星雲賞を受賞した声優・池澤春菜さんがSF小説の魅力を語る「SFに古いも新しいもない。未来を描く以上、永遠に新しくなり続ける」
7月22日、第48回の星雲賞受賞作品がニコニコ生放送にて発表されました。
放送では、星雲賞ノンフィクション部門を『SFのSは、ステキのS』で番組中に受賞した池澤春菜さんが、第56回日本SF大会実行委員長の池田武さん、副実行委員長の櫻井晋さんと共に星雲賞を受賞した他部門の作品にコメントを寄せ、その魅力を語りました。
星雲賞とはSFファンが選ぶ賞である
池田:
星雲賞は前年に発表された作品と顕著な活動に対して与えられる賞なんですね。
池澤:
ということは、今年選ばれた作品は2016年の間に発表された作品ということですね。
櫻井:
2016年の1月1日から12月31日までに起こった出来事ということですね。
池澤:
で、日本SF大会参加者の投票により、優秀なSF作品及びSF活動に対して与えられる賞である、と。
池田:
今年の日本SF大会の参加者が投票します。その投票は4月から5月にかけて行われました。
池澤:
ということは、決めるのも全てファンの声によるものであって、単純にみんなが好きなものということですよね。それって公的な賞としては珍しいと思います。
池田:
この選び方はヒューゴー賞というアメリカのSF賞がありましてそれに倣って行っております。
池澤:
アメリカのヒューゴー賞に倣って1970年に創設された日本でもっとも古いSF賞なんですね。
池田:
星雲賞を決めているのはあくまでも投票者の方々で、星雲賞を運営している日本SFファングループ連合会議はあくまでも事務作業をやっているのに過ぎません。
池澤:
日本SF大賞を決めているのが、日本SF作家クラブ。そちらはアメリカでいうところのネビュラス賞にあたって、星雲賞というのはファンが決める賞なのでヒューゴー賞にあたる、と。二つの賞の選ばれる違いなんかも面白いところだったりしますね。
池田:
同じものが選ばれることもあれば、違うものが選ばれることもあります。
池澤:
対象となるのが、こちらになっているんですね。
池澤:
部門が多岐に渡っているのは、SFが文字で書かれているものだけではないからですね。映像で作られたもの、絵で描かれたもの、アートとして発表されたもの、ノンフィクション部門の批評、そして自由部門というものもあるんですね。
池田:
説明させていただきますと、自由部門というものは当初ありませんでした。当初は小説の部門のみで、メディア部門は当時は演劇部門や映画部門……たしかそんな名前だったと思うんですけど(笑)。映画演劇というものがメディア部門と名前を変え、コミックが追加され、アートはアーティスト個人を顕彰する賞となっております。
櫻井:
自由部門というのはそれらにあてはまらないもの全てという感じですね(笑)。
池田:
自由部門では過去では『初音ミク』が受賞したりといったことがありました。
池澤:
部門がどんどん増えていくのが今の時代っぽいというか、今の時代にSFが浸透している感じはありますね。