アメリカは北朝鮮に軍事行動を起こすのか――トランプ大統領側近の軍人達の思惑を政治学者が解説「イケイケドンドンというわけにはいかない」
アメリカの軍事行動はない可能性が高い
山本:
ではアメリカの北朝鮮に対する軍事行動の可能性をユーザーのみなさんにアンケートで聞いてみたいと思います。1、非常に高い。2、あるかもしれない。3、全くない。この三択でユーザーのみなさんのご意見を見てみようと思います。
山本:
結果が出ました。非常に高いが39%、あるかもしれない43%、全くない17%ということで、やっぱり非常に高い、あるかもしれないというのが8割近い人たちがそういうふうに考えているんですね。
前嶋:
私の立場では非常に高いとはいえないのですが、なぜかというとトランプさんはわからないことは任せるんですよね。それがやっぱりマティス国防長官、マクマスター大統領補佐官、ケリー大統領首席補佐官の三人の軍人で、ここら辺の意見が重要ですよね。
軍人というのは、イケイケドンドンというわけにはいかないですよね。やっぱりどうしてもやらざるをえないときは決断するかもしれませんが、そのときは万全にやるわけですが、そうじゃないときは十分に練ってからになるでしょうね。
多くの場合は避けたいので、あるかもしれないですが、ないほうが大きいと私は見ています。
ただこれだけトランプさんが圧力の総まとめをずっとやってきて、どう動くかを見るといろいろな噂は飛んできますが、米軍にしろ自衛隊にしろかなりピリピリしているというのは聞きますね。そういう意味では少し可能性は出てきています。
「先制攻撃はNO。だけど、どうしようもないときは……」というのがアメリカの世論なんですよね。
米朝問題はこのままいくしかない?
山本:
一番懸念していることがありまして、外務省に聞けば「日米同盟は盤石です」という答えがくるんですが、米中接近のシナリオについてはどう思いますか。
前嶋:
米中接近のシナリオは常にあります。でも微妙な距離感ですよね。中国は仮想敵だと思っていない人もいますし、微妙な距離感で「日本外し」をされるのは怖いですよね。
安倍首相としてはトランプさんの動きを見ながら、中国とアメリカが新型大国関係で話をつけちゃうことがないように注意しないといけないですね。
山本:
安倍総理のトランプ大統領に対するアプローチは正しいのでしょうか。要するに、高人にはまず気に入ってもらえなければ話を聞いてもらえない。
トランプさんはゴルフを10カ月で62回をやっているらしいですから、当然大好きなゴルフで迎えるのがいいと思いますし、世界のリーダーはトランプを褒めない。このアプローチは正しいと思いますか。
前嶋:
いまはこれしかないと思います。猛獣使いになっていかざるをえない。しかしトランプさんは裏切る可能性は十分にあります。
山本:
猛獣だから急に噛んだりとか。
前嶋:
檻をやぶったりするかもしれません。そこらへんを上手く手懐けないといけない。腹の探り合いができるちょうどいいポジションに安倍首相がいると思います。安倍首相しかできないんじゃないかと思います。
山本:
あとお聞きしたいのですが米朝問題はこれからどんなシナリオで進んでいくのでしょうか。北朝鮮が話し合いの場に出て来るのを待つということなのですが、チキンゲームの構図は変わらないわけですよね。
前嶋:
日本とアメリカとしては急がないといけないですね。長くなれば、それだけ弾圧が続きますので北朝鮮の思い通りになっちゃいます。そうはいっても、なかなか向こう側が出て来ない。
経済制裁であったり、軍事的な圧力であったり、いままでもベストを尽くしたと思うんですけれども、今後もこれでいくしかないと思うんです。
前嶋:
長期的にも、ここでとりあえず北朝鮮に顔を出させて、話し合いとしては、核を放棄させるということを持っていかないといけないと思います。
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