【衆院選2017】党首討論「外交・安全保障」全文掲載――与野党8党が参加したネット党首討論まとめ
党首同士の質疑応答(1)
馬場:
ここから挙手制による討論に入ります。1回の発言は最大30秒とさせていただきます。ご意見のある方は挙手をお願いいたします。
夏野:
では吉田さんからお願いいたします。
吉田:
先ほどの私のコメントを踏まえての、安倍総理に対して質問をさせていただきます。おそらく、安倍総理は圧力一辺倒という風に表面的には見受けられますけれども、一方で外交努力もされているのではないかと思います。
アメリカのティラーソン国務長官もなんとか北朝鮮との対話のテーブルがつけないかということで努力をされていると聞いております。ぜひ、米朝首脳会談実現のためにもう一歩踏み出すべきだと思いますが、安倍総理の見解をおうかがいします。
安倍:
これまでは日本も、あるいは安倍政権も北朝鮮との対話を行って参りました。例えば拉致問題については、密かな外交を展開する中においてストックホルム合意に達したわけであります。
残念ながら、北朝鮮はこの約束を履行していない。そしてまた、この20年間、94年の核の枠組み合意、あるいは2005年の先ほど例として挙げられた六者協議における核の合意、その2回とも北朝鮮は核を廃棄する、そう約束をしましたが残念ながらできていない。対話のための対話は意味がないということを私たちは痛いほど経験してきたとこのように思います。
夏野:
ありがとうございます。では志位さんお願いいたします。
志位:
今、安倍さんが対話のための対話は意味がないと、ふたつの合意を破棄してきたのは北朝鮮だとおっしゃいました。それは事実その通りだと思います。
ただ問題はそのあとだと思うんです。オバマ政権になって戦略的忍耐ということで、北朝鮮が非核化のための意思と行動を示すまでは対話に応じないという対話拒否論を取ってきたことが、その間に北朝鮮に核、ミサイルの野放しの開発をさせてしまった。ですから対話をしなかったことが今の時代を招いているわけで、私は、ここは対話に踏み込むが大切だと思います。
夏野:
ご意見おありの方いらっしゃいますでしょうか。安倍さんお願いします。
安倍:
それは戦略的忍耐の中で対話をしなかったのですが、同時に圧力もかけていませんでした。今度、国連の安保理において、原油や石油製品の輸出制限を含む、これは大変厳しい3割カットをする。日本が3割カットされれば、経済は立ち行かなくなります。そういう安保理決議が全会一致でなされたわけなんです。私たちは北朝鮮が政策を変えるから対話に応じてください、そういう状況を作るために今、圧力をかけています。
夏野:
中野さんお願いします。
中野:
志位さんにあえて申し上げますけれども、志位さんだって北朝鮮のトップにだいぶラブコールをやられたかつてがありました。しかし蹴られました、相手にされませんでした。
志位:
いつのことですか?
中野:
お兄さんを殺した人、しかも1万5千人のスタッフを粛清したのがあの北朝鮮のトップですよ。簡単に、対話対話と言ってもだめですよ。やはり核開発、ミサイル開発ああいう……。
夏野:
(制限時間が来て)はい、ありがとうございます。
志位:
中野さんね、あの、ちょっといいですか。
馬場:
はい、志位さん。
志位:
中野さん、事実に基づいて議論したいと思うんですがね。
中野:
筆坂さんちゃんと言っているでしょ?
志位:
あのね、筆坂さんが言ったからってそれは事実になりませんよ。日本共産党と朝鮮労働党、党関係は80年代最初からないんです。それはラングーンのテロ事件やった、あるいは日本漁船の銃撃事件やった、それを私たちが批判したら、相手がものすごく乱暴な批判をしてきた。ですから一切関係ありません。
中野:
だから今はでしょ。
志位:
ラブコールなんて送った事実がないんですよ。そんなデタラメなこと言うのやめてください。
中野:
その前はちゃんとあったでしょうに。
夏野:
ありがとうございます。できれば挙手して指名を受けた方からお話いただきたいと思います。小池さんお願いいたします。