ニュース番組中、突然ニッコニコでマスクをかぶった男が登場した史上最大の未解決電波ジャック「マックス・ヘッドルーム事件」を解説
今回紹介するのは、Sukekiyoさん投稿の『【voiceroid解説】どんと来い、ヲカルト探求倶楽部![#7 電波ジャック編]』という動画です。
ゆかり:
アメリカのワイオミング州ニオブララ郡の小さなテレビ局で事件は起こりました。通称、ワイオミング事件。この事件は具体的な発生時刻や実行者、ジャックされた局については不明とされていますが、テレビ番組中に突如砂嵐が入り、不気味な文字列と3D映像の人の顔が映り込むようになります。
現れる文字列を直訳すると、特別なプレゼンテーションをお送りします。これからとても見事なものをお見せしましょう。なぜ嫌うのですか。あなたは病気です、あなたの心の中に隠れているものは何ですかというふうな、意味不明な文章なのでした。
あかり:
何を伝えたいかよく分かりませんね。こういうのって政治批判や実行犯が言いたいことを流したりするんじゃないんですか?
ゆかり:
ところで、このワイオミング事件、おかしな点がたくさんあります。あかり君わかる?
あかり:
うーん……なんか映像が綺麗すぎません? 電波ジャックってなんかもっとザザーッとなって映像が荒れているイメージなんですよね。
しかもさっきはなんとなく聞き流していましたが、ゆかりさんが入手できるぐらい拡散されている有名な動画のはずなのに、具体的な発生時刻やジャックされた局が不明なんてこと今時あるんですか?
ゆかり:
つまり?
あかり:
この映像はフェイクだ!
ゆかり:
素晴らしい、大正解です。それではネタバレを。事の発端は少数の有志によりSomething Awful Forumsというサイトにこの動画が投稿され、2007年にYouTubeで拡散されたのが有名になるきっかけでした。
この動画に出てくる顔はFaceGen Modellerという3Dソフトで作られていることも分かりましたし、この3Dソフトは首より上しかモデルがないので、いい感じに不気味な動画に仕上がっています。
あかり:
久々にワロタって感じの顔してますね。
ゆかり:
ほかにもこの動画のバックストーリーがリアルに書いてあるブログがあったり、この動画に使われているBGMは映画『サイレントヒル』のものを加工してあったりし、調べてみると色んな発見がありますよ。
あかり:
なるほど。ちなみになぜこの動画は作られたんですか?
ゆかり:
実はある事件に触発されて作られたんですが、ここからが本番。その事件こそが本当にあった電波ジャックなのです。その名もマックス・ヘッドルーム事件。1984年にイギリス「チャンネル4」の音楽番組のバーチャル司会者として登場したCGキャラクターです。
あかり:
Vtuberの先駆けみたいな感じか。
ゆかり:
それでは映像とともに解説を。こちらもかなり不気味です。1987年11月22日アメリカ・シカゴのゴールデンタイムの生放送ニュース番組で発生しました。
スポーツコーナーを報じている途中、突然画面が真っ暗になりました。15秒間暗くなった後、現れたものが、ゆらゆらと傾く背景と、先のマックスヘッドルームのマスクをかぶった不審者なのでした。
あかり:
なんかめっちゃ楽しそうで草。音声は小さくしているからわかりにくいですが、すんごいガビガビしてますね。画面も荒れてて、これぞ電波ジャックって感じしますね。
ゆかり:
でしょでしょ。この放送は全部で15秒間続き、お茶の間を凍らせたあと、映像が戻り、「私も何が起きているのかわかりません」とニュースキャスターは苦笑いするしかなかったのでした。
あかり:
今はこうやって冷静に見れますけど、実際自分がテレビを見ているときにこんなことが起きたら怖いですね。しかしこれだけでは終わらないのでした。同日、3時間後に、違うテレビ局でドラマを放送していると、またこの男が現れたのです。
今度は加工された音声でペラペラとしゃべり、テレビキャスターの悪口を言ったり、歌い始めたり、大人のおもちゃをカメラに見せつけたり、しまいには謎のメイド服の女性に自身のおケツを叩かせるなど、意味不明すぎる行動を取ったりやりたい放題なのでした。
その後の反響はというと、初めは苦情の電話が大量に鳴り響きましたが、後にアニメや番組でパロディーが作られたりしたそうです。
あかり:
対応するアメリカ人もすごいな! 犯人は誰だったんです?
ゆかり:
それがですね、犯人は見つからなかったのです。電波ジャックはかなりの専門知識と大量の電力、正規の電波を上回る強力な電波送信機が必要なのですが、それらを持っている人物等は特定できなかったのでしょうかねぇ。
あかり:
基本的に遠隔で行われるから、見つからなかったのかな。
ゆかり:
それとも強力な力によってもみ消されたのか……。
あかり:
やっぱり秘密結社がいるってこと!?
ゆかり:
ふふふ……どうでしょうねぇ。30年以上経った今も、当時は生まれてすらいなかった世代の脳裏まで、強烈な印象を残し続けているこの事件。
パロディが作成されたり、フェイク映像が作られたり、電波ジャックした意図はまったくわかりませんでしたが、影響は計り知れないと思いません? オカルトや歴史はこうやって作られる。これぞロマン。
こうして史上最大の未解決電波ジャックとなった「マックス・ヘッドルーム事件」。意味不明で不気味ですが、なぜか笑えてしまいます。ノーカットで解説をご覧になりたい方は、ぜひ動画をご視聴ください。
▼動画はこちらから視聴できます▼
『【voiceroid解説】どんと来い、ヲカルト探求倶楽部![#7 電波ジャック編]』
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