「刀剣乱舞」VRは“恋愛飢餓女子”の福音となるか!?
12月9日より「刀剣乱舞 2.5D cafe」が東京・表参道に期間限定でオープン。そこでは刀剣乱舞の衣装や刀剣に加えてPSVRソフト「舞台 刀剣乱舞 虚伝 燃ゆる本能寺」の体験コーナーが設置されている。
漫画家、山田玲司氏がそこでの体験を踏まえて、いま刀剣乱舞に何が起きているのか、12月14日に放送された『ニコ論壇時評』で大いに語った。
VRをつけてイケメンが部屋にいたら外せるか
山田:
原宿のカフェで打ち合わせしていて、なんか隣が騒がしいなと思ったら、カフェの隣のブースに、女子たちがめっちゃめちゃ並んでんの。なんだろうと思ったらイケメンの看板があって。「刀剣乱舞」って書いてあるわけだよ。
乙君:
へえーっ。
山田:
俺の打ち合わせ場所の横が、刀剣乱舞専門店になってたの。今、原宿は女子たちが「刀剣乱舞VR」を体験できるコーナーに、列をなしてすごいことになってるんだよ。
「これはちょっと覗きに行かなきゃいけねーな」と思って近づいたら、列に並んでいる女子たちの「なんでジジイが来てんだよ」っていう雰囲気が全開なんだよ。
乙君:
刀剣乱舞。狂気乱舞していたわけだね。
山田:
びっくりですよ。で、この放送でも散々言っていますけど。今年VR元年で「VRをつけて可愛い子が部屋にいたら外せるか問題」って言ったじゃん(笑)、 で、あなたはなんとおっしゃいました?
乙君:
それは外せないよ(笑)。
山田:
これつけて橋本愛が自分の部屋にいたらもう外せねーなって話で。で、このときノーマークだったのが女子側の展開だったんだけど。彼女達にも同じ状況が起こっていましたねー。
乙君:
それが刀剣乱舞?
山田:
刀剣乱舞というのは、刀をイケメンにするという、要するに擬人化です。物に宿った魂を呼び出すことができる能力を持った者としてプレイヤーが動くんだ。だから、名刀正宗だったら、その中から魂を呼び起こすとなぜか全員イケメンという。
一同:
(笑)
山田:
これが、艦隊これくしょんと同じ会社がやってんだよ。艦これが戦艦から魂を呼び出すと全員美少女、というのをやって大成功して。だから今度は女子側に向けてやってる。これが2年くらい前から動いているらしいんだけど、これが大当たりしているっていう話でさあ。
乙君:
VRにしてどうなるんすか。
山田:
なんかね、猫来るんだって。
乙君:
猫?
山田:
超イケメンの刀キャラが猫を追いかけて近づいてくるんだって。ゴーグルをつけてる人は「うわぁー、めっちゃ近くきたー!」って自分の目の前で猫を撫でてるイケメンに悶絶しているらしいですよ。
しみちゃん:
へえーっ。
乙君:
こっち側に直接は何もないんだ。その光景が繰り広げられるだけ?
山田:
とりあえず、「イケメンが猫撫でているの見たいじゃん?」みたいな。「女子たちにそんな悲しい思いさせているのかー」みたいな感じっすよ、本当に。
一同:
(笑)
洒落にならない「恋愛飢餓」が、コンテンツとして可視化される
山田:
これさ、何かに似てるなと。俺、擬人化漫画でデビューしたくらいだから、基本的に擬人化好きなんだよ。日本の擬人化ってやっぱりすげえなって思うのが、美少女かイケメンに擬人化するところ。これ何かに似てるなと、お腹減っているときに、なんでも食べ物に見えるみたいなのあるじゃん?
乙君:
つまり「恋愛飢餓」ってことですか?
山田:
洒落にならないレベルの「恋愛飢餓」が、いよいよコンテンツとして可視化される時代にやってきた感じ。だってさ、ハンプティ・ダンプティって卵の擬人化じゃん。気持ち悪いじゃん。
乙君:
まあねえ。
山田:
あれ、日本人がやったらなんでも美少女だぜ(笑)。
乙君:
生卵でも美少女になるってことでしょ。そのフォーマットがあって、で女子側もそういうのがついに。
山田:
で、面白いのが。刀剣乱舞は剣じゃん?あれ「かなまら」的な感じだよね。まさに今、原宿でかなまら祭【※】が行われているわけだ。
※かなまら祭
かなまら祭は、江戸時代に川崎宿の飯盛女達が願掛けを行った「地べた祭」に端を発する。現在も祭は商売繁盛・子孫繁栄・夫婦和合などを祈念して毎年4月第1日曜日に行われており、男性器をモチーフにした神輿が練り歩く様子が観光スポットとして話題を集めている。
しみちゃん:
出たー(笑)。
乙君:
バーチャルなね。それは思いますよ。
山田:
一方でさ、男たちはさ、船だったところ深くない? 航空「母艦」「母船」なんつっちゃってね。日本文化深いよ、これ!
乙君:
なるほどね~。深いなあ! 深い!
山田:
だから「刀剣乱舞 2.5D cafe」に俺達みたいなのがいるのは、女湯に入っちゃったようなもんだよ。女子達がVRの世界に入ろうと思ってせっかく並んでいるのに、おまえら何入ってくるんだ? みたいな。これからは絶対入りませんから、すみませんでした。