが楽しいキャラクターでした。
悠木:
自分が菫をやらせてもらえることになってから、いつのまにか彼女のペースに全員が巻き込まれてるところとか、キャラデザだけみるとちょっと溌剌としてそうに見えたりもするんですけど、溌剌とした表情もあれば、突然大人の顔をするときもあったりして、そこがすごく気まぐれで、でもとても魅力的な女の子ですね。
司会:
なのに死んじゃうんですね(笑)。
悠木:
はい残念ながら……死んでしまうんです(笑)。
司会:
早く蘇らせてほしいですよね。
悠木:
そうなんですよね(笑)。
本当は6クールぐらい欲しいんですよね
司会:
キャラクターにとても重みの置かれている作品だと思うんですけど、監督はどんなことを考えながらキャラクターをデザインしたりディレクションされたりしていたんですか?
川面:
この作品は、キャラクターのピュアさが尋常じゃないんですよね。ただ見せ方としては真逆にも見えるような感じになっているので、その両面がなんとなく滲み出ないかなというふうには考えてます。シンプルさというよりは、複雑さみたいなものがありますね。でも、一番根本のところが、結局純粋すぎるっていうのがあると僕は思っています。原作をお読みの方はわかると思うんですけど、本当は6クールぐらい欲しいんですよね。でもTVアニメとして2クールいただけているので、なんとかそのなかで最後まできっちり駆け抜けたいという、その一心です。
司会:
監督自体も取りこぼしたくない要素でいっぱいということですよね。
川面:
そうですね。尺との戦いなんですよ。さっき言ったピュアさみたいなのを出す時に、やっぱり間も欲しいし(笑)。