『100日後に死ぬワニ』とは何だったのか? 吉田豪&久田将義が語る。「感動の余韻が台無し」というファン心理と告知炎上を解説
Twitterで大きな注目を集めていた四コマ漫画『100日後に死ぬワニ』が、最終回の直後に書籍化や映画化など大々的なキャンペーンが発表され、炎上状態となった。
久田将義氏と吉田豪氏は自身がパーソナリティをつとめるニコニコ生放送「久田将義と吉田豪の噂のワイドショー」において、この話題に言及。
吉田氏は作者のきくちゆうき氏について、『100日後に死ぬワニ』をはじめ、それ以前の作品から読んでいたことを明かしながら、「アンダーグランドの人がここまでメジャーになって良かった」とこの炎上騒動となった原因を分析しながら肯定的な立場を明かした。
※本記事はニコニコ生放送での出演者の発言を書き起こしたものであり、公開にあたり最低限の編集をしています。この番組は2020年3月26日に放送されたものです。
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「なんでもないような事が幸せだったと思う」という話
吉田:
久田さん、ワニの漫画が人気らしいって100日目に知ったんですよね?
久田:
100日目に知りましたよ(笑)。一応遡って見ましたけどね。
吉田:
最終回公開直後の「ワニ??」ってツイートに爆笑しましたよ、100日目にワニを知る久田将義(笑)。読んだ結論はどうでした?
久田:
そんな面白くない(笑)。
吉田:
面白いとかの作品じゃないんですよ(笑)。カウントダウンしていくのをリアルタイムで毎日読むのと、ワニが死んだ後で一気に読むのとでは、受け取り方は全然違ってくるんだと思います。
久田:
そうだよね。考えさせるというか、一コマ一コマが面白いんじゃなくて全体を通して面白いんでしょね。
吉田:
100日後に死ぬということが分かった瞬間、何でもない日常が別物に見えてくるという、要はTHE 虎舞竜の「ロード」みたいな感じなんですよね。
久田:
なるほど。
吉田:
交通事故で大切な人を失ったことで、何でもないような事が幸せだったし、二度とは戻らないことに気付くという。
久田:
確かに。「ワニ=THE 虎舞竜」説、いいな(笑)。
公認パロディの炎上を分析
吉田:
犬山紙子さんがレギュラー出演中野番組『スッキリ!!』で、丁度100日目の最終回公開直前にに作者の前で自分が考えた100日目のラストを発表するという公認パロディ企画に挑み、ネットで異常な叩かれ方をするというトラブルもありました。
久田:
なんで!? 作者公認でやってるのに。
吉田:
そうですね。結局、「感動待ち」をしている人たちがいて、そのタイミングでパロディが出されて「邪魔しないで!」という事だと思うんですけどね。
久田:
それでも演者として書かざるを得ないからね。犬山さんは仕事をしただけなんだけどね。それで叩かれるのは可哀想じゃない?
吉田:
『100日後に死ぬワニ』って、すごいヒューマンというか、人に対する優しさだとかを学ぶような漫画なのに、こんな殺伐とした事が起きるという……。
久田:
そうですよね、人の優しさを教える漫画なのに、学べてない人がいたんだよね。犬山さんを攻撃する人は、意味が分からないですよね。
色んな解釈があって良いと思いますけどね。例えば「あしたのジョー」も色んな解釈があって同じだと思います。それをしてはいけないのなら、表現の自由の制限ですよ。
吉田:
そして、書籍化や映画化、さらには大量のグッズ展開やらカフェ開店やらが一気に告知されて炎上した流れですけど、「ビジネスかよ!」「こんなタイミングでありえない」「感動の余韻が台無し」などと叩かれまくりました。
ただ、最終回から時間が経ったいま、もうビックリするぐらい話題になってないから、やっぱりあのタイミングで告知するしかなかったんだなとは思いますね。
久田:
確かに。
吉田:
せめて一、二週間待つべきだとか色んな意見があったじゃないですか。そんな待ってたら余韻どころか話題性も一切なくなってましたよ。やっぱりコロナがこんなことになると、誰もがワニどころじゃなくなるんですよね。
久田:
確かに。これ最近っちゃ最近だけど、もう昔の感じに見えるよね。
吉田:
100日目に知ったばかりなのに!
久田:
もうほとんど忘れてます(笑)。
吉田:
僕はもちろん1日目から見てますし、作者の前の作品から読んでる側なので、ああいうアンダーグラウンドの人がここまでメジャーになって良かったねという思いを抱いてる側ですよ。
久田:
これ書籍化するんでしょ? それは良いんじゃないですか。やっぱり苦労して書いた漫画だからマネタイズ出来た方が良いに決まってるんですよ。
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