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兄妹創作ユニット『萬月邸』がクラウドファウンディングで制作した和楽アルバム『闢蓮抄』の制作秘話を語る。歴史上の人物をテーマにする苦労とは!?

スタジオで『闢蓮抄』に収録された『命火眩暈(めいかげんうん)』を歌う二人。

苦戦したクラウドファウンディングの公約

百花繚乱:
 アルバム『闢蓮抄』の中で、はじめての人に聞いてもらいたいなって曲はありますか?

杏之助:
 困る質問ですね(笑)! でも全部一度に聞けないですもんね。

芙雪:
 それでしたら、一曲目の卑弥呼の曲を聞いてみて欲しいです。

アルバム『闢蓮抄』Amazonより。

百花繚乱:
 テンション的にはどんな曲になるんですか。

芙雪:
 テンション的には(笑)……リオオリンピックの閉会式で「君が代」が流れていましたよね?

杏之助:
 不思議な「君が代」が流れてたと思うんですけど、ああいう雅楽の和音を使って作っているんです。ですから結婚式とか神社とかの「ファ~♪」っていう。

一同:
 あーっ(笑)。

杏之助:
 ああいう音を使った曲です(笑)。このアルバムを作る時には「なるべくその時代の言葉を使う」という事をクラウドファウンディングの公約に入れてしまっていたんです。そしたら卑弥呼ってそういう資料がないらしくって(笑)。

芙雪:
 めちゃくちゃ昔の人物なので調べられなかったんです。でも、唯一、卑弥呼の時代に「かしこまりました」という意味の言葉が残っていて。

一同:
 へーっ!

芙雪:
 それが「噫」っていう、漢字一文字なんですけど……。

杏之助:
 口偏に意味の意で、あれで「うぉう」って読むらしいんですよ。

芙雪:
 学者の人によって発音は諸説あるらしいんですけど我々は「うぉう」で読むことにしました。

百花繚乱:
 「噫(うぉう)」が、えっと……かしこまりました?

芙雪:
 はい。

百花繚乱:
 じゃあ、喫茶店で「ブレンドひとつ」って言うと?

一同:
 「噫(うぉう)」(笑)。

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