年明け注目のアニメ作品『DEVILMAN crybaby』への期待を評論家が語る「ちょっと見たんですが…面白いです」
2017年のアニメ界隈を総括する内容が放送された『WOWOWぷらすと』。番組では、MCのサンキュータツオさん、アニメ評論家の藤津亮太さん、国井咲也さんが、テレビアニメから劇場公開作まで幅広いジャンルの2017年に注目していたアニメ作品を語りました。
番組内で藤津さんは2017年は湯浅政明監督のアニメ作品が世界的に認められた年であるとコメントし、2018年の注目作品として、湯浅政明監督によるNetflixオリジナルアニメ『DEVILMAN crybaby』について、湯浅監督の初監督作品と比べて「『マインド・ゲーム』よりも過激」とコメントしました。
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『メイドインアビス』普通の冒険譚で終わるのかと思ったら…
国井:
見ていない方の為に説明しますと、地底に穴が開いていて、その周りで生活している人々がいる、と。その穴に降りていくと、いわゆる水圧のような感じで呪いがかかって、下手すると人間の形も保てない。そんな世界観で、主人公の女の子はその地底の底に行ってみたいと思うようになる。
なぜなら、お母さんがそこで生きているかも知れないから。女の子はひょんなことから出会ったメカの男の子と旅をするという話なんですよ。普通の冒険譚で終わるのかと思ったら、冒険は命をかけているんで、怪我もします。大変リスクの高いことなんです。そういうのをテレビシリーズで描いていたので、びっくりしましたね。
藤津:
あの10話の左腕のところがね。
国井:
あれには、度肝抜かれましたね。
藤津:
タマウガチという毒でやられて、手がバーンと腫れて……。それで毒が手から体に回ったら死んでしまう。
国井:
だから女の子が「腕を切り落とせ!」と、言うんだ。それでメカの男の子の方が泣いて、「俺にそんなことができるのだろうか」と逡巡するみたいな。これがテレビシリーズだったというところがね。もう何でしょう。天井知らずだな、とクオリティが。おじさん、心配になっちゃった。ていうのはありましたね。
スタッフさん、ちゃんと休んでるのかしらと。
スタッフ:
他の予算と違いすぎて、見てわかるのがすごいと思った。
国井:
話が重いんで、ちょっと嫌だなあっていうので、見落としている人がいるんであれば大変です、勿体無い。
藤津:
幸い、二期もね。若干、引きが入っている終わり方だった。
国井:
そういう意味でも、最終回が終わってない最終回なんで。
藤津:
そうですね。たぶん、二期があると見る人が増えるタイプのパターンではないかと思いますね。
湯浅さんの魅力が世界に知れ渡った
サンキュータツオ:
じゃあ、続いて藤津さん。
藤津:
定番なんですけど、これは言っとかないといかんというやつがあって……今年はなんといっても湯浅政明さんの年だった。
サンキュータツオ:
確かに。
藤津:
湯浅政明がやった二つ『夜は短し歩けよ乙女』と『夜明け告げるルーのうた』があってルーのうたは、アヌシー国際アニメーション映画祭長編部門クリスタル賞、つまり一番いい賞をもらった。
湯浅さんの魅力が世界に知れ渡り、普通の人にも知れ渡りつつある年、しかも、来年は年明けから『DEVILMAN crybaby』が!
国井:
気になりますね。
藤津:
僕、ちょっと見せていただいたんですが……面白いです(笑)。しかも、脚本家も大河内一楼さんなんで意外なケミストリーも発生しており……。来年も続くよ、という意味で今年は湯浅政明イヤーでございます! と。
サンキュータツオ:
湯浅さんは、日本のアニメ界の最後のトリックスターみたいな感じが出てきちゃいましたよね。もうこの人が精神的な砦になりつつある。そうは言ってもこの才能は海外にはいないよ。って胸張って言える感じ。
『DEVILMAN crybaby』は“マインド・ゲーム感”【※】のほうが強いという感じですか?
※マインド・ゲーム
ロビン西の漫画を原作としたアニメ映画。主人公の男が初恋の女の目の前で、ヤクザにお尻の穴から銃弾を撃たれて脳天が破裂するところから物語が始まる。
藤津:
『マインド・ゲーム』よりも過激ですよね。原作が原作ですからね。
サンキュータツオ:
ちなみにどうなんでしょう。そのー、おっぱいとか揺れるんですかね(笑)。
藤津:
『マインド・ゲーム』的には揺れてます(笑)。
サンキュータツオ:
これ、めちゃくちゃ楽しみなんだなあ(笑)。