二重国籍解消を公表した小野田議員、前職は『ヘタリア×羊でおやすみシリーズ』等シナリオを手がける“乙女系コンテンツのプロデューサー”だった
小野田議員の前職は乙女向けCDプロデューサー
山本:
区議会議員をやられる前にゲーム会社にいたんですか。
小野田:
元々はシチュエーションCDとかBLCD【※】を作っていました。ゲーム会社と言った方が分かりやすいので、そう言っているんですが。
※BLCD
男性同士の恋愛を題材にした「ボーイズラブ」というジャンルの音声のみのドラマが収録されたCD。
山本:
シチュエーションCDってなに。
小野田:
なんて言ったらいいのかな(笑)。人気声優、男性声優がいい声で羊を数えてくれる『羊でおやすみシリーズ』とか、疑似デートが出来て恋をしている感覚になれるようなCDとか……。
山本:
人気声優というと悟空の声優の方とか。
小野田:
いやぁ、そういうのじゃなくて……。若本さんとか出ましたよ、『羊でおやすみシリーズ』に。のちのちシチュエーションCDとゲームが一体になった『Starry☆Sky』というのを作ったりとか。私『ヘタリア×羊でおやすみシリーズ』のプロデューサー、シナリオなんですよ!
山本:
みんな分かんないと思うけど(笑)。
制作現場の待遇問題 作品にも業界にも興味がない出資者達
山本:
今クールジャパンをやっていてゲームの辺りがカバー出来ていないですよね。ゲーム産業って実はコンテンツとして大きいじゃない?
小野田:
んー、ジャンルによりますけどね。
山本:
シチュエーションCDもそうだけどゲーム関係で頑張っている人たち、あるいはアニメ業界でもアニメーターとか大変じゃない、給料とか。これだけ質の高いアニメーションを作り続けている。だけどこの業界に従事しているスタッフの人や技術者の人が報われない。小野田さんは現場を知っているだけに説得力があるので聞きたいのですが、何が一番の問題なんだろう。
小野田:
日本人のいい所だとも思うんですが、やりがいだけで理不尽な環境に耐えちゃう所がいけないと思っています。私もゲーム会社にいて手取り、何万とは言いませんが、すごく低くて、残業代も出なくて、労働基準法何それ? という状態でしたが、それでも好きだから良いものを作りたい、ユーザーを喜ばせたい、だから頑張っちゃう。その頑張っちゃうという気持ちを悪用されているのが現状なんです。
あとは出資をする人がマンガやアニメやゲームを好きではないのかな。「とりあえずこの金でやれよ、売れるモノ作れるんだろ。現場? 知らないよ」とか「アニメ潰れたっていいんだよ、他の金づる見つけるから」というような人がお金を出していると、結局「アニメ業界が潰れます! 」と言った所で「だから? 」ってなっちゃう。
だからまずはダンピング【※】をしない、あとは出資者の人にお金が入るシステムである今の製作委員会方式ではなく、クラウドファウンディングとか現場の人にお金が入ることを前提にした作品作りを出来るようにシステムを変えないといけないと思います。
※ダンピング
採算を無視して商品を安売りすること。投売り。
この記事で扱った小野田さんが登場する箇所は下記プレイヤーの30:18から始まります。