30分アニメ不要説?「ポプテピは“12分”しかないけど良い作品をちゃんと毎週見れる方が嬉しい」 評論家の意見が一理ある件
毎週日曜日、夜8時からニコニコ生放送で放送中の『岡田斗司夫ゼミ』。
2月11日の放送内でパーソナリティの岡田斗司夫氏は、アニメ『ポプテピピック』の「同じ内容を二度見せる」という特徴的な作り方についてコメント。ポプテピの“12分”という放送時間を例に、アニメの理想の尺について語りました。
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評論家さん「『ポプテピピック』は尊い」その理由に思わず納得
「同じ内容を二度見せる」という良さ
『ポプテピピック』、今のところはすごく面白いです。もう6話まで、AパートBパートを繰り返し同じ内容で、声優だけ変えて再放送するという形でやっているんですけど、あの形式が面白いと思うんですよ。
なぜかというと、面白いアニメって、一度放送を見た後で、録画した映像をもう一度見るじゃないですか? 『ポプテピピック』って、この「もう一度見る」という手間を、放送側で肩代わりしてくれているんですよね。おまけに、声優が違うという豪華さで(笑)。
アニメは1話あたり12分で十分
余計なものを削ぎ落とすことで美しさが生まれるという『へうげもの』の千利休的に言うと、アニメ1話に30分も要らないんですね。僕は、最近のアニメって、みんな30分の放送尺を持て余していると思うんです。
たぶん、アニメって12分あれば十分なんですよ。残りの時間は下手な短歌の下の句とほとんど同じ“蛇足”なんです。
1話あたりの尺を12分にすると、アニメ1話あたりに掛けられる手間も増やせるし、スタッフ数も減らせて、上手い人だけで回すことが出来るようになるので、30分の尺で無理矢理やるより良いと思うんですよね。
「そんなに短い尺だと、スポンサーがつかない」って言うのならば、『ポプテピピック』みたいに、同じ内容を2回流せばいいんです。そうすれば、途中から見始めた人が「ああ、これ、途中からだ。もう見るのやめよう」ということもなくなりますし(笑)。
“12分だけど良い作品”を作ってくれたほうがファンは嬉しい
まあ、流石に、7分とか6分の尺だったら短いと思うんだけれども。そういった意味で俺は、『ポプテピピック』の10分ちょっとの尺は、NHK朝ドラと同じぐらいで、すごくいい尺だと思うんですけどね。
その尺で、週に1回、ちゃんとした放送をやってくれた方が、作っているスタッフは助かるだろうし、見ている側としても、実はあまり気にならないんですよね。
面白いアニメって、短い尺でもちゃんと面白さは伝わるし、30分の尺に合わせて間を埋めるためだけに作られていることがわかりきっている猿芝居みたいなドラマに付き合わされるよりも、そっちのほうが全然良いと思います。