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ボカロP・めろくるが手がける脈打つビートが際立つ曲『Telephone』2D×3D初音ミクMVに「MVの作り込みすご!!」の声

 今回は、めろくるさんが2025年8月23日に投稿した「Telephone」を紹介する。
 『ボカコレ2025夏』のTOP100ランキングにも参加し、30位にランクイン。“kawaii”作風はしっかりと生かされつつ、革新的でチャレンジングな1曲になっている印象を受けたのが本作だ。

 まず、一番のポイントは、3Dの初音ミクが屋内駐車場で踊っていること。MVでは2Dのミクも登場し、3Dと交錯する世界観が楽しめるようになっている。

文/小町 碧音(こまち みお)


 通常、ハードルの高い3DMVの制作は、ボカロ曲に限られる。本作はその映像表現を通して、ミクがそこにいるのかいないのか。曖昧な境界線を揺蕩う。その透明感を際立たせる質感で、幻想的な存在感として描かれている。

 そんなミクの振り付けと、実際に生命を吹き込む魔法をかけたモーションアクターは、ぴのぴ。注目すべきは、このミクは架空の実体というわけでもなく、制作者たちの“叶えたい想い”がリアルな話、重なっているリアルなミクであることだ。他のクリエイターが独自のキャラクターに同じ振り付けを踊らせることのできるMMD用モーションも配布されており、実際に二次創作も広がっている。

 別れた恋人を忘れられない主人公。もう繋がらない電話番号をきっかけに紡がれる未練を残した歌詞が、キラキラとしたシンセサウンドと、凛とした表情で踊るミクによって切なさから鮮やかな光景へと塗り替えられていく。サビにある<ねえ出てよ Telephone Telephone>といったメッセージに言葉そのままの重さは感じない。それよりも、軽いタッチの音色と洗練された振り付けによって、戻れない寂しさを抱えながらも、ひたすら前進しようとする“強さ”を感じる。

 歌詞が表示されたオーロラ色のテキストボックスや、<君に夢中><宇宙>といった語尾を掬い上げる発声、3Dミクの長い脚が目を引くスタイルを余すことなく見せるアングルには、どこかK-POP要素を感じられる節もあり、めろくるさんならではのこだわりが見て取れるだろう。

 この楽曲の核にあるのは、キュートでありながらクールでもあるミクに託した「二面性」の表現だ。脈を打つビートが際立つダンスチューンは、アイドル的な魅力とクラブミュージック的な洗練を横断する。だからこそ、街のざわめきや夜の光景にも寄り添う響き。

 8月26日に公開された全セクションを3Dのミクが踊り続けるDance Ver.も、そういう新しい表情をまとった作品になっている。

■楽曲配信情報

Telephone DL先こちら

■information

「The VOCALOID Collection」 公式サイト

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