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【コメント職人座談会】コメントアート文化の歴史を振り返ってみた! 合作動画の始まりはビリー・ヘリントン兄貴がきっかけ? コメント職人が減ったと言われる真相は?

ひとりで行うコメントアートと複数で集まる合作動画の違い

・M・(まー):
 普段ひとりで行うコメントアート活動と、複数人で集まって作る合作動画で活動することの違いについて伺ってみたいのですがみなさんどうお考えでしょうか。

Yuu:
 常に新発見があるのが個人の活動と合作の違いですかね。自分自身では思いも寄らなかった発想だったり、技術を間近で知れたり解説を聞けたり。

 合作初参加の時にニコニコテレビちゃんのコメントアートを作ったんですけど、パソコンのブラウザで視聴する分には想定した表示がされていたんですけど、スマホアプリから視聴したらテレビちゃんの表示が崩れてしまっていたんです。他の参加者に修正いただいて、表示が崩れなくなるアドバイスもいただいたのを今でも感謝しています。

・M・(まー):
 あー、修正したのたぶん私だ(笑)。

 コメントアートを作るうえで様々な視聴環境でも綺麗になるよう作るのも苦労しますよね。それこそ個人でコメントアートを作る際はその辺の裁量はそれぞれ違ってきますけど、合作動画の場合だと、その辺の線引きをどうする?という話も最初のうちに話し合ったりします。

 その影響なのか合作動画では「コメント直表示版」と「キャプチャ版」とで2回に分けて投稿したりもしたりしますよね。

コメントアート コメント職人 CA

ヒツジ:
 自分もYuuさんと同じで、新発見・新解釈と出会える点が大きいです。他の参加者のコメントアートを参考に自分の手法に吸収したりしています

 他には、複数人で作るからこそ、自分自身で作るのが難しい場合は他の人に依頼したり、逆に依頼されたりしながら作る点が個人で作るうえでは得られないものですね。

・M・(まー):
 確かに。得意不得意ありますもんね。そういう中で補い合えるのは合作を行ううえでの利点ですよね。

配管:
 大前提としてコメントアートの性質はコミュニケーションツールだというのは何度もお話しさせて頂いているのですが、自己研鑽するにしても人間ひとりの力では頭打ちになってしまうんですよね。

 行き詰った時に、自分の世界をどうやって広げていくかという点に焦点を当てたときに、全く違う人の視点が違う世界を教えてくれる。三人寄れば文殊の知恵とはよく言ったものです。

 人が集まれば集まるほど連鎖的に攪拌(かくはん)していくもので。個人活動では得られないものがあり、また合作のどこに魅力を感じるのか、比重をどこに置くのか、何を求めているのか人によって違うんですよね。

・M・(まー):
 そうですよね。

配管:
 例えば、「プログラミングの知識を用いてニコニコの機能をつかって面白いこと出来ないかなに重きを置く人」と「わちゃわちゃワイワイガヤガヤ遊びたい人」と、対照的な考えかたのふたりが同じ志を共有することで今までにない化学反応が生まれる。こういうところが、複数人で楽しむポイントだと思いますし、合作の魅力だと思います。

ヒロス:
 私は先ほどの配管さんの言葉を借りるとワチャワチャしたい人なんです。普段の動画でも視聴する際はワチャワチャしにいくんですけど、合作だとさらに大人数でわちゃわちゃするので思いも寄らないことが起こるのが楽しみですね。

 また、合作動画制作中は、各パートで順々に完成していくので、作っていく過程で刺激や影響を受けて最初に想定していたものと違うものが出来上がることもあるのが合作の醍醐味だと思います。

・M・(まー):
 私もみなさんの意見に賛同しまくりで、私がこれまで立ち上げてきた合作動画もある程度は頭からお尻までのストーリーラインは考えたうえで企画募集するのですが、結果として違ったものが出来上がるんです。面白いですよね。

ヒロス:
 私の場合ですと、進行管理や指示出しのようなものは一切していなくて、各パートに割り振るくらいであとはすべてを各人にお任せしていました。まーさんはそのあたりどうされていました?

・M・(まー):
 2020年から取りまとめをしている中曽根OFF合作では、実際に取り掛かる前にテーマの提示と時間で簡単なパート分けを行い、そこにひとりひとりが作りたいものを書き出してもらい完成イメージを共有する手法を取り入れていました。

 ただ、実際に手を動かして完成した作品を貼ってみるとうまくハマる場合もあればハマらない場合もありまして。そういうときは作った作品のリテイクは行わず演出でカバーしたり、配置を入れ替えたりして完成まで持っていきましたね。

コメントアート コメント職人 CA
(画像は「シン・少し楽しくなるコメント動画【中曽根OFF合作】」より)

ヒロス:
 作品に対して制限を大きくしてしまうと、参加者のモチベーション・面白さがなくなってしまうと思いますが、まーさんの合作ではそういう塩梅が上手くいっているのが凄いですよね。

・M・(まー):
 ありがとうございます(笑)。私もヒロスさんに伺ってみたかったことがあって、当時ヒロスさんが主催した合作ではSA(スクリプトアート)【※】を用いていたじゃないですか。

 私の中のSAに対するイメージを話すと、自由度が高すぎるが故に「これ本当にコメントかよ!」みたいなツッコミが出てしまうくらい上級者向けのイメージがあって。

 普通のコメントとは切り離して考えなければならない代物で「コメントらしさ」を維持するのが大変だったと思うのですが、意識した点などありましたか?

※スクリプトアート……ものすごくざっくり説明するとコンピュータプログラム的な仕様を用いて装飾を施すもの。詳細はこちら(ニコニコ大百科「スクリプトアート」)

ヒロス:
 あー、個人的にもその部分は気にしていました。私自身、内容について口出しはしなかったのですが、SAを用いていた人たちがそういう塩梅を分かっていたのもあり、問題なかったです。

 ただ、2010年頃に合作企画をさらに続けていたらすべてがSAになり、コメントアートらしさが薄くなる合作が出来あがった可能性があったのかもしれないですね……。

・M・(まー):
 そういったところの塩梅難しいですよね。中曽根OFF合作では、私のコメントアート経験値からシリーズ毎に「今年はここまでは許容する、こういうった手法はNG」線引きを設けているんですが、今年投稿した「ぼっちちゃんも少し楽しくなるコメント動画【中曽根OFF合作】」では制限を緩めたんです。

 おもにアニメーションと呼ばれる、1フレームずつ動かしてキャラクターが動く演出を何箇所で行ったのですが、コメントらしさを損なうのではないかという怖さと視聴の目が肥えちゃうみたいな懸念もありまして。そういった線引きを定めるのが毎年悩む要素ですね。

ヒロス:
 色々な方が参加されるので作り手からするとそこが面白い部分ではあるのですが、視聴者の立場で考えると逆に働く懸念もありますよね。思ってたのと違うみたいな。そういった塩梅が難しいんですよね。

・M・(まー):
 そうなんですよね。ひとりで作るときは、「今回はこういう表現を行いたいんだ!」とう振り切りかたも出来ますし、縛りの線引きも自分で決めることが出来ますが、合作動画だと縛りに対しての意見も分かれちゃう場合もありそういう取りまとめを行うのが合作を行ううえでの大変なことですね。

コメントアート コメント職人 CA
(画像は「ぼっちちゃんも少し楽しくなるコメント動画【中曽根OFF合作】」より)

合作を開催するうえで欠かせないこと

・M・(まー):
 コメントアートの合作動画を行ううえで欠かせない機能など伺ってみたいのですが、なにを置いても欠かせないのは「投稿者コメント」ですよね。

 通常コメントは75文字までとなっていますが、投稿者コメント機能では1024文字まで使用できます。また、ニコスクリプトという機能【※】で、コメントの流れる向きを変えたり、コメントの表示時間を変えたりと、表現の幅が広がるのでコメントアートを作るうえでの考え方も変わってくるんですよ。

 制限ある中での創意工夫を目指すのか、ある程度緩和された中で最大限に表現するのか、この辺の取捨選択が難しいところでもあり、面白いところでもあるのかなと思っています(笑)。

※コメントの流れる向きを変える「@逆」、コメントの表示時間を変更することが出来る「@有効秒数」、動画に投稿されたコメントを別のコメントに変えたり、色を変えたりすることが出来る「@置換」などがある。

ヒツジ:
 ですね。

・M・(まー):
 ボカコレでも「@置換」機能のニコスプリプトを活用し視聴者の方のコメントが弾幕に置換される動画が何本も投稿されていましたし、今後もニコスプリプトを活用した動画増えて欲しいですよね。

 また、ニコニココミュニティに動画を投稿する際に設定できる「投稿者コメント共同編集機能」があることで、大人数がひとつの動画のコメントを編集することができます。もしこの機能が失われてしまうと合作動画を作るにあたっての作り方がガラリと変わっちゃいます。

 加えて、必須ではないのですがタグ機能も。これは本来のタグの使いかたではないのですが、「投稿者コメント共同編集機能」で編集のバッティングを避けるために便利なんです。

 「投稿者コメント共同編集機能」って複数人同時編集が出来ないんですよね。ただ、複数人同時に投稿者コメント機能開くことが出来ちゃう。そこでバッティングが起きないように「○○使用中」というタグを記載しておくのが推奨されているんです。これは2020年の中曽根OFF合作時にヒツジさんが使っていて「これいいな」って思った記憶があります。

ヒツジ:
 そうですね。当時生放送している中で「タグに記載した方が便利だよね」という話になって定着していった感じです。

Yuu:
 僕の場合ですと、どうやって合作進めれば良いか分からなかったので、コミュニティ内の掲示板を活用していましたね。

ヒロス:
 私も今挙がったコミュニティ周りの機能を活用していましたね。あと、強いて言うならば投稿者コメントのエディタ機能には大変お世話になっていました。コメントを一括で移動できるの便利ですよね。

・M・(まー):
 確かに。位置調整するときに便利ですよね。ちなみに、ニコニコ動画以外の機能だとなにか必須なツールってありますか?

Yuu:
 僕の場合は、まーさんのやりかたを参考にしていて、話し合いができる場所としてDiscord、スケジュール管理やコメント管理・共有のためにスプレッドシートを使っています。

 ほかには、X(旧:Twitter)やブログを使って募集をかけるというのも大事にしています。

・M・(まー):
 確かに募集する場所も大事で人が集まらないと始まらないですもんね。

もしこんな機能が追加されたらコメントアートの表現が広がりそう

Yuu:
 機能と言えば、投稿者コメントの「@逆」機能でコメントの流れる向きを変えることはできますが、その自由度をあげて下から上に流れるようなコマンドがあったら嬉しいなぁ(笑)。

・M・(まー):
 今だとパラパラ漫画の要領で下から上に瞬時に出すことで疑似的に表現しているけれど、コマンドひとつで出来たら嬉しいですよね。

 こういう新機能の話でよく挙がるのは「big」コマンドよりももう一段階大きいサイズがほしいという。

ヒツジ:
 ブロックで文字を作れば良いんですけど、実装されれば助かりますよね。

・M・(まー):
 あとは、コマンドの透過度も話に挙がりますよね。今は視聴者側で動画に投稿されたコマンドの透過度を一律設定変更出来ますが、コメント投稿する側でも制御出来たら面白いですよね。コメントのハイライトを付与するしないをコマンドで設定出来るとかも。

 コメントアートの技術的な話になっちゃいますが、「ハイライトの消すコマンドがあるだけでコメントアートの技術の幅が広がるので実装されたら嬉しい」って話はよく挙がりますよね。

配管:
 欲を出せば切りがないですし、技術的に可能・不可能という問題もあるのでしょうけど、ひとつ要望を出すならば「1画面内のコメント数の緩和及び、1回の投稿必要なコメント文字数の緩和」ですかね。

 現在の仕様では1画面に40コメントまで、1コメントは75文字まで、また投稿者コメント機能は動画の長さに関係なく一律1000コメントまでという制限があるんです。サーバー側の負荷や視聴環境側の問題だったりあるのかもしれませんが、もしこの辺りの制限が緩和されれば世界が広がるのかなと思います。

 というのも昔からこの辺りの仕様については見直し、テコ入れがされていないので、どこかのタイミングで見直して貰えたら嬉しいですよね。逆を言えば完成されていると言えるのかもしれませんが(笑)。

・M・(まー):
 プレーヤーが4:3のときは1画面30コメントまで、1コメントは60文字までだったのが、16:9になった際に緩和されたと思うので、何らかのタイミングで見直されると嬉しいですよね。

ヒロス:
 改行コメントのコメントの配置について右寄せや左寄せで投稿出来たら嬉しいなと思いました。

・M・(まー):
 あー、良いですね。今だとコマンド「ue」「shita」で投稿する際は中央揃えで、右や左に文字を寄せる際はスペース等を用いて配置しますもんね。

 右寄せの作品はその分コメント数も消費するのでこの辺をコマンドか何かで設定することが出来たら表現の幅がぐんと広がります。

ヒロス:
 ですね。視聴者の方でもこの辺の設定が簡単に出来るとより面白いコメントとかが投稿されるんじゃないかなと思っています。

好きな合作動画について

・M・(まー):
 みなさんコメントアート製作者ということで、コメントアートが好きで作っていると思うのですが、そんなみなさんがすきな合作動画について、せっかくの機会なので教えていただけないでしょうか!

ヒツジ:
 自分は「【投コメ】初音ミクの消失【4人合作】」ですね。

 最近は絵の作品を作ることが多いのですが、コメントアート始めた時は歌詞を中心に作っていたのでその中で出会った作品でして、「コメントでこんなことが出来るのか!」という衝撃を受けた作品でした。

・M・(まー):
 文字で魅せるという歌詞職人カッコ良いですよね。

ヒツジ:
 歌詞の他にデカ文字、絵系、SAも用いられますが、基本的には歌詞を邪魔しない構成となっており、また様々なギミックが組み込まれているのがカッコいいですね。

Yuu:
 僕は「ニコニコ動画重ゴ祭」です。ニコニコ動画の15周年を祝って作られたメドレー動画なんですが、一部パートがコメントアートで出来ている動画なんです。まーさんが取りまとめだったんですよね。

・M・(まー):
 そうですそうです。コメントアートパートの取りまとめは私でした。

Yuu:
 本当は僕も参加したかったのですが、私生活忙しくて参加出来なかったんですよね……。

・M・(まー):
 そうでしたね。Yuuさんに個別で声かけたのを覚えています。でも本当に「リアル大事」で、時には断る勇気、諦める勇気も大切です。

Yuu:
 投稿された動画を見たら本当に面白くて、こんな面白い合作に参加出来なかった悔しさでたくさんコメントしました(笑)。

一同:
 (笑)。

・M・(まー):
 2年前(2021年12月投稿)になりますが懐かしいですね。

 30秒くらいのパートですけどハイテンポな曲に合わせて疾走感を大事に演出しました。この合作には配管さんとヒツジさんも参加されましたよね。

配管:
 覚えています、懐かしいですね。

ヒツジ:
 もちろん覚えています。

・M・(まー):
 配管さんと私で一緒にサーバルちゃんを貼ったり、ヒツジさんは琴葉茜ちゃんの「せやな」を貼ってくれていましたよね。コメントアートのパートのほかにエンディングにも歌詞コメントを貼りましたっけ。

Yuu:
 ますます参加したかった~(笑)。

・M・(まー):
 (笑)。ニコニコ動画20周年の時にまたお声掛けいただけるかもしれないので、今のうちからアピールしておくのもアリかもしれません(笑)。

Yuu:
 参加したいのでメドレークラスタの方お声掛けお待ちしております(笑)

一同:
 (笑)。

ヒロス:
 私は「【30人合作】投コメで『ニコニコ動画流星娘』【第8回CA祭】」が一番好きですね。スクリプトアートとコメントアートのバランスや作られたコメントの表現の幅も広く、コメントアートの楽しさが詰まった動画なので好きです。

・M・(まー):
 全編を通してバランスが良かった作品ですよね。

 私も参加者だったので当時のことは覚えていますがスクリプトアートで作るか、コメントアートで作るかは個人の裁量でした。私が担当したパートの「エアーマンが倒せない」は通常コメント仕様だったんですが、その後のパートはスクリプトアートで。

 偶然ではあるんですが、あそこまでよくスクリプトアートとコメントアートがバランスよく配置されたよなあと。30人という大人数で完成出来たのは本当奇跡ですよね。

ヒロス:
 そうですよね。奇跡だと思います。

コメントアート コメント職人 CA

・M・(まー):
 そうえいば、「投コメで『ニコニコ動画流星娘』」ではエンドロールのクレジットに参加者ひとりひとりからいただいたコメントを載せていたじゃないですか。あの演出が好きで私が主催する合作動画でも度々採用しています。

ヒロス:
 実は最初の段階だと参加者からのコメントは載せる予定じゃなかったんですよ。

・M・(まー):
 え、そうだたんですか!?

ヒロス:
 はい、もともとは入っていなくて、「参加者ひとりひとりから一言コメント貰ったどうか?」という声が挙がり載せるようになったと記憶しています。

・M・(まー):
 なるほどそうだったんですね。

Yuu:
 あのクレジットの演出、一番最初に行ったのは流星娘だったなんて知りませんでした。僕はまーさんの合作から影響を受けているので、ある意味3世代に渡っての系譜になっているんですね。

・M・(まー):
 そうなんですよ、良いアイデアだなと思い、自身の合作にも取り入れるようになりました。コメントアートの歴史が長いからこそこういう話も出来るのかなと思いますし、そういう意味では今回ヒロスさんとYuuさんと一緒にこの話題を話すことが出来たのはよかったなと。

ヒロス:
 いや本当、こちらこそです。

Yuu:
 今日みなさんとお話できて本当に光栄です。

・M・(まー):
 配管さんは、合作参加作品も多く選べないかもしれませんがお好きな合作動画はどの動画になりますか?

配管:
 あえてひとつ挙げるとすると、2020年の中曽根OFF合作です。私も参加していた一人なので経験談として覚えているのですが、投稿された後に「自分もコメントアートをやってみよう!」とコメントアートに興味を持たれた方が増えたことは覚えています。

 ありがたいことにこれまで数多くの合作に参加しておりまして、その中にはものすごい技術・技量のお持ちで「そのすべてを合作にぶつけるぞ!」とすごい意気込みで合作に臨まれる方もおりました。もちろんその熱意は素晴らしいことなのですが、一方で視聴者が引いてしまうのではという懸念もありまして。

 その塩梅というが、ヒロスさんやまーさんはケアがとても上手で慎重に進めていたと記憶しております。視聴者の方に対し「これくらいだったら俺でも出来そうじゃないか?」という水準・クオリティを常に意識して合作を主催しているというのが、魅力を感じますね

 2020年の中曽根OFF合作では、3日という短い製作期間で、クオリティを下げざるを得なかった方もいたのかもしれませんが、結果的には歯車が上手く嚙み合った好例な動画だったのではないかなと思います。

・M・(まー):
 恐縮です。中曽根OFF合作は初めての主催、想定していた人数を超えて集まった参加者、製作期間はわずか3日、4分の尺を1000コメントで作らなければいけない制約など、不安は尽きなかったのですが、HTML5プレーヤー時代で燻っていた熱量が放出された自分としても想い入れがある好きな動画です。

 私のモットーとして、二コニコ動画に動画を投稿する以上は視聴者の方に動画にコメントして貰いたいという想いがあります。「魅入っちゃって動画にコメントするのを忘れてた!」というコメントをいただけるのはもちろん嬉しいのですが、その状態はじつは避けたくて。

 視聴者のコメントで完成するじゃないですけど、ツッコミのコメントを貰ったり、弾幕コメントをして貰ったり、置換機能を活用したり、視聴者も動画の一員として盛り上がれるような動画を意識しております。

 そうすると、最初に観た時と月日が経って改めて動画を観るとその弾幕の部分の内容が変わっていたりコメントの量が変わっていたりと、繰り返し見る楽しさみたいなものも生まれるんですよね。

 参加者だけでなく、動画投稿後視聴者の方にも楽しめる動画作りを今後も意識していきたいですし、コメントアート合作を作る方々は今後そういう投稿後も意識して作るとより面白い動画が出来上がるんじゃないかなと思っています。

配管:
 ちなみにまーさん自身が好きな合作動画はなにかありますか?

・M・(まー):
 今お話した中曽根OFF合作と、あともう1本記憶に残っているのが「ハイコートポロロッカ」です。

 参加した時にどういった作品が出来上がるんだろうというワクワク感は今でも覚えていますし、私が携わったのは冒頭のロゴ3種類だけなのですが、投稿後全編通して観た時の衝撃は今でも覚えています。

今こそコメントアートを投稿しやすい環境

・M・(まー):
 本日はいろいろとお話させていただきありがとうございます!

 歴史を振り返ってみましたが、動画プレーヤー、コメント描画が安定している今がコメントアートが投稿しやすい環境なのかなと思っています。

ヒロス:
 自分はコメントプレーヤーだけはずっと追っている身ですが、まーさんの仰る通り今はコメントする環境としては最高の環境だと思いますね。

 配管さんが仰っていた、「良い米は良い田んぼで育つ」ってやつですね(笑)。環境に加えて、作るうえで不明なことについてアドバイスくれる頼れる方もいますし、HTML5プレーヤー以降のCAが蓄積され参考となる作品も数多くあるのでそういった面でも良い環境だなと思っています。

・M・(まー):
 人が増える=お手本となる方も増えるので、そういう意味でも今は恵まれた環境だなと。

 Yuuさんのような若い世代もコメントアートに興味を持ってくれる方もいて、何世代にも渡りCAの文化や技術、想いといったようなものが踏襲されているのはとても良い傾向なのかなと思いますよね。

配管:
 私も同意見です。長らくコメントアート文化で楽しませて頂いておりますが、今はとても環境に恵まれている時代だと思います。動画プレーヤーとして土壌がしっかりしており、SNSも整っている。昔よりもより親しみやすく遊びやすくなっているのかなと。

・M・(まー):
 この楽しい時がずっと続けば一番ベストなんでしょうけれど、今後も時代やユーザーのニーズに合わせて変化していくと思うので、私たちも柔軟に対応していきたいですよね。

配管:
 運営の方々も、時間がかかったとしてもユーザーからの要望に対し対応し続けてくれています。今この環境下でコメントアートで遊んでみたいという想いを持った方は是非内に秘めず、表に出して欲しいなぁと思いますね。

・M・(まー):
 ニコニコ公式番組に出演した際に、ニコニコ代表の栗田さんへ直接要望を挙げたことがあるんですが、即時に対応いただたものや、数年経ってですが対応していただいたりとユーザーの声を真摯に聞いてくださっているのも大きいなと思います。

 ニコニコ動画に触れるなら、またコメントアートにトライするなら今がチャンスって感じですよね。


・M・(まー):
 最後になりますが、何か宣伝したいことございますか?

Yuu:
 来年のニコニコ超会議に、ユーザー企画「#超コメントアート」のブースまた立ち上げたいなと思っています!

・M・(まー):
 おぉ!楽しみにしています!

配管:
 酸いも甘いも嚙み分けたと思っていますので、原点に立ち返り私からカタカナ7文字だけ。「コメントアート」をインターネットブラウザの検索エンジンで、ニコニコ動画内で、各種SNSで検索していただきたいです。

 ニコニコ動画内でコメントで動画を彩ったり面白くしたりする名称として様々なところで認知されているので改めて周知したいですね、そしてコメントアート文化が更に広がっていくことを願っています。

・M・(まー):
 良いですね!個人的にも2017年以降はこの7文字の定着化に努めた時期でしたので本当認知されているのは嬉しいですし、今後更にコメントアート文化広がっていって欲しいです。

 最後に私からお知らせがふたつ!2024年の超会議に向け、少し楽しくなるコメント動画2024合作やります!乞うご期待!

一同:
 おぉ!

・M・(まー):
 そして、ニコニコ動画17周年企画としてこのコメントアート座談会企画ともう一つ、今回の座談会にも出席いただいた配管さんとヒツジさんにも参加いただいた、総勢12名による邪神ちゃん1話にコメントアート貼ってみた合作動画が投稿されますのでそちらも是非ご覧ください!

一同:
 おぉ!

・M・(まー):
 ということで本日の座談会は以上となります。ヒロスさん、配管さん、ヒツジさん、Yuuさんありがとうございました!

一同:
 ありがとうございました!

「邪神ちゃんドロップキック」シリーズ完全新作【世紀末編】 12/26に地上波同時放送

 「邪神ちゃんドロップキック」シリーズ完全新作が登場! 1話限りの特別編「邪神ちゃんドロップキック世紀末編」が12月26日(火)24時5分よりテレビ同時配信。

 さらに、この配信を記念して、「邪神ちゃんドロップキック」シリーズを三週に渡り全話一挙放送! 世紀末編に備えてぜひご視聴ください。

●アニメ邪神ちゃんドロップキック公式X(Twitter)アカウント

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