永遠に若返り続ける海のいきもの「ベニクラゲ」とは? “ほぼ不死身”のチート能力を手に入れた神秘的な生態をご紹介
今回紹介する、ゆっくりオールトリビアさん投稿の『【ゆっくり解説】地球上で最強!?不老不死の能力を持つ生物たち』という動画では、音声読み上げソフトを使用して、地球上最強の生物と呼ばれる「クマムシ」や、不老不死とも言われている「ベニクラゲ」の生態について解説を行っていきます。
「ほぼ死なない」チート級能力を持つ生物たち
魔理沙:
この世界には実は不老と限りなく不死に近い生命力を持った生物が存在するんだぜ。さっそくその生物たちについて紹介していく。まずは不老の力を持ったベニクラゲを紹介していく。その次に最強の生命力を持ったクマムシについて紹介していく。まずはベニクラゲについてだ。ベニクラゲは「不老」の能力を持った生物だ。名前の通り、種類はクラゲになる。
ちなみに日本の海にも生息している生物だ。ベニクラゲ類は直径4から10ミリ程度の小さなクラゲだ。ちなみに赤く透けているのは、クラゲの消火器だ。若い個体は外縁に沿ってわずかに8本の触手を持つが、成熟したものは最多で数100本の触手を備える。触手の内側に眼点があり、これは鮮やかな赤色になっている。
霊夢:
眼点って何かしら?名前からして人間の目みたいなものかしら。
魔理沙:
まあそんな感じだな。眼点は光を感じる器官だから、大まかに言えば目であっている。ベニクラゲの外見の特徴はこんなところにして、次はベニクラゲがなぜ不老なのかを今から話していこう。普通のクラゲは有性生殖の後に死ぬ。噛み砕いてわかりやすく言うと、動物同士が交尾したら死ぬみたいなもんだ。
しかし、ベニクラゲ類はある程度まで成長すると、再びポリプへと戻ることができる。つまり、年老いたらもう1回赤ん坊レベルまで若返ることができるんだ。
霊夢:
なにそれすごいじゃない。私にもその方法を教えてよ。
魔理沙:
通常、生物には細胞分裂の限界というものがあり、細胞分裂を繰り返すことができる数は一生のうちに決まっている。例えば人間だと60回が細胞分裂できる限界になる。これは一般的にヘイフリック限界と言われている。
霊夢:
じゃあ逆に言えば、細胞分裂を無限に繰り返せるのであれば不老不死になれるってこと?
魔理沙:
理論上はそうだな。もっと厳密にいうと、細胞分裂をするたびに、テロメアという染色体の末端が短くなることによって、細胞分裂ができなくなっていくんだ。しかし人間の中にも永遠に細胞分裂できる細胞は存在する。生殖細胞だ。話を戻すが、ベニクラゲが赤ん坊に戻ることができるのは、先ほど言った細胞分裂を無限に繰り返すことができるからだ。
通常の生物は細胞分裂をするたびにテロメアが短くなっていき、最終的には細胞分裂をすることができなくなってしまう。そして死に至る。しかしベニクラゲはこのテロメアの長さをずっと維持したままにすることができる「テロメラーゼ」という酵素を出して活性化させているおかげで細胞分裂に限りがないし、テロメアの長さもずっと変わらずに維持し続けることができるんだ。
そしてこのような機能を持ち合わせているおかげで、ベニクラゲは老いた体を一旦リセットして若返りすることができるんだ。ちなみにテロメラーゼと密接な関係があるのが、人間で言うとがん細胞だ。がん細胞は無限に細胞分裂を繰り返すことができる。それは常にテロメラーゼが活性化しているからだ。だからテロメラーゼが活性化することで、必ずしも良いことが起きるとも限らないんだ。
しかし、このがん細胞に対して、テロメラーゼ活性化を停止させたり逆にテロメラーゼの活性化を活発にさせてコントロールすることにより、がん細胞の治療や、ずっと健康でいられるような技術もまた可能性として上がってきている。
霊夢:
今後の医療技術に期待ね。
魔理沙:
話を元に戻すが、以上の観点からテロメラーゼを常に活性化させているベニクラゲは若返りの回数に限りはない。だから何回でも生まれ変わることができる。
霊夢:
もはや永遠に生きることのできる不老不死じゃない。
魔理沙:
いや、不老不死ではない。外敵に捕食されると普通に死ぬからな。結局どれだけ不老がすごくても不慮の事故に遭う可能性が圧倒的に高い自然界では、運良く何年も生き残れるのはごくわずかだと言ってもいいだろう。
霊夢:
そう考えると本当に人間でよかったわ。
魔理沙:
次に地球最強の生命力と環境適応能力を持つクマムシの話をする。クマムシは緩歩動物という動物の一種だ。クマムシは4体8本のずんぐりとした脚でゆっくり歩く姿から緩歩動物、また形がクマに似ていることからクマムシと呼ばれている。
また、クマムシの最初の化石は、今から5億4200万年前のカンブリア紀の岩石から見つかっている。つまり、それだけ昔の時代から生き残ってきた偉大な生物だ。恐竜が初めて誕生したのが2億3000万年前だから、どれほど昔から存在していたか、わかるだろう。
胴部の各体節から出る4対の脚を持ち、前の3対は体節の両腹側に備わり、最後の1対は体節の後端を占める。脚は丸く突き出て関節がなく、先端には基本的に4から10本の爪、または粘着性の円盤状組織が備わっている。
体調は50マイクロメートルから1.7mmのかなり小さな動物で、熱帯から極地方、超深海底から高山、温泉の中まで、海洋・陸水・陸上のほとんどありとあらゆる環境に生息する。
霊夢:
もうこの時点で環境適応能力がどれだけすごいのか、なんとなくわかるレベルだわ。
魔理沙:
餌は堆積物中の有機物に富む液体や、動物や植物の体液を吸入して食物としている。このクマムシの何がすごいのかというと、基本的にどんな環境でも生きていくことができる最強の生命力を持っている。
霊夢:
南極とかでも生きていけるのかしら。
魔理沙:
いや、そんなレベルじゃない。まず乾燥耐性では通常は体重の85%を占める水分を3%以下まで減らし、極度の乾燥状態にも耐える。
霊夢:
もはやミイラじゃない。それ死んでるんじゃないの?
魔理沙:
ちなみに人間の場合は5%で脱水症状になり、10%で死に至る。温度耐性では温度100℃の高温から絶対零度-273℃の極低音まで耐える。
霊夢:
何それ無敵じゃないの。
魔理沙:
圧力体制では真空から7万5000気圧の高圧まで耐える。
霊夢:
空気がないところでも生きていけるってこと? もう酸素必要ないわね。
魔理沙:
放射線耐性では高線量の紫外線、X線、ガンマ線等の放射線に耐える。X線の線量は3000から5000グレイ。ちなみにヒトの半致死量は4グレイで絶命する。
霊夢:
もうそれってつまり、放射線だらけの宇宙空間でも生きていけるって事でしょ? 宇宙生命体として名乗れるわね。
魔理沙:
射出による耐性では、拳銃弾より速いスピード(秒速825メートル)で射出されても耐えることができる。そしてクマムシは極度のストレス状態にさらされると、仮死状態になることができる。中には120年間仮死状態になって、そこから復活した例も存在する。
霊夢:
自らコールドスリープできるようなものね。
魔理沙:
ちなみに2019年、イスラエルの月探査機ベレシートが着陸に失敗して墜落したが、この探査機にはクマムシを入れた装置が搭載されていた。月面程度の環境なら生存可能であるクマムシは、月面で今もさまよっている可能性がある。
霊夢:
なんだかひとりぼっちでかわいそうね。そばに居たくても、月面じゃクマムシ以外に生存できる生物はいなさそうね。
魔理沙:
クマムシはとんでもなく生命力が高いが、別に死なないというわけではない。潰されたりすると普通に死ぬからな。
霊夢:
そこらへんはベニクラゲと同じね。物理的にやられたらさすがにどうしようもないわね。私たち人間もすごいけれど、他にも信じられないぐらい常識破りな生物たちがいたのね。
魔理沙:
世の中にはまだまだすごい特徴をもった生物が山ほどいる。世界は広い。
霊夢:
なんだか不老不死に執着していたことがバカバカしくなってきたわ。
魔理沙:
そうだな。不老不死、特に不老は理論上可能だが、今の科学ではまだ実現には程遠い。それに全人類が不老不死になろうものなら、それこそ大問題だ。
霊夢:
確かにそうね人口が増えていく一方だし、食糧難とかで最終的に戦争になりそうだわ。
魔理沙:
だから人間は今のままで良いんだ。老いることも死ぬことも、人間という儚い生き物の美しさだ。まぁ私たちも今を楽しもうじゃないか。
霊夢:
そうね。大事なのは今この時だわ。全力で今を楽しみましょう。
永遠の若返り機能を持つベニクラゲや、宇宙ですら生き延びる最強のサバイバル能力を持つクマムシという、神秘的ないきものの生態を紹介しました。解説をノーカットで楽しみたい方はぜひ動画をご視聴ください。