「天皇廃止論者がNHK会長に」…元NHKジャーナリストが語るNHKとGHQのヤバすぎる歴史
メディアを学ぶ学生ですら、テレビを見ていない?
モーリー:
神保さん、NHKに関してはどうですか? 本物のぶつかっていくディベートみたいなものがNHKの環境の中だと、あらかじめちょっと丸っこくして、見ている人が傷つかないようにするっていう配慮が7割、「真実を伝えよう」が3割みたいに感じてしまうんですけど。どうしてBBCとNHKはあれだけ違うんでしょうか。
神保:
要するに、テレビなんてもう誰も見てないんですよ。テレビは点いているだけの家庭と、ご高齢の方で「テレビ以外のものはようみません」っていう方はまだ一定の数います。だけど、ものすごく多くの人が実はネットから情報を得るようになっている。それはもう間違いない。
『報道ステーション』で一時物議を醸した、古賀茂明さんが。僕がやっているビデオニュースの番組に来たときに話してくれたんだけど、古賀さんが早稲田でメディアの関係の学部で教えているんだって。早稲田の学部ですよ。
神保:
古賀さんは当時毎週1回『報道ステーション』に出ていたわけ。当然自分のことをみんな知っていると思っていたわけですよ。まず「僕のことを知っている人?」ってクラスに40人ぐらいいるうちの2人ぐらいしかいない。
「『報道ステーション』を見ている人?」って言うと、ほとんど手が挙がらなくて、「じゃあ、テレビが家にある人?」って言うと、半分以下しか挙がらないんですよ。半分以下しかテレビが学生の家にはないわけ。
モーリー:
スマホ端末で見たりはしないんですか?
神保:
要するに、「テレビを見ないで、なんで大丈夫なの?」っていうふうに聞くと、「もしテレビで話題になって見ていないとまずいものがあったら、どうせネットにあがるからいいや」って言うんですよね。
ネットをちゃんとウォッチしていれば、テレビで押さえとかなきゃいけないようなものは一時的にはあがると。ただ、著作権の問題があって、後から削除要請とかがきて落ちるときがあるけど、直後には必ず一斉にあがるんですよね。
モーリー:
朝の競り市みたいに、「今だったらマグロの一番いい部位を買えるぞ」みたいに、わーっていう。
神保:
それを見ておけば、それこそつまんない、バランスをとったようなテレビ番組は見る必要はない、と。
関連記事:
・「アメリカのニュースを真に受けてはいけない」ブッシュ政権下で戦争をエンターテイメントにしたFOXニュースの手法をジャーナリストが解説
―人気記事―
行動経済学で読み解く選挙公約。「私たち、“子ども手当“とか“高速道路無料化“で痛い目にあったはずなんですけどね」