兄妹創作ユニット『萬月邸』がクラウドファウンディングで制作した和楽アルバム『闢蓮抄』の制作秘話を語る。歴史上の人物をテーマにする苦労とは!?
「みんなでつくる、みんなのたまり場」がテーマのニコニコ生放送『ニコラジ』。3月31日(金)の放送ではMCに百花繚乱さん、アシスタントにthatさん、絵師スタントに、ぽあろさん、ゲストに萬月邸(ばんげつてい)メンバーの佳館杏ノ助(よしたてきょうのすけ)さん、芙雪(ふゆ)さん兄妹が登場しました。
番組ではクラウドファウンディング『歴史上の人物をテーマにした和楽アルバムを制作するプロジェクト』をきっかけに、制作されたアルバム『闢蓮抄(びゃくれんしょう)』より「命火眩暈(めいかげんうん)」の生歌を披露していただきました。 さらに、アルバム収録曲の制作秘話を萬月邸のお二人が語ります。
クラウドファウンディングからリリースが決定したアルバム『闢蓮抄』
百花繚乱:
今回の放送では、なんと生歌を披露していただけます! どんな曲を披露していただけるんですか。
杏之助:
この『闢蓮抄』というアルバムの中の5曲目に入っている『命火眩暈(めいかげんうん)』という曲です。この曲は小早川秀秋【※】という若くして亡くなった戦国武将をモチーフにした曲なんです。このアルバム自体が歴史上の人物をモチーフにした曲ばかりを入れているので、その中から1曲を披露します。
※小早川秀秋
安土桃山時代の大名。丹波亀山城主、筑前名島城主を経て備前岡山城主となった。豊臣秀吉の親族だったが、小早川隆景と養子縁組した後、関ヶ原の戦いで徳川家康の東軍に寝返り、豊臣家衰退の契機を作った。
that:
小早川秀秋をどのように曲にしていくのか、知りたいです。
杏之助:
基本的に人選みたいなものは興味だけで行っています。
百花繚乱:
興味だけで!?
杏之助:
これをやったら面白いんじゃないか、というのもありますね。例えば明智光秀だったら「本能寺の変」を切り取って、本能寺に行くまでの気持ちを歌にしたりとか。
that:
明智光秀を歌うと、本能寺が燃えてる時に「あーちーちーあーちー♪」って(笑)。
百花繚乱:
「燃えてるんだろうか~♪」じゃなくて、燃えてるからね。
杏之助:
それって、熱いのは明智光秀じゃなくて、織田信長のほうですからね(笑)。
一同:
(笑)
杏之助:
で、今回の小早川秀秋は裏切り者って言われていて……はいっ(芙雪に振る)。
百花繚乱:
そこで振る(笑)!?
一同:
(笑)
芙雪:
では、いきましょうか(笑)! 小早川秀秋は関ヶ原の戦いで徳川家康側に寝返った裏切り者と言われています。けれど、18歳ぐらいで若くして大きな戦いに身を投じた子なので、色んな決断を迫られることが多かったんです。
この歌では、ただの一人の男の子として捉えたいって思ったんです。彼はアルコール中毒が原因で死んでいるという説があります。お酒に逃げちゃうストレスとか、立場も、もともと豊富秀吉の養子だったんですけど、秀吉の家臣の養子にさせられちゃったり、けっこうドラマティックな人生を歩んでいて、大人に裏切られた孤独感を今回は曲にしようと思いました。
百花繚乱:
なるほどなー!
杏之助:
そうなんですよー(笑)。
百花繚乱:
裏切ったって所にしかフォーカスが当たらなかったりしますけど、何故裏切ったのかが今回の歌に仕上がっているということですね。