お酒を飲んだ後にラーメンが食べたくなるのは“脳の命令”だった! 相性抜群の科学的理由に「もうベストパートナーじゃん」の声
今回紹介する、ゆっくりラボラトリー【化学解説】さんが投稿した『【ゆっくり解説】なぜお酒を飲んだ後は、ラーメンが食べたくなるのか?科学的理由 太らないためには??』という動画では、音声読み上げソフトを使用して、飲酒後のラーメンを食べたくなる理由について解説していきます。
■お酒を飲んだ後にラーメンを食べたくなる三つの理由
魔理沙:
お酒を飲んだ後にラーメンが食べたくなるのには科学的な理由があります。それを詳しく解説していきます。霊夢:
よろしくお願いします。
魔理沙:
まず体内でアルコールがどのように分解されていくのかを解説していきます。口から入ったアルコールは胃から20%、小腸から80%が吸収され、その大部分が肝臓で処理されます。ちなみに普段我々が飲んでいるアルコールはほとんどがエチルアルコールと言う物質です。エチルアルコールは別名エタノールとも言います。霊夢:
正式名称はそんな名前だったんですね。魔理沙:
肝臓の代謝量を超えた分は血中エタノール濃度を上昇させます。霊夢:
つまり肝臓で分解されない余った量は血液内に行くってことですね。
魔理沙:
その通りです。まずは肝臓での分解反応を見ていきます。肝臓内では、まず、ADH(アルコール脱水酵素)やMEOS(ミクロゾームエタノール酸化系)により分解され、悪酔いや頭痛、動悸の原因ともなるアセトアルデヒドになります。霊夢:
難しいですね。なぜアセトアルデヒドにするんですか? 身体に悪いものですよね。
魔理沙:
いい質問ですね。体内ではアルコールを貯蔵する仕組みがないためです。アセトアルデヒドをさらに変換して身体に害がない物質に変えます。アセトアルデヒドに変換した後、肝臓内のALDH(アルデヒド脱水素酵素)により酢酸へと分解されます。この酢酸は身体に害がないため、血液より全身へめぐり、水と二酸化炭素に分解され、汗や尿、呼気中に含まれて外へ排出されます。
霊夢:
なるほど。アルコールを貯蔵しておく場所がないから、一旦アセトアルデヒドに変換してその後体に害がない酢酸に変えるんですね。
魔理沙:
その通りです。問題は肝臓の代謝量を超えた分のアルコールです。この余ったアルコールは血中の他に神経細胞にも入り込みます。すると神経の命令が伝わりにくくなり、脳の活動が鈍くなります。脳は神経の機能を回復させようと、信号の伝達に働くナトリウムイオンを要求します。その結果ナトリウムイオンを多く含んでいる塩分が欲しくなります。
霊夢:
つまり、過剰のアルコールのせいで脳が鈍り、脳の機能を回復させようとナトリウムイオンを含む塩分が欲しくなるんですね。その結果、しょっぱいものが食べたくなるんですね。魔理沙:
その通りです。これがまずお酒の後にラーメンが食べたくなる理由の一つです。次に二つ目の理由について解説していきます。お酒を飲むと肝臓が働くことがさっき分かりましたよね。肝臓が働くために必要なエネルギーはグルコース(糖)という物質です。するとグルコースが現象気味となり、「脳がグルコースを取れ」という命令を出します。グルコースとは炭水化物のことです。
霊夢:
なるほど。これが二つ目の理由ですね。肝臓が働くために炭水化物が必要なんですね。魔理沙:
その通りです。次に三つ目の理由について解説していきます。お酒を飲むと普段よりトイレに行く回数が増えますよね。これはアルコールに利尿作用があるためです。最大で飲んだ量の1.5倍も排出するそうです。霊夢:
飲んだ量の1.5倍! じゃあお酒を飲むことは水分を取っているように見えるけど実際は体内の水分は結果的に減っていることになるんですね。魔理沙:
尿には水分と塩分が含まれており、塩分にはナトリウムとカリウム、クロール(塩素)といった必要不可欠な栄養素も含まれています。つまり、お酒を飲むと、身体にとって大切な栄養素をかなり失うということになります。こうした理由から、栄養素を補給しようと体が「炭水化物」、「水分」、「塩分」を要求します。ラーメンはその条件に見事に適っている食べ物であると言えます。
霊夢:
なるほど。でも「炭水化物」、「水分」、「塩分」を含む食べ物なら他にもあるんじゃないですか? ラーメンの他にもその条件を満たす食べ物がありそうなのに、なんでラーメンが一番食べたくなるんですか?
魔理沙:
実はラーメンのトッピングとスープにも秘密があります。スープにはたくさんの旨味成分が含まれています。昆布だしに含まれるグルタミン酸や豚骨スープに含まれるイノシン酸は、アルコールを分解するのに役立ちます。グルタミン酸は、アルコールを分解する際に肝臓で消費され、またイノシン酸はアルコールからアルデヒド、さらに酢酸へと分解する酵素の働きを助けます。
グルタミン酸は、昆布やイワシのほか、パルメザンチーズやトマト、白菜や緑茶にも多く含まれます。イノシン酸を多く含む食材は、煮干し、鰹節、サバ、豚肉、牛スネ肉などです。
霊夢:
なるほど。つまり、ラーメンのスープにはグルタミン酸や、イノシン酸という成分が含まれていて、それらがアルコールを分解するのに役に立っているんですね。魔理沙:
またラーメンのトッピングとして人気のゆで卵や煮卵にも秘密があります。実はゆで卵にはLシステインという栄養素が多く含まれています。Lシステインには、アルコールや、アセトアルデヒドを分解する酵素を活性化する働きがあり、アルコール分解を早める効果が期待できます。霊夢:
じゃあお酒を飲んだ後はLシステインを多く含む卵をたくさん食べようかな。魔理沙:
いい心掛けだと思います。飲み会の木でだし巻き卵などを頼む行為は本能的にアルコールを分解しようとしてるのかもしれません。また豚骨スープや塩ラーメンで使われるゴマにも秘密があります。ゴマに含まれるセサミンは、アルコールやアセトアルデヒドを分解する酵素を増やす他に、肝臓をアルコールから保護する働きがあります。またアルコールを分解する酵素が活発になることにより、多く活性酵素が生まれ肝臓を傷つけてしまうが、セサミンにはそれを修復する効果まであります。
霊夢:
セサミンすごいですね。アルコールを多めに摂取した日にはゴマを多めに摂ると肝臓にいいかもしれませんね。
魔理沙:
まとめると塩分、炭水化物、水分、グルタミン酸(昆布だし)、イノシン酸(鰹、煮干しダシ)、Lシステイン(卵)、セサミン(ゴマ)を摂るのにラーメンが最適となります。霊夢:
なるほど。じゃあお酒を飲んだ後は卵トッピングのゴマを振った出汁のきいたラーメンが最適かもしれませんね。魔理沙:
ただラーメンは太りやすいので、これらの栄養素を含む他の食べ物を考案すれば、もっと健康的な食生活をおくれるかもしれませんね。
お酒を飲んだ後のラーメンは、科学的な要因があり、お酒とラーメンの関係性は条件に見合った食べ物であることが分かりました。
■ビールが太る理由とは
霊夢:
お酒を飲んだ後にラーメンを食べたくなる理由がわかった気がします。でも、どうすれば食べずに我慢できますかね。ラーメンを食べ過ぎるとやっぱり太ってしまいます。魔理沙:
それは、やはり意志の力しかないかもしれませんね。それかさっき言った、ラーメンに代わる健康的な食事をとるかですね。霊夢:
そういえば、ラーメンは関係ないけどビールって他のお酒より太りやすいって言いますよね。ビール腹っていう言葉もありますし、何か太りやすい成分でも入ってるんですか?
魔理沙:
ビール一杯にはご飯一杯分と同じ量のカロリーがあります。しかし、実はビール腹の原因はこのカロリーのせいだけではありません。実はビールのカロリーのほとんどはエタノールによるものです。先ほど説明したように、エタノールはすぐに分解されてしまうので太る原因にはなりません。霊夢:
じゃあなんでビールが太ると言われているんですか?魔理沙:
実は、ビールの中のホップ由来の苦味成分であるイソフムロン類が食欲を増進する働きをします。その結果、ビールを飲むと食べ過ぎてしまって太るのではないか、と言われています。これも、飲んだ後にラーメンが食べたくなる原因のひとつかもしれません。霊夢:
なるほど。ビールそのものが太るんじゃなくて、ビールを飲むことで食欲が増進してしまうため太るんですね。魔理沙:
その通りです。しかし、このイソフムロンは一概にには、悪いものとは言えません。イソフムロン類には、糖尿病改善作用や血圧降下作用、動脈硬化抑制、肥満抑制、皮質代謝改善作用など多くの効果が確認されています。しかし、飲み過ぎには注意が必要ですね。霊夢:
今日でアルコールとラーメンについて少し詳しくなった気がします。みなさんはお酒は程々にして食べ過ぎには注意しましょう。
ビールそのものが太るというよりは、ビールによる成分で食欲が増進されて、ついつい食べ過ぎてしまい太るということが分かりました。お酒の付き合い方が自身の健康に影響する理由が分かりました。
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