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やりこみゲーマーはなぜ苦行に挑み続けるのか──「普通に辛いです」それでも縛りプレイに身を捧げる理由【おやつの人インタビュー】

 なぜ人は苦行に挑むのだろうか。

 例えば、山登りに魅入られた人たちがいる。険しい山道、過酷な環境、命の危険と隣合わせな状況に身を置くとわかりつつも、彼らは山に登る。

 非日常な体験、壮大な景色、そして山頂にたどり着いた瞬間の達成感。そんな魅力が彼らを山に誘っているのだろう。

 そしてそれはゲーマーの世界でも同じことが言える。

 頼れる仲間を集め、レベルを上げ、装備を整え、強大なボスに挑む。苦しいこと、辛いこと、大変なことがあったとしても、その先にあるゲームクリアという目標があるからこそ、ある程度の苦行は楽しさに昇華されるわけだ。

 わかる。ここまではわかる。

 しかし世界は広い。この世には、レベルを上げない、装備も集めない、技やスキルを封印するetc……など、まるでエベレストに近所のコンビニへ出かける格好で登ろうとする者たちがいる。

 やりこみゲーマー、狂人、偉大な変態、プロのドM……呼称はさまざまだが、我々一般人から見て領域外の存在に他ならない。数々の縛りプレイ動画を投稿しているゲーム投稿者・おやつさん(おやつの人)もそのひとりだ。

さまざまな縛りプレイ動画を投稿しているおやつさん(@Oyatsu_Co)。

 483──これは、おやつさんがとあるモンスターを倒すまでにやり直した戦闘の回数である。1戦の時間を5分でカウントすると約40時間かかる計算だ。じつに一般的なサラリーマン1週間分の労働時間にあたる。

 「(こんなことやっていて)辛くないんですか?」との問いかけにおやつさんは答えた。

 「普通に辛いです」と。

 そんな思いがけない展開から始まったインタビューでは、縛りプレイに挑む際、動画にする際のこだわりや、何度も戦闘をやり直ししているときの心境など、おやつさんの頭の中に迫ることができた。

取材・文/竹中プレジデント

縛りプレイは普通に辛い

──本日はよろしくお願いします! 投稿した動画がさまざまなメディアで記事として取り上げられているおやつさんですが、今回のような取材の申し込みって過去にはなかったんでしょうか。

おやつ:
 よろしくお願いします。今回のように連絡をいただいてお話をする機会は初めてです。いつもは、Twitterのリプライで「記事になってるよ」と教えてもらって、そこで記事になっているのを気づく感じなので。

──初めての取材という貴重な瞬間に立ち会えて光栄です。今回は“なぜおやつさんは苦行に挑み続けるのか”をテーマに、縛りプレイの醍醐味や実際にどのような流れで縛りプレイに挑戦しているのかなど、いろいろとお話をお聞きできればと思います。

おやつ:
 はい。なんでも聞いてください。

戦闘回数を縛ったり、行動を縛ったり、さまざまな縛りを自身に課してゲームに挑んでいるおやつさん。

──ありがとうございます。さまざまな縛りプレイに挑戦しているおやつさんですが、テイク数が100回を超える戦闘も珍しくないです。これは、一般人からすると非常に辛い作業に見えるのですが、プレイしている際はどんな気持ちなんでしょうか。

おやつ:
 楽しいか楽しくないかだと、全然楽しくないですね。普通に辛いです(笑)。

──そうなんですか!? てっきり、苦行じたいを楽しく感じてしまう人なのかと。

おやつ:
 いえ、そんなことないですよ。挑戦中は心の中で早く成功してくれと思っています。

── そのわりには、いつも嬉々として苦行に挑んでいるように見えるのですが?

おやつ:
 それを乗り越えないと動画にできないので、やるしかないんです。

──動画を作るためのゲームプレイなんですね。でもちょっと待ってください……「【ロマサガ3】閃きだけで最少戦闘回数クリアに挑戦」のラスボス戦では、ただ勝利するだけではなく、どんな風に勝つかの吟味もされていましたよね?

ただでさえ勝率が低いうえに勝ちかたすら吟味をする狂気。

おやつ:
 そうですね。確か4回目に勝利した戦闘を動画化しました。倒すのに約1時間、倒せないときの戦闘時間も長めなので、時間じたいはけっこうかかってしまいましたね。

──倒すのに約1時間かかる戦闘での勝利を3回も見送る。その結果、テイク数は182回にも及びました。こんなことをするなんて、やはり苦行を楽しいと感じているとしか思えないのですが……。

おやつ:
 それにはちゃんと理由があるんです。確かに当初は、最初に勝利した戦闘で動画を作ろうと思っていました。

 でも、その戦闘では、あっさりと勝利してしまっていて、盛り上がりに欠ける展開だったんですよね。この戦闘を動画化しようとすると、逆に編集が大変になると思ったんです。

──“勝利してしまって”という感覚が、もはや理解しがたい部分なのですが……。つまり、動画としての盛り上がりを重視したがゆえの吟味だったと。

おやつ:
 はい。シリーズのラストバトルでしたし、ボスを倒したときの達成感を見ている方々にも感じてほしかったのもあります。

勝ちかたにもこだわった結果、画面が絶叫コメントで埋まるほど盛り上がりを見せた。

──なるほどなるほど。あの戦いが特別だったんですね。

おやつ:
 あ、でもあの戦闘だけでなく、勝利してもやり直すケースは珍しくないですよ。

──えっ?

おやつ:
 だいたいの場合、敵の攻撃に対してあらかじめ対策を用意して戦闘に挑むんですが、敵がその行動をとらないまま倒してしまうこともあるんです。

 その場合は、勝利したとしてもやり直します。やはり見せられるものは全部見せきって倒したいという想いがあるので。

──すべては視聴者におもしろい動画を届けるため?

おやつ:
 そうですね。何より自分としてもおもしろいものを作りたいと思っているので、つまらないものは出したくないんです。

パイロヒドラ戦の吟味は二度とやりたくない

──おもしろい動画を追求するがゆえ、心が折れそうになる辛い戦闘を経験したことは一度や二度ではないと思います。いま思い返してみて、もう二度とやりたくないなあって思う戦闘ってありますか?

おやつ:
 あえてひとつあげるとしたら、「【ロマサガ3】閃きだけで最少戦闘回数クリアに挑戦 」11戦目のパイロヒドラ戦です。あの吟味は二度とやりたくないですね。

──パイロヒドラ戦、敵を倒したときの味方キャラのステータスアップの吟味、そこに低確率(2.3%)でドロップする“ヒドラ革”というアイテム入手も同時に達成できるまでやり直しする狂気の吟味でした。最終的に483回目の戦闘でようやくクリアできたわけですが。

地獄の吟味。

おやつ:
 1戦にかかる時間じたいは短かったんですが、条件を満たす確率が非常に低かったため、やり直し回数も多くなってしまいました。

──実際にかかった時間はどのくらいだったんですか?

おやつ:
 1日中ずーっとプレイしていたわけではないので、トータルで何時間というのはわからないのですが、2、3週間くらいはパイロヒドラと戦い続けていたと思います。

──1戦だけでそんなに……。動画の反応を見ると、乱数調整のテクニックまで使って勝利したサンディーヌ戦(Part6)も非常に苦戦していた印象を受けるのですが、実際はどうだったんでしょう。

必殺・乱数表。

おやつ:
 そういう反応をいただくことはあるのですが、じつはそうでもないんです。

──まさかの。

おやつ:
 なかなか条件を満たせなくて、とうとう乱数調整にまで手を伸ばした……ように見える動画の演出をしているので、そう思われる方がいるのも当然だと思います。

 しかし実際は、事前のテストプレイの段階で、当たりを引き当てる確率が1/1024なのも調査済みでしたし、あの戦いかたで倒すことも予定通りのものでした。

──あの戦いかたというのは、リセットからAボタンを全力で連打し戦闘に入り、9.7秒後に最後のコマンドを入力して、即死技の次元断で倒すことですよね。いや、改めて言葉にしてみても意味不明な戦法です。

自身のボタン連打速度を計測、そこから逆算してタイミングよくボタンを押すことで狙った技を発動させようとする、とんでもない作戦を実行した。

おやつ:
 ただただ1/1024の当たりを引くまでひたすらやり直しをくり返す戦いかたですと、動画的におもしろみがないため、『ロマサガ3』の乱数の仕組みをエンタメ的に解説しようと、あの見せかたにしたんです。

──いやはや、完全におやつさんの手のひらで踊らされていたというわけですね。おもしろい動画のためという明確な目的があるにしろ、失敗が続き、何度も何度もやり直ししているときって、メンタル的にしんどいと思うんです。そんなときのメンタルケアってどうされているんでしょう。

おやつ:
 確率の低い挑戦の場合は、あらかじめプレイする時間を決めておくのが精神衛生上いいです。例え成果がでなくても、終わりが見えている状態というのは大きいですね。

 あと、自分の場合、本番前の事前調査で確率を出しているので、だいたいこのくらいやり直せば出るだろう、という情報がわかっているのは救いではあります。

ムリゲーを運ゲーに引き上げるのが縛りプレイの醍醐味

──聞けば聞くほど、縛りプレイの世界は、膨大な時間と労力が必要不可欠なんだなと戦々恐々としています……。おやつさん自身も「辛い」と感じているとおっしゃっていましたが、ではそんな世界にいまも身を置き続けているのはなぜなんです?

おやつ:
 それは私自身やっていて楽しいからでしょうね。

──辛いけど……楽しい?

おやつ:
 もちろんです。

──楽しいと思う瞬間ってどんなときなんでしょうか。

おやつ:
 けっこうありますよ。まず、事前準備の段階でおもしろい戦術を思いついたとき。そして、それを実行し、見せたいものを全部見せて勝利できたとき。あとは、録画しながらプレイしていて動画で使えそうないい絵が撮れたときも楽しいです。

──なるほど。おもしろい動画作りに繋がる部分に楽しさを感じているんですね。こういう縛りプレイですと、細い勝ち筋を掴んで勝利した瞬間にカタルシスを感じる印象があるんですが、意外とそうでもないんですか?

おやつ:
 確かにテイク数が多い戦闘ばかりを投稿しているので、確率を祈りで突破することが好きかと思われているかもしれないのですが、じつは運ゲーは好きではないんですよ。勝率が100%に近いほうが攻略として美しいと思っています。

──??????? おやつさんのこれまで重ねてきたテイク数といまの発言の温度差で頭が混乱してしまいました……(笑)。いったいどういうことなんでしょう。

おやつ:
 「ひたすら楽してFF6 part33」での鬼神戦がわかりやすい例なのですが、鬼神はこちら(味方)にストップ状態のキャラがいると行動が固定される性質を持ちます。

 その行動を100%防ぐことができる対策を用意して戦いに挑むことで、1ターン目さえしのぎきれれば完封できる状況を作りだせるんです。こういう最初の関門さえ乗り越えれば100%勝てる戦術が好きなんです。

 ただ、どうしても縛りプレイをしていると運に頼らざるを得ないところも出てくるのは事実です。そこを事前の準備や戦術の工夫によって、ムリゲーを運ゲーまで引き上げる。それこそが縛りプレイの魅力だと思っています。

テイク2でクリアしていた鬼神戦。

──ふむふむ、ムリゲーを運ゲーに。つまり動画で見かける「〇〇してくれることを祈ります」場面というのは、もうこれ以上どうしようもないから祈っているわけなんですね。

おやつ:
 そうですね。ただそんな状況でも、可能な限り勝率を上げる戦術を考えることが、縛りプレイの醍醐味と言えるでしょうか。

縛りの難易度以上に動画としての見栄えを重視する

──これまで数々の縛りプレイ動画に挑戦してきたおやつさんですが、プレイ条件という名の縛りを設定する際には、どのような点を意識されているのでしょうか。

おやつ:
 まず複雑なルールにしないことです。長いルールにしてしまうと、見ている側がわからなくなってしまうので、できるだけ縛りの内容は短く、かつその短いルールの中で実質的にさまざまな縛りを設定できるものが理想です。

 例えば、私が好んでよく使う“最少戦闘回数”や”最少勝利回数”というルールは、この縛りをひとつ設けるだけで、レベル上げや戦闘での稼ぎ行為、サブイベントを攻略して強力なアイテムを回収するなど、さまざまな要素に制限がかけられるんです。

縛り内容はシンプルなほうがいいとのこと。

──文言はシンプルなほど伝わりやすいと。確かに。

おやつ:
 あと、縛りの難易度も大事なのですが、それ以上に動画としての見栄えを重視しています。

──縛り内容が厳しければ厳しいほど苦行が映えそうですが。

おやつ:
 例えば、『ロマサガ3』で、“技や術を一切使わずに素振りだけで戦う”縛りにすれば、確かに難易度は高くなります。しかし、そうすると工夫する余地がなくなり、絵的にも地味になってしまうんです。

──単に厳しい縛りだからいいわけではないんですね。

おやつ:
 はい。加えて、そのゲームが持つおもしろいシステムを活かせるような縛りがいいなと思っています。『ロマサガ3』ですと、閃きやコマンダーモードをうまく使えるような縛りでしょうか。

──なるほど、勉強になります。事前準備から本番まではどんな流れなんですか? 事前準備でどのようなことを行っているのか気になります。

おやつ:
 まずは挑戦しようとしているゲームについてリサーチを行います。やりこみレポートや解析情報、攻略情報を読み込んでどのような攻略が可能か、縛りにするか、動画にした際の見栄えはどうか、などを考えます。

──そのゲームについて下調べからと。本番を走る前にテストプレイは行うんですか?

おやつ:
 はい。縛り条件が固まったら、実際にゲームをプレイしながらチャートを書き進めます。ある程度知識のあるゲームでしたら、事前にチャートの草案を書いておき、プレイしながら添削したりもしますね。 そして、テストプレイが終わったら本番へ、という流れです。

──事前調査にはどの程度の時間をかけているんでしょう。

おやつ:
 長くても1ヵ月、だいたいは1~2週間くらいの期間でしょうか。複雑なものの場合は、エクセルに計算式を入れてチャートを組みますが、だいたいはメモ帳にまとめちゃいます。このほうがゲームをプレイしながら見られるのでやりやすいんですよね。

「ひたすら楽してロマサガ3リマスター」プレイ時のメモ。

──おお……すごい。複雑なものはエクセルでとおっしゃいましたが、例えばどの挑戦シリーズのチャートはエクセルでまとめていたんですか?

おやつ:
 「【ロマサガ2】最少戦闘回数クリアに挑戦」はエクセルにまとめていました。事前準備の面からすると、このシリーズのチャート作りがいちばん大変だったと思います。

──ほうほう。例えばどのあたりが大変だったんでしょう。

おやつ:
 バトルの順番をひとつ入れ替えてしまうだけでクリア不能になってしまうので、事前に綿密な計画を立てる必要がありました。そのため、エクセルで、バトルで稼ぐ技術点、仲間の技能レベル、イベントポイントを計算してチャートを作った記憶があります。

──動画の様子からすごくて大変なのはわかってはいたんですが、こうして動画では見えない準備のお話を聞くと、改めてトンデモナイ苦行だなって……。

 多くの手間と労力をかけ準備を行い、本番でも幾重の苦行を超え、ゲームをクリア(条件を達成)した瞬間って、どんな気持ちなんですか?

おやつ:
 動画作りのためのプレイだった場合は、「やっと終わった。これで編集に入れるな……」ですかね。

──え、最初に思うことが動画の編集のことなんですか。……あくまでゲームクリアは通過点みたいな?

おやつ:
 そうですね。ひと区切りついたくらいの感覚です。本当の意味で終わったなあという気持ちになれるのは、その動画シリーズの最終回を出したあとになります。

おやつさんとゲームの出会い

──ここからは、数多くの縛りプレイに挑戦し続けるおやつさんが、どのようにゲームと出会ったのか、おやつさんとゲームのルーツについてお聞きしていければと思います。まずは、初めてゲームに触れたきっかけについて教えていただけないでしょうか。

おやつ:
 父がゲーム好きだったので、物心ついたころから家にファミコンがありました。それで、父がプレイしているのを後ろからよく見ていて、自分も遊んでみたいと思ったのが、ゲームをプレイし始めたきっかけです。

(画像はAmazon「ファミリーコンピュータ 本体」より)

──小さいころはどんなゲームを遊んでいたんですか?

おやつ:
 『ファミスタ』や『スパルタンX』、『ダビスタ』など、父が持っていたゲームを遊んでいました。当時、4歳か5歳だったので、複雑なゲームシステムは理解できていなかったのですが、なんとなくは遊びかたはわかったので、楽しんでプレイしていた記憶があります。

──ファミコンやスーパーファミコンの時代は、ゲームじたいが高価なものだったので、親や兄が持っているゲームを触らせてもらう、いっしょに遊ぶ、というのは当時のあるある話ですよね。

おやつ:
 あるあるですね。『三國志』というゲームで、父のプレイしているセーブデータを間違って消してしまったことがあって、怒られたことはよく覚えています。

──あ~、それもあるあるですね。「ゲームは1日1時間」みたいなルールはありました?

おやつ:
 明確な時間は決まってはいませんでしたが、長時間プレイしていると注意はされました。隙あらばゲームを遊んでいたので、やりすぎた結果、母にアダプターを隠されてしまったり(笑)。

──はいはい(笑)。

(画像はAmazon「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ 専用ACアダプター」より)

おやつ:
 ただ、アダプターを隠されてもお小遣いでアダプターを買ってきたり、いま思い返すと危険なことなんですが、ラジカセかなにかのゲームとは関係ない電子機器のアダプターを代用できることに気付いてそれを使ったりと、隠れて遊んでいました。

──なんと! 子どものころからゲームに対して並々ならぬ熱量があったんですね。

おやつ:
 ゲームはもちろん好きでしたが、ゲームだけでなく外で友だちと遊ぶことも多かったです。どこにでもいる普通の子どもだったと思いますよ。

──いやいや、普通の子はアダプターを代用してゲームしようとは思いませんって(笑)。

おやつ:
 そうですかね(笑)。

──さすがに子供のころから縛りプレイをしていたってことは……?

おやつ:
 ないですないです。縛りプレイに挑戦しだすのは動画を投稿するようになってからなので、当時は普通にゲームを楽しむ子どもでしたし、難しくてクリアできないゲームも多かったです。

──おやつさんでもクリアできないゲーム……いまの印象からすると信じられないですね。

おやつ:
 初めて買ってもらったゲームが、白いロムで「白ドラ」と呼ばれている『ドラえもん』だったんですが、当時の自分には難しすぎて、全ステージ3面中、1面しかクリアできませんでした。

 当時のゲームって、子どもにクリアさせる気がないんじゃないか、と思ってしまうくらいに難易度が高くて。「白ドラ」もまさにそれでした。ただ、クリアできなくても、おもしろくてずっと遊んでいましたね。

(画像はAmazon「ドラえもん」より)

──ああ、いまでは信じられないほど難しいゲームってありましたよね。

おやつ:
 そうですね。あとは『星のカービィ 夢の泉の物語』も『ドラえもん』と同じくらいハマったゲームなんですが、こちらは子どもでもクリアできる難易度で、恐らく初めてクリアできたのもこのゲームだったと思います。

(画像はAmazon「星のカービィ 夢の泉の物語」より)

おやつさんとロマサガの出会い

──『ロマサガ』を初めてプレイしたのっていつころだったんでしょうか。

おやつ:
 小学校にあがってすぐくらいのころだったかと思います。父がパチンコの景品で『ロマサガ2』をとってきて、セーブスロットが4つあったので、父と自分でふたつずつ使い合ってプレイしていました。

(画像はAmazon「ロマンシング サ・ガ2」より)

──初めてプレイした際の感想って覚えてらっしゃいます?

おやつ:
 RPGをまともにプレイしたのが初めてだったと思うんですが、とにかく難しくて、RPGってこんなに難しいんだなと……。

 『ロマサガ2』では、戦闘回数によって敵がどんどん強くなってしまうんですが、当時はそんなシステムもわかっていなくて、ひたすら退却してゲームを進めていたんです。

──あっ……。

おやつ:
 ご想像の通り、その結果どうなったかというと、味方のキャラクターが弱いまま敵が強くなりすぎて詰んでしまったんです。ラストダンジョンにすら到達できませんでした。

 クリアできないのも悔しいので、いっしょに進めていた父のデータを使ってラスボスを倒した記憶があります。

──お父さんはクリアできていたんですね。

おやつ:
 はい。父は、敵を行動させずに自分たちだけ攻撃し続けることができる、クイックタイムハメという有名な戦術を使ってクリアしていました。

──なるほど。いまでは『ロマサガ』を翻弄しているおやつさんですが、最初の出会いは苦い思い出だったと。

おやつ:
 そうですね。そのこともあり、『ロマサガ2』と同じように父といっしょに進めていた『ロマサガ3』で、父より先にクリアできたときは、すごくうれしかったです。

(画像はAmazon「ロマンシング サ・ガ3」より)

──おお、成長を感じますね。

おやつ:
 ユリアンを主人公に選んだんですが、じつはステータス的にあまり強くないんですよね。でも主人公っぽい見た目に騙されて、当時の私は選んでいました(笑)。

──主人公っぽい見た目(笑)。『ロマサガ3』でおやつさんと言えば、主人公・カタリナのイメージが強いです。

おやつ:
 オープニングがいちばん早く終わるのがカタリナですので、RTAや最少戦闘回数の縛りを設けると必然的にカタリナばかりになってしまいますね。

初プレイ時、おやつさんが見た目に惹かれて選んだユリアン。
(画像は「ロマンシング サガ3 | SQUARE ENIX キャラクター」より)
おやつさんと言えばカタリナのイメージを持つ方も多いのではないだろうか。

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