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「同人誌?意味分からないけど政府に無害ならOK」――北朝鮮のオタクコンテンツ事情

 スーパーマリオブラザーズをフィーチャーした曲『B-DASH』でスマッシュヒットを飛ばしたトンガリキッズのニポポ氏。潜入ライターとしても活躍するニポポ氏が北朝鮮へ取材旅行へ行った詳細を語る『ガチ潜入してみた 北朝鮮の真実』がニコニコ生放送で配信されました。

 今回は“第十一章”としてゲストに北朝鮮出身の父と、在日韓国人二世の母を持つライター・安宿緑氏が登場。安氏自身の取材経験をもとに、北朝鮮の“オタクコンテンツ”について語りました。

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北朝鮮にも“キモオタ”はいる? きっかけは『聖闘士星矢』

左からニポポ氏、安宿緑氏。

ニポポ:
 北朝鮮に“オタク文化”はあるのでしょうか?

安:
 社会としてはないですが、北朝鮮の“聖闘士星矢”オタクはいたんですよ。

『聖闘士星矢THE MOVIE Blu-ray BOX』画像はAmazonより。

ニポポ:
 すごい! 聖闘士星矢がアンダーグラウンドで見られる状況にあるということ?

安:
 まあ、その方は元朝鮮人民軍に務めていた方で、現在は仕事で中国にいて、そこで……という感じ。

ニポポ:
 あ、エリートだから外に出られるんだね。

安:
 そう。中国で動画サイトなどで、聖闘士星矢を見てファンになったと仰っていて、会いに行ってみたんです。私も聖闘士星矢がとても好きなので、これは絶対に語りたいと思って。

ニポポ:
 (笑)

安:
 そうしたら、私以上にキモオタで、なんかもう……。

ニポポ:
 気持ち悪いくらいに好きなんですね(笑)。

安:
 「どれだけ好きなんだよ」みたいな感じで、喋らせてくれないんですよ。

ニポポ:
 その人は男の子、女の子?

安:
 男です。

ニポポ:
 向こうのアニメコンテンツは子供向けが多いじゃないですか。でも、いわゆる大人が楽しめちゃうとか、みんながぐっと引き込まれてしまうような、子供向けではないアニメというのはあるんですか?

安:
 絵がグロいから、大人が見てもネタ的に見られるんじゃないかな、というのはあるんですけれども、大人が見られるようなアニメはないと思います。

ニポポ:
 ないのか、そうか。

安:
 聖闘士星矢マニアの彼も「北朝鮮ではアニメは子供のものだから、大人でもアニメ好きな人は僕のようなキモオタ」と言っていました。

ニポポ:
 なるほどね(笑)。

安:
 萌えアニメはないです。

ニポポ:
 萌え文化というか、作り込み方がわからないというか。

政府にとって“無害”であれば同人誌は作っても良い

ニポポ:
 北朝鮮にサブカルチャーはありますか?

安:
 うーん……北朝鮮にサブカルチャーはないです。成熟してからのサブカルじゃないですか。

ニポポ:
 なるほど。でも、北朝鮮にだって、僕らみたいなひねくれ者っているわけじゃん。そのひねくれ者が、例えば、喜べるコンテンツとか、集える場所とか、意見交換できるところとかというのはあるんですか?

安:
 そこまでは、わからないです。ただ、同じ波長同士で、絶対絡んではいると思うんですよ。

ニポポ:
 僕らの世代でも、何かできないことをやろうとして。ラジオライフやゲームラボを読みまくって、変なものを作ったり。自分で何かをすることで、「自分の知らないところを知りたい」という知識欲を満たしながら、世界を広げていった感があるじゃない? 知識を広げていくのは、北朝鮮ではなかなか難しい?

安:
 うーん、どうなんですかね。同人誌的なのはあると思うんですよ。自分達で作った冊子とかを回し読みしてるとかはあると思うんですけど、その内容によると思うんですよね。政府転覆的なのはもちろん死刑になるだろうし、ポルノ的なものもちょっと罰則があると思います。ただ、それがアニオタ的なものだったら、政府もどうしていいかわからないと思うんですよね。

ニポポ:
 これは放っておいていいか? みたいな。

安:
 「意味はわからないけど無害だからいいか」みたいな。

ニポポ:
 政府に関わらなければ……みたいなね。

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