日本人が北朝鮮で現地民とボウリング対決した結果、ブチギレられた挙句ぼったくられた話
スーパーマリオブラザーズをフィーチャーした曲『B-DASH』でスマッシュヒットを飛ばしたトンガリキッズのニポポ氏。潜入ライターとしても活躍するニポポ氏が北朝鮮へ取材旅行へ行った詳細を語る『ガチ潜入してみた 北朝鮮の真実』がニコニコ生放送で配信されました。
今回は“第五章”としてゲストに北朝鮮出身の父と、在日韓国人二世の母を持つライター・安宿緑氏を迎え、自身の取材経験をニポポ氏に語っていただきました。来場者がほとんどいない為、異様な雰囲気を呈しているレジャー施設など、おふたりが北朝鮮の観光スポットを写真を交えながら紹介します。
シリーズ第一章
盗聴・監視は当たり前、旅客1人にお付3人の安心安全(?)な北朝鮮の旅に行ったらやっぱり色々ぶっ飛んでた
シリーズ第二章
北朝鮮へ実際に行ってみたら日本で報道されてる以上に生活水準が高かった件
シリーズ第三章
北朝鮮に行ったら「喜び組」と遊べたが「ハニートラップ」にかかりそうになった話
シリーズ第四章
「北朝鮮の若い人は合コンして楽しんでる」元・朝鮮総連の職員に人民の暮らしについて色々と聞いてみた
シリーズ第五章
日本人が北朝鮮で現地民とボウリング対決した結果、ブチギレられた挙句ぼったくられた話
シリーズ第六章
「北朝鮮=反日」と思いきや、現地民はそうでもなかった件。「中国人の方が嫌われてますよ」元・朝鮮総連の職員が語る“反日のリアル”
「チョコパイが大人気」は都市伝説だった
ニポポ:
北朝鮮に入ったときにチョコパイを差し入れで持っていったの。
当時日本ではチョコパイが通貨として利用できるから、みたいなことが放送されていて。本当かよと思って。山ほど買って持っていたらポカーンとされてさ(笑)。「えっ?」みたいな。そんなものよりも、文房具よこせよ。みたいな感じでね(笑)。
安:
全員がチョコパイ求めているわけではないですよ。嫌いな人もいますからね。
ニポポ:
「エンゼルパイだったんじゃねえのか?」とか言われてるけど違う、絶対チョコパイ。ロッテのチョコパイを持っていったんだけど、ダメだったんだよ。まったく効果なかったですね。「フェイクニュースじゃないか」とかね、コメントもありますけれども(笑)。
話は変わるんですけど、安さん、軍事境界線とか行ったことある?
安:
ありますね。
ニポポ:
どんなところ行った? 僕もいろいろ観光では行ったんだけれども、珍しかった場所とかあります?
北朝鮮の鍾乳洞
安:
珍しかった場所は、鍾乳洞があるんですけれども、それはちょっと内陸部の方の鍾乳洞なんですが。北朝鮮ってエロ系に厳しいのかなって思ったら全然そうでもなくて。
ニポポ:
えー、中国はあんなに厳しいのに?
安:
そうですね、意外とそうでもなくて。鍾乳洞って女陰の形とか男性のアレの形をした石がいっぱいあるんですけど、それを案内員の人がめちゃくちゃ詳しく説明するんですよ。「もういいよ」って言いたくなるくらい、しつこくて。
ニポポ:
ちょっと待って、北朝鮮に秘宝館?
安:
最後、それを解説する度にニヤッと笑うんですけれど、もういいよ、もういいからっていう感じなんですよ。
ニポポ:
そうか、群馬の珍宝館のお母さんみたいな感じになってるんだね。
安:
そうそう(笑)。さんざん天然鍾乳洞ってあることを強調しておいて、泉みたいに水が湧き上がっているところの前に立ったときに、「すごいでしょ、これ」って言うんですよ。パッと見たら水道管があったりして(笑)。
ニポポ:
湧いてねえ(笑)。
日本VS北朝鮮 現地でボウリング対決してきた
ニポポ:
僕が泊まってた、北朝鮮の羊角島ホテルという建物の地下に、ボウリング場があるんですよ。そこで、日本代表として、北朝鮮の人達と戦ってきました。こんな感じの、3レーンのちっちゃいボウリング場なんだけどね。
ニポポ:
羊角島ホテルって川の中州に建てられたホテルで、外出が自由にできなくて、平壌の街にフラっと散歩に出かけるとかできない訳ですよ。だから、暇だろうってことで、コンダクターが娯楽に連れ出してくれたんだけど、それが、このボウリングの“日朝戦”だったわけです。
ちょっとした勝負でもさ、国籍が違うと「国の威信をかけて闘う」みたいな感じになるじゃない? しかも日本と北朝鮮だぜ? 向こうも「負けらんねえ」みたいな雰囲気になるんだよ。
ニポポ:
で、戦いましたさ。これ見えるかな? 僕がプレイヤー1の方。128点だか118点で……北朝鮮のオヤジが70点だったんですね。僕の記録も大したことねえけど、勝ったんだよ(笑)。これ実は2、3回勝負したんだけど全部僕が圧勝に終わった。
よっしゃ! と思ってたら、向こうの負けず嫌いが半端ないじゃないんだよ。「これ接待じゃないの?」って感覚で僕はいたんだけど、そんな概念はなくてガチ勝負になるんだよ。向こうの方々って勝負事が本当に大好きなのよ、なおかつ超絶熱くなるの。
ニポポ:
僕、勝ったんだぜ? しかもこれ、勝負の前に「負けた人が次に行くバーの代金を奢ることにしましょう」って約束してたの。そうしたら北朝鮮のオヤジが3連敗したもんだからカンカンに怒って、へそ曲げちゃってさ。「じゃあここはもう仕方ない、あなたの勝ちです。だけどここのプレイ料金、払ってください、8000円です」って。
おい、マジかよ! 8000円って向こうでは大金なんですよ。もうオヤジが明らかにキレちゃってるし、俺も完全にブチギレてさ。「おかしいだろそんなの」って言っても、「払ってください、これが北朝鮮のルールです」みたいなことを言うんですよ。仕方ねえから僕も8000円を投げつけて「もう知らねえよ、帰るわ」って言って部屋に戻りました。
安:
喧嘩しないでくださいよ(笑)。どっちも負けず嫌いじゃないですか。
ニポポ:
それで部屋に帰ったらさ、あのオヤジが来て、「勝負は勝負であなたが勝ったし、最初に決めたことだから、バーはちゃんと奢るんで、いくらでも飲んでください」って言うんだよ。なんでこいつと飲まなきゃいけねえんだ、と思ったけどバーに行って……3~4杯飲んでさ。ある程度話して「じゃあ帰るわ」って言って部屋に戻ったのね。
僕は盗聴なんて当たり前のようにされてるって知ってるから。「ふざけんじゃねえよ」とか愚痴をあえて独り言で言いまくったんですね。「もう本当、来なきゃよかったわ! 明日は遊園地にでも連れて行ってもらわなきゃもうやってらんねえわ」とか言ってたんですよ(笑)。
ニポポ:
そしたらね、朝ツカツカっとそのオヤジが来て「昨日はすいません、私も北朝鮮を背負って日本のあなたと戦って、負けるわけにはいかなかった。確かに高いお金はいただいた。というわけで半分お返しします」って半分しか返さねえのかよお前!
4000円返されてさ、それで「あなた、遊園地行きたいんでしょ?」って言うんだ。何で知ってんだよ、って話なんだけど(笑)。