自作した“侵入者を銃撃する罠”にかかり死亡…2019年のアメリカで防犯のための行動が引き起こした死亡事故を解説
霊夢:
ば、爆弾処理班?? まさか爆弾のトラップが仕掛けられていたとか?
魔理沙:
いや、警察が発見したこの装置は確かに罠の類いだったが、それはAさんお手製のハンドガンを使ったブービートラップだった。

霊夢:
ハンドガン……。Aさんはそれで……?
魔理沙:
この装置の仕組みなどの詳細は公表されていないが、調査によれば、Aさんは自宅のドアにハンドガンを固定し、外側からドアが開かれると、ハンドガンの引き金が引かれ、弾丸が発射される装置を自作し、この場所に設置していたことが分かった。
霊夢:
こわっ! なんでそんなことを……。自分の家でしょ?
魔理沙:
これは自宅の一室に仕掛けられていたそうだが、一般的な狩猟用の罠とは全く違っていた。
ドアの開閉動作が直接的に発射を誘発する単純な仕組みで、制作するのはそう難しくないものだったようだったが、Aさんはこのタイプの罠を自宅の何箇所かに仕掛けており、警察はこれを発見していたため、爆発物処理班に応援を要請し、罠の解除を行っていたんだ。

霊夢:
他にもあったんだ……。それで専門家が呼ばれたってわけね。
魔理沙:
Aさんは自ら設置していた罠によって死亡していたと見られ、おそらく設置中、テスト中、あるいは設置後にトラップの存在を忘れてドアを開き、銃撃を受けてしまっていたと考えられているが、当の本人がすでに亡くなっていることから、明確な事故原因は不明だった。
霊夢:
危なぁ……銃を使ってるから、誤作動して撃たれた可能性もあるわよね。でも、自宅にそんな危ない罠をいくつも仕掛けるってちょっと普通じゃなくない? なんでそんなことしてたのかしら……。
魔理沙:
これは後の調査で明らかになったことだが、この地域は比較的田舎で、街灯なども少なく、時折り盗難事件などが発生しており、過去にAさんの自宅にも、金品の窃盗事件が起きていたという。
このことからAさんは、防犯のために宝石や現金などの貴重品を保管している部屋のドアに、自作の銃器発射装置を設置していたようだった。
霊夢:
防犯……発想がすごすぎるわ……。でも、よく自分でそんなもの作れたわね。
魔理沙:
Aさんはクラシックカーの修復や、カスタム部品、ボディワークアクセサリーを取り扱う仕事についており、メカニックとしての知識がある程度あったようだ。おそらく、その延長であのトラップを制作し、自宅に設置していたんだろう。

霊夢:
なるほど……。
魔理沙:
メイン州警察は現場で詳細な調査を行い、爆発物処理班によって、全ての罠が解除され、危険性の評価が行われ、Aさんの死が自作装置の意図しない発射による事故だと断定。事件性はないとされた。このトラップに使用された銃の種類は公表されていないが、「ハンドガン」とだけ発表されていた。
ハンドガンにも様々なモデル、口径があり、弾丸の種類、射撃距離などによって殺傷力が大きく変わってくるが、Aさんの場合、ドアと直接接続されたトラップ、ほぼ1メートルほどしか離れていない近距離で撃たれていたこと、そして上半身を撃たれた場合、致命傷となるケースが非常に多いことから、Aさんが使用していたハンドガンがどのようなタイプだったにせよ、このトラップはほぼ「死の罠」だったと言えるだろう。
