ポプピピだけじゃない! 『恋は雨上がりのように』『コレクション』『エヴァーガーデン』etc…注目冬アニメランキングをアニメ大好き芸人が発表
お笑いコンビ ハライチの岩井勇気氏がお届けする、本音でアニメを語る番組「ハライチ岩井勇気のアニ番」。
第81回の放送では1月26日付の冬アニメランキングを発表しました。1位には『恋は雨上がりのように』、2位には『伊藤潤二『コレクション』』、3位には『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』がランクインしました。
※本記事には『恋は雨上がりのように』、『伊藤潤二『コレクション』』、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』のネタバレを一部含みます。ご了承の上で御覧ください。
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3位 『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』
岩井:
3位は『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』。京都アニメーション万歳ですよ。
──第5回京都アニメーション大賞・大賞受賞作であり、現在までで唯一の大賞受賞作。
岩井:
何?
──京都アニメーションが主催する賞があって、たとえば『中二病でも恋がしたい!』とかいろいろ賞を取っているのですが、今まで大賞が一つもないんです。該当作品なしと。ついに取った作品がこれです。
岩井:
でもなんかわかるわ。すごい小説っぽいんだけど、ストーリーがしっかりしている。水着とか温泉に入る回とかないでしょう。京都アニメーションって絶対ビーチ行ったりとか別荘の回が絶対あるけど、このアニメはないでしょう(笑)。『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』は戦争から帰ってきた女の子がどうやって社会復帰するかという感じのアニメなんですけれど。これはやっぱりコメントにもありましたけれど、作画がすごいね。
『響け!ユーフォニアム』のときから作画はすごかったけれど、最近は以前に増して光の入り方がすごいですよね。主人公のヴァイオレットはロボットなのか、女の子が義手になっているのかという謎なのですが、たぶん女の子が義手になっているほうだと思う。
戦場で一緒にいて、ヴァイオレットとともにずっといた少佐というのが、前の戦争で死んで、ヴァイオレット一人になって、どうしたらいいかっていうので、タイプライターで代筆をするという仕事があるんですけれど、その仕事についた。でも人の意図を汲み取って代筆しなきゃいけない職業。
たとえば告白されて、でも告白をすぐに受けると尻軽女と思われるんじゃないかって思って一回断ろうと思うっていうところを、実はその人のことを好きなんだなと思って書かなきゃいけないところをヴァイオレットに任せたら、そういうのがわからないから、普通にお断りの文を書いて怒られるみたいな。どんどん人の気持ちを知っていくみたいな、本当に軍人だった自分から女の子に戻っていくというお話ですね。この描写がすごい繊細で面白いですね。石川由依さん、出てるのかな。
──主人公です。
岩井:
石川さんが主人公か。
──石川由依さんがヴァイオレット・エヴァーガーデンで茅原実里さんがエリカ・ブラウン。
岩井:
そのへんがめっちゃいいんだよね。子安武人さんもよくてさ。茅原実里さんの声を聞くと安心するね(笑)。
──(笑)。
岩井:
なんか包み込まれるよね。京都アニメーションって感じの作品です。
──今回は石立太一さんが監督をしていまして、『フルメタル・パニック! The Second Raid』で演出をしながら、『涼宮ハルヒの憂鬱』や『らき☆すた』、『けいおん!』の各話絵コンテ・演出を担当。『日常』にて副監督を務めて、『境界の彼方』で初監督。2018年は『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』にて監督を務める。
岩井:
俺、『境界の彼方』は相当好きだからね。生粋の京都アニメーションの人だね。今のところ結構面白いですよ。
──エンディングも茅原実里さんが歌っているのか。
岩井:
そうです。『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』は温度感がすごいんですよ。1話だけなんですよ、戦争の場面が見られるのは。誰かが殺されるみたいな描写はもう出てこない中で、人と人の人間関係のもつれみたいなものは多少あって。でもそれが毎回ちょっとずつ解かれていくというか、解決していく。それがいいです。
ヴァイオレットの年齢はわからないね。20歳とかそんなものじゃないですかね。引っ込み思案の接客が下手そうな同僚の女の子もかわいいですよね。『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』は評判いいんじゃないですかね。
──いいと思います。結構話は聞きます。
岩井:
前回やっていた京都アニメーションの作品って何だった?
──『小林さんちのメイドラゴン』です。
岩井:
割と軽い作品をやってたよね。
──『小林さんちのメイドラゴン』だったり『響け!ユーフォニアム2』、『無彩限のファントム・ワールド』だったり。
岩井:
なんかドタバタしたやつをずっとやってたけれど、落ち着きましたね。腰を据えて見るようなアニメです。
2位 伊藤潤二『コレクション』
岩井:
2位は伊藤潤二『コレクション』。
──なんでや(笑)。
岩井:
絶妙にいいんだよね(笑)。あんまりホラーの嗜好はないんだけどね。
──岩井さんがこれを選ぶとはね。二ノ宮市丸さんは好きそうだけど。
岩井:
ギャグ要素もちょっと入っているというか。でもギャグギャグしていないんだよね。ホラーを突き詰めていった結果、すべっているのを、すべっている判定をアニメの中でちゃんとしているみたいな。それがいいんだよね。あとはだいたい1年に1回くらいこういうホラーアニメがあるじゃないですか。でもその中でも声優陣の演技もいいし、温度感もいいし、出てくるキャラクターもいいんだよね。
──キャストの数が半端なくて(笑)。
岩井:
難しいよ。普通に聞いてると「この人出てたんだ!」って。全然違う演技をしているから全然わからない。落ち着いた、本当に人間という演技をしているから。
──ざっと出た人だけでも三ツ矢雄二さん、下野紘さん、名塚佳織さん、緑川光さん、細谷佳正さん、鈴木裕斗さん、福島潤さん、吉野裕行さん。これだけでもまだ半分もいってないですからね。あとは浪川大輔さん、平川大輔さん、岸尾だいすけさんって、だいすけが3人いるし(笑)。
岩井:
平川さんは辛うじてわかったけれど……(笑)。浪川さんとかは、聞き直しても「これ浪川さんかな?」みたいな。結構面白いですよ。あまりアニメで聞かないような演出もされていますし。
──ホームページがそういう作りになっていて、クリックするじゃないですか。そうすると「見ないでください!!」って書いてあるんです。その段階で僕はすでに見たいです(笑)。
岩井:
怖いですけれど、そんな「わぁ!」っていう感じの怖さじゃないから、日本独特のうっすら冷たく怖い感じ。
──『週刊ストーリーランド』枠じゃないですかね。
岩井:
それっぽいね。1話完結だし。1話の中に2つある。あとキャラデザインというか、絵のデザインが……。
──キャラデザインと監督を務められた方が、田頭しのぶさんという方で、OVA『HUNTER×HUNTER GREED ISLAND』ではじめてキャラクターデザインを務められた方。そして『DIABOLIK LOVERS』で初監督ですね。
岩井:
よかったですね。エンディングの感じも、すごい曲もいいし。全部ちゃんと温度感を大事にして、完璧にやりたいことに徹してやっている作品ですね。エンディングも毎回ちょっとだけ違う。出てきたキャラクターが歩いていたり。面白いですね。