『ポプテピピック』はどこが面白いの?――「わざとスベりにいってるやつにツッコミたくない」アニメ大好き芸人がブームに疑問
お笑いコンビ ハライチの岩井勇気氏がお届けする、本音でアニメを語る番組「ハライチ岩井勇気のアニ番」。
第81回の放送では1月26日付の冬アニメランキングが発表されるとともに、ランキングには入っていないアニメ『ポプテピピック』について、本作を“スベり芸人”にたとえて岩井氏が語りました。
―前回放送記事―
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「『ポプテピピック』は“クソアニメ”って言われたい感じがする」
岩井:
『ポプテピピック』はみなさんはどうですか。アンケートしてみましょう。1、面白い。2、普通。3、つまらない。
なるほど。面白い29%、普通39%、つまらない31%。ちょっと僕には刺さらなかったですね。「クソアニメ」って言いたくないですね。
──(笑)。
岩井:
「クソアニメ」って言われたい感じが出てるから言いたくない(笑)。挑発しているわけではなくて、面白い方はあれはどこが面白いんでしょうかね。『ポプテピピック』の面白いところはどこでしょうか。
──(コメントを読んで)「ただのお祭り感」「キャスト」「カオスさ」。
岩井:
明確なことは言えない。アニメのキャラクターがアニメの外に出てコメントするとか、しゃべるとか、アニメの批判をするとか、ネタ的なことをやるっていうのは、俺はあんまりなんですよね。
──なるほどね。
岩井:
なんかキャラクターが生きていない感じがする。ボケてボケっぱなしで進んでいっている感はニコニコ動画とかじゃないと成立しないと思う。だから視聴者がコメントできるような動画でいいんじゃない?
──そっちのほうが本来の面白さを引き出せるんじゃないかなって。
岩井:
だから家で一人で見ていると、微妙な空気感でただただ進んでいくみたいな感じ。
──なるほど。コメントで言われているのは「『ポプテピピック』は声優陣の違いを楽しむアニメ」だって。
岩井:
それはこじつけだよ。古川登志夫さんがそういうふうに言ってた。『ポプテピピック』に対して、同じキャラクターをいろいろな人が演じたらどうなるか、「演技論は声優の数だけある」みたいなことを言ってた。それはもう後付けだよね。そこを狙っているわけじゃないから。あのアニメを面白いって思わないと通じゃない感が(笑)。
──(コメントを読んで)「声優の無駄遣いって言わせたいんだろうな」。なるほどね。
「わざとすべりにいっているやつにツッコミしたくない」
岩井:
こっちはわかってフルスイングで空振りしていますよって感じじゃないですか。芸人でも、わざとすべりにいっているやつにツッコミしたくないだろうって(笑)。
──誰のことですか(笑)。
岩井:
(笑)。
芸人的には本当にすべっているやつが見たい。でもわざとすべりにいっているやつって、「ちゃんとヒット打てるの?」って思っちゃう。ちゃんとヒット打てる人がすべりにいっているのはわかるけれど、ヒットが打てないからすべりにいくしかないみたいな。ヒットを打ちにいってすべりにいくのは怖いけれど、すべりにいってすべるのは大丈夫みたいなね。
──昨年の10月に本当は放送だという話があって、延期になって「間違えました」みたいなことを含めてネットでは騒ぎになり、年明け一発目からふたをあけてみたら、まさかのAパート、Bパートで声優を変えて再放送する。新しい手法といえば手法ですよね。『おそ松さん』にもつながるよね。
(画像は公式サイトより)
岩井:
『おそ松さん』は『おそ松さん』でよかった。だってあれはネタ的なやつは1話だけだったじゃない。あれをやることによって、こういうのはもうやりませんよって断って『おそ松さん』がはじまった。
──そうなんだよね。『おそ松さん』と比べるのが違いますよね。『ポプテピピック』はああいうアニメなのか、新しい手法という感じはしますよね。
岩井:
新しくもない気がするんだよね。
──あら。