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元探偵ファイルの山木陽介が明かす探偵業のホントのところ! 探偵学校のカリキュラムは? 気になる調査料金もぶっちゃけ公開「だいたい1日10万円」

 潜入ライターとして活躍するニポポ氏@tongarikids)がMCを務めるniconico公式番組「ニポポのニコ論壇時評」。今回は情報サイト「探偵ファイル」の元記者で総合探偵社SKY株式会社代表取締役の山木陽介氏@yamaki_yosuke)をゲストに迎え、その実態は謎のベールに包まれている“探偵業”のアレコレについて特集しました。

 山木氏自身が探偵になろうと思ったエピソードをきっかけに、謎に包まれた探偵学校のカリキュラムや具体的なトレーニングの様子、さらには調査料金の相場まで大公開。山木氏の語りによって推理小説やドラマとは違う、リアルな探偵の姿が浮き彫りになります。

左からニポポ氏山木陽介氏

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少年時代に読んだ本をきっかけに探偵学校へ

ニポポ:
 山木さんが探偵をやろうとなったきっかけって何だったんですか?

山木:
 一番最初まで戻るのであれば、やっぱり小・中学生のときに漠然と憧れていたことがきっかけなんですけれども、職ということに対してものすごくイメージをしたのは完全探偵なんとやらという本を見て憧れて、面白そうじゃん! というふうになったのが最初のきっかけですね。

『完全探偵マニュアルBest+―尾行・盗聴・潜入スパイ 強く図太い禁断テクニック』
(画像はAmazonより)

 自分は今年で探偵歴が19年目になってくるんですが、今はネットで探偵求人や広告とかが出てきますが、昔はなかったんですね。探偵になろうと思ってもそれを教えてくれるところもないですし。唯一あった学校が、自分が6年いた会社がやっていた探偵学校で、そこに入ってあとはエスカレーターで7~8年探偵を経験して、そこから独立する形になっていますね。

ニポポ:
 物語の探偵さんに憧れて、そこからスタート! という感じですか?

山木:
 いや、ノンフィクションの『完全探偵マニュアル』とか、調査のやり方が書いてある本とか。これも今ではネット検索をすれば出てくる話ではあるんですが、昔はサブカルの本棚にあったんですよ。それを見て、面白そうだと思ったのがきっかけですね。

ニポポ:
 なるほど。探偵学校ではどういった授業があるのか軽く教えてもらっていいですか?

山木:
 探偵学校を知らない方がほとんどだと思うんですけれど……学校と言っても学校法人格があるわけではなくて、いわゆるカルチャーセミナーの一環ではあるんですよ。自分が卒業したところはそれよりもカリキュラムがしっかりしていました。だいたいベーシックと言われる基本的なカリキュラムで2ヶ月かな。2ヶ月といっても、週2~3日を2ヶ月ですよ。

 それ加えて、マスターというカリキュラムでは深く踏み込んだ内容になってきます。そうすると更にまたに1~2ヶ月。週2~3のペースで半年くらいで卒業になります。

ニポポ:
  カリキュラムの中身としては探偵のいろはを教えられるわけですよね。

山木:
 これもまた面白いもので、自分がその学校の講師になってみたり、自分が探偵として独立して学校を卒業した人を使うようになってからわかることなんですけれど、カリキュラムの内容では全然足りないんですよね。

ニポポ:
 さすがに半年じゃ収まりきらないですもんね。

山木:
 そんな内容ならやる意味ない、と思っていたぐらいなんですけれど、やりはじめると半年もやらない人間とやった人間とでは、全然違ってくるんです。

ニポポ:
 その基盤があるとないではデカイんですね。

現場トレーニングは徐々に難易度を上げていく

ニポポ:
 学校を卒業するわけですけれども、いきなり現場に出るもんなんですか。

山木:
 現場には出ずに最初はバレても問題ない人たちを相手に練習をするんですね。たとえば探偵のイメージにあるものに尾行だとか浮気調査だとかがあると思うんですけど。だいたいにおいて尾行と張り込みが基礎になってくるんですね。

 それを何の経験もなくやってもしくじるだけなので、最初は学校のカリキュラムにもあるのですが、学校の先生だったり、絶対に見逃さないようなスタイルの人たち……わかりやすいようにわざと赤のマフラーを巻いてみたり。そのような見逃さないような格好をしている人たちで練習します。  

 これも1時間立っていると、自分が見逃しただけなんじゃないか? とか、もうとっくに自分の前を通り過ぎたんじゃないのか? とか……。

 たとえば「夕方の5時半に銀行のATMを出る」と言っておいてスタートするんです。それで慣らしておいてから、今度は立ち寄る場所を3つ、4つくらい付け加える。そうすると1回しくじっても全部どこかで張るということを覚えたりとか、一番近いのはどこだろう? とか、そういうのを推理するようになるんです。

 最終的には3人を並べて、「この中の誰かを尾行しなさい」とか。慣らしに慣らしておいて、今度は「自分の友達や家族で練習しなさい」って言ってみたり、最終段階は「新宿駅の改札から出てくる10番目の人を尾行しなさい」とか。

ニポポ:
 まったく見ず知らずの人を追う、ということですね。

山木:
 でも女性を尾行すると事件になりますから、女性と子供はやめなさいと。10代後半からの男性で、その方が家に帰るまで尾行しなさいと。それを2ヶ月くらいトレーニングして、ようやく先輩について現場に出る感じですね。

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