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なぜ乱立していたタピオカ店は消えたのか? 「希少価値」「新型コロナ」から読み解く“第3次タピオカブームの終焉”について解説

 今回紹介するのは、敗北図鑑ゆっくりルーザーズさんが投稿した『【タピオカ】乱立したタピオカ店が次々に閉店した理由とは?【ゆっくり解説】』という動画では、音声読み上げソフトを使用して、大ブームを巻き起こしたタピオカの現在について解説します。

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あれだけ乱立していたタピオカ店はどこに消えた?

魔理沙:
 今回はタピオカブームとはいったい何だったのか、その始まりと終焉について解説する。

霊夢:
 タピオカブームが終わったってホント?

魔理沙:
 本当なんだ。第三次タピオカブームは2020年にはもう終わったんだ

霊夢:
 第三次?

魔理沙:
 タピオカブームは今回だけじゃなく、過去にも2回ほどあったんだ。だから今回のブームは第三次ということになるんだ。

霊夢:
 へえ~。タピオカ美味しいもんね。あの謎のモチモチ食感と甘いドリンクがハーモニーを生み出す奇跡の飲み物。何回もブームが来ても不思議じゃないよ。

魔理沙:
 霊夢はそのタピオカミルクティーがどういうものか知ってる?

霊夢:
 そういえばよく知らないかも。

魔理沙:
 タピオカミルクティーはもともと日本の飲み物じゃないんだ。

霊夢:
 そうなんだ。

魔理沙:
 タピオカミルクティーは、ミルクティーに大粒のタピオカパールを入れた台湾発祥の飲料なんだ。

霊夢:
 あの黒いやつはタピオカパールって言うんだね。

魔理沙:
 タピオカパールは、もちもちした食感で、噛んだときのほんのりした甘みが特徴なんだ。

霊夢:
 あの正体不明の黒玉、なんであんなに美味しいんだろう。魅惑の食べ物だよね。

魔理沙:
 かなり気に入ってるみたいだね。タピオカの原料は、「キャッサバ」というイモの一種で、原産地は南米なんだ。

霊夢:
 タピオカって芋だったんだね。それにしてもそんな芋をミルクティーに合わせるなんて斬新な発想だね。

魔理沙:
 タピオカミルクティーは台湾の春水堂(チュンスイタン)というお店で開発されたんだ。台湾には昔から、お茶をベースに漢方や白キクラゲ、パッションフルーツなどを入れてアレンジした「アレンジティー」を飲む文化があるんだ。

霊夢:
 ふーんお洒落な文化だね。

魔理沙:
 そうしたアレンジティーの文化があり、台湾の人々は日本と同じくお茶を良く飲んでいたんだが、少し暑い地域ということもあり、若者が温かいお茶を飲まなくなっていった時期があったそうだ。

霊夢:
 若者のお茶離れが起きたんだね。

魔理沙:
 お茶文化が無くなることを恐れた春水堂の創業者は、1983年に「泡沫紅茶」というアイスティーのようなものを開発したんだ。当時としてはお茶を冷やして飲むというのは非常に斬新で注目を浴びたんだ。

霊夢:
 じゃあそれでお茶離れは防げたのかな。

魔理沙:
 いや、それでもお茶離れは加速していったんだ。そうした状況下でいかに若者に受けるお茶を開発できるかが勝負になっていた。

霊夢:
 それはなかなか難しい問題だね。

魔理沙:
 1987年のこと、春水堂のスタッフの一人が個人的に購入したタピオカをミルクティーに入れてみたそうなんだ。

霊夢:
 え? なんで?

魔理沙:
 理由は分からないが、おそらく気まぐれだろう。それが大流行の引き金となったんだ。タピオカ自体、台湾ではスイーツの材料として使われていたこともあり、日本よりは一般的な食べ物だったんだが、それにしても飲み物と組み合わせるという発想はとても斬新だったんだ。

霊夢:
 へぇ、そのスタッフさんには私も感謝しなくちゃいけないね。

魔理沙:
 ただ、タピオカは見た目以上に高カロリーな食べ物なんだ。

霊夢:
 えっ? そうなの?  

魔理沙:
 乾いたタピオカ100gあたりのカロリーは355kcalなんだ。

霊夢:
 それって多いの?

魔理沙:
 ごはん100gあたりのカロリーが168kcalだから、ご飯の倍以上のカロリーなんだぜ。

霊夢:
 それでか。私がここ1か月で10キロ太ったのは。

魔理沙:
 毎日飲んでればそりゃ太るよ。ただ、そんな高カロリーのタピオカだが、それは乾燥時の話であって、茹でると100gあたり62kcalまで減少するんだ。

霊夢:
 タピオカって茹でるんだ。

魔理沙:
 あのプルプルのタピオカは、元々乾燥したタピオカをお湯で茹でることで出来るんだ。

霊夢:
 なんだ、じゃあ普段食べてるのは茹でてカロリーが減少したタピオカか。

魔理沙:
 まあそうなんだけど、タピオカに味を付けるためにシロップ漬けにするし、ミルクティー自体に砂糖がたっぷり含まれているから結局高カロリーになるんだ。

霊夢:
 う……耳が痛い。ていうか、タピオカの味は後から付けられたものだったんだね。

魔理沙:
 そうなんだ。タピオカ粉だけでタピオカパールを作った場合、無色になるため、黒タピオカはカラメル色素、炭末、黒糖を使って黒色にしているんだ。

霊夢:
 そうやってあの美味しいタピオカが出来上がるんだね。

魔理沙:
 こうして生まれたタピオカミルクティーが、日本でも大ブームを引き起こすことになるんだ。タピオカミルクティーが日本で流行った理由は、一つには「お茶」という要素が日本人に合っていたことがあげられる。

霊夢:
 どういうこと?  

魔理沙:
 さっき源流を説明したが、タピオカミルクティーは元々は台湾で生まれたアレンジティーの文化に端を発しているんだ。

霊夢:
 日本と台湾以外ではタピオカミルクティーってそこまで流行ってないの?

魔理沙:
 いい質問だ。タピオカミルクティーは日本だけでなく世界中で人気だが、その中でも特に日本ではブームになっているんだ。さっきも説明したように、日本では計3回のタピオカブームが訪れている。

霊夢:
 最初のタピオカブームはいつだったの?

魔理沙:
 タピオカが初めてブームになったのは1992年頃なんだ。

霊夢:
 えっ! 結構前なんだね。

魔理沙:
 当時エスニックブームが起き、ココナッツミルクと共にタピオカブームが起きたんだ。  

霊夢:
 そんな時代があったんだ。

魔理沙:
 そして、第二次タピオカブームが起きたのは2003年~2013年頃になる。長いブームで、時間をかけて着実にタピオカ市場を拡大していったのがこの時代だ。

霊夢:
 最近のブームは第二次タピオカブームの影響もあったんだね。

魔理沙:
 第二次タピオカブームについて、厳密には諸説あるらしいが、その認識で間違ってないと思うんだ。そうして2018年に第三次タピオカブームが到来。これは台湾ブームに端を発したものなんだぜ。

霊夢:
 第三次タピオカブームはホントにすごいよね。どこに行っても女性たちがみんなタピオカを片手に歩いていたもん。

魔理沙:
 そうだね。このブームは、LCCが就航したことで若者が気軽に台湾に行けるようになったことがきっかけだと言われているんだ。

霊夢:
 そんなにみんな台湾に行ってるんだね。

魔理沙:
 「海外旅行調査2019」によると日本人の渡航先ランキングで台湾は5年連続1位だったそうだ。

霊夢:
 それは知らなかった。てっきりグアムとか韓国が一番人気だと勘違いしてたよ。

魔理沙:
 実は台湾がいちばん人気なんだ。台湾が人気な理由の一つに、台湾フードが日本人の舌に合うということがあるんだ。さらにインスタの存在や、SNS投稿から派生した「タピる」や「タピ活」といった言葉の存在もタピオカの人気拡大の後押しをしたんだ。

 そうして爆発的なブームとなったタピオカ。街中には専門店が乱立することになったんだ。しかし2020年、唐突にブームの終焉を迎えることになるんだ。

 貿易統計によると、2019年1~7月のタピオカとタピオカ代用物の輸入は約6,300トンだったのに対し、2020年1~7月の輸入量は3,900トンと大幅に減少しているんだ。タピオカブームが急速に終焉を迎えた理由は、希少性が無くなったこと。

 つまり、お店が乱立してしまったことだったんだ。元々タピオカの需要は、行列が出来たり売切れたりすることで生まれる「希少性の価値」によるものでもあったんだぜ

霊夢:
 でも私なんかは行列が出来てないことを喜んでるけど?

魔理沙:
 霊夢だって、希少性に魅力を感じていたはずだよ。だって、たまたま行列が出来てないと思って買ってたんだろう?

霊夢:
 言われてみればそうだね。私もタピオカブームに踊らされてたってことか。

魔理沙:
 多くの人にとって、いつでも手に入るものは徐々に価値を感じられなくなっていくものなんだ。今ではスーパーやファーストフード店、コンビニですらタピオカドリンクが購入できるようになった。

 こぞってみんながタピオカミルクティーの写真をインスタに投稿していた時代とは打って変わって、タピオカは「映えない」ものに変わっていってしまったんだ。

 タピオカミルクティーがどこでも手に入るものになったことに加え、 新型コロナウイルスの存在もタピオカブームに打撃を与えたんだ。

霊夢:
 それはどういうことなの?

魔理沙:
 さっき言ったように、タピオカはその味だけでなく、行列にも価値があった。若者が学校帰りに友達とタピオカ店に並び、おしゃべりしながら待つ時間を楽しんでいたんだ。

 しかし、コロナ自粛で学校が休校になり、授業がオンラインになり、友だちと会う機会が激減してしまったんだ。まあでもそんなに悲観することはなく、「春水堂」や「Gong cha」などのタピオカ専門店の中でも特に人気なお店は、ブームが終わってもしっかりと市場に定着しているんだぜ。

霊夢:
 美味しいお店はちゃんと残るよね。私の中ではブームは去ってないよ。タピオカ、私が今まで生きてきて一番愛した飲み物だよ!

魔理沙:
 たしかに一時の爆発的なブームは去ったが、今でもコンビニに当たり前のようにタピオカドリンクがあるように、タピオカ関連商品は一時期の過大評価が終わり、適切な販売量で市場に定着したという見方をした方がいいんだ。 

 

 一時期はどこにでも乱立していたタピオカ店ですが、流行や行列に価値を見いだせない若者から切り捨てられてしまった形となり、ブームの終焉を迎えたようです。解説をノーカットで聞きたい方はぜひ動画を視聴してみてください。


▼動画はこちらから視聴できます▼

【タピオカ】乱立したタピオカ店が次々に閉店した理由とは?【ゆっくり解説】

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