「北朝鮮=反日」と思いきや、現地民はそうでもなかった件。「中国人の方が嫌われてますよ」元・朝鮮総連の職員が語る“反日のリアル”
本当は存在しない“在日特権”
安:
中国人は政策的に優遇されているらしいんですよ。なので、それがむかつくって言っていて、よくネトウヨの人とかが「在日特権!」とか言うじゃないですか。でも実際、その在日特権とかは、めちゃくちゃ先鋭的に考えたらあるのかもしれないですけど、別に全然存在しないものじゃないですか。
でも、17歳の子が言うには、“中国特権”なるものがあると言っていて。でも、その子が言っているだけなのかもしれないし、ちょっと検証しないとわからないのですが。
ニポポ:
それが先鋭的な考え方なのか。
安:
その子が北朝鮮版ネトウヨなのかもしれないし、ちょっとわかんないですね(笑)。
ニポポ:
なるほどね!
(コメント)「イルボン特権もないんですか」
ニポポ:
ないんだよ(笑)。結構、差別対象の方かもしれませんからね。『北ウヨ』とかね(笑)。
安:
北ウヨ(笑)。
北朝鮮でも中道派の人は増えている
ニポポ:
北朝鮮でもニュートラルな人が増えてるということかもしれないですよね。
安:
若者は本当に増えていて、イルボンに対しても、そんなに反日というわけではないし、ハングルのプラカードを出している日本のデモの画像とかを見せたら、「このハングル間違えてるじゃん」みたいな感じですごく笑ってて。
ニポポ:
笑って済ませちゃう余裕があるということなのかね。
安:
日本と朝鮮の人民同士は全然仲良くなれると思っているみたいです。感性も似ているし。
ニポポ:
ちょっと似ているんだよね。
安:
近いですね。まあ、これはコミュニケーション不全が一番ダメなのかなと思います。
ツイッターとか見て思ったんですけど、大部分の人がミサイルをネタとして扱っていて、本当に怒っている人というのは、軍事専門家の方とかだったりするし。まあ、一般の方も怒っていますけど。
ニポポ:
怒っているのもパフォーマンスかもしれないけどね。
安:
大部分の人が「またかよ」という反応だったんですけども、この状況何なのかな? と思った時に、「もう北朝鮮には何も言っても無駄だろう」という学習性無力感というのがあるかと思えば、それとも違う気がするし。
異常事態に慣れ過ぎてしまって、それが異常だと思わなくなるというのを「正常性バイアス」というのですが、それともちょっと違うな、という風に思ったんですね。じゃあ何かと思った場合、「コミュニケーション不全」としか考えられなくて。
ニポポ:
なるほど。
安:
お互い情報がないのに、情報がないまま踊らされて、一喜一憂しているというのがあり。これって、やっぱり国交があって、ちゃんと外交をしていれば起きない問題なのかなと思っているんですよ。
ニポポ:
うーん。
安:
なんかみんな妄想のまま突っ走っているというのがあって。なぜミサイル撃つのかということも、政治家とかも結局わかっていないじゃないですか。
ニポポ:
まずわかろうとしないからね。
安:
そうそう。結局、分析が出来ていないじゃないですか。日朝交渉が上手くいっていて、直接話せる政治家がいるのであれば、もうちょっと状況が違っていたと思うんですね。
ニポポ:
これは猪木さんの出番ですね(笑)。
安:
向こうは自衛のために撃っているっていうのがあるので。では、なぜ自衛のために、というのも、それをちゃんとわからなければならないというのがありますので。こういう状況で、猪木さんみたいなブリッジ役がやっぱり必要なわけで。むしろ猪木さんくらいしかいないのではないでしょうか。
ニポポ:
今のところね。
安:
なぜ猪木さん以外に出てこないかと言ったら、やっぱりしんどいわけですよ。