これはアニメファンへの挑戦状だ。Netflix「あえて目だけで表現した」アニメキャラの“目”を見ただけであなたはどのくらい当てられる?
2018年2月26日~3月4日の期間、新宿駅の地下通路にて、280ものアニメキャラクターの“目”だけを集めたNetflixアニ“目”ジャックが実施されている。
動画配信サービス会社のNetflixによる今回のイベントでは、アニメキャラクターの“目”にフォーカスを当て、89作品から280人のキャラクターの“目”を展示。
『機動戦士Ζガンダム』のカミーユやシロッコ、『笑ゥせぇるすまん』の喪黒福造など名作アニメのキャラクターから、『ポプテピピック』のポプ子とピピ美、『からかい上手の高木さん』の高木さんなど現在放送中の最新アニメのキャラクターまで、さまざまなジャンルのアニメキャラクターたちの“目”が集結していた。
本イベントに先駆けても、
「心に残るアニメは目を見るだけで、記憶が蘇る。」
「いいアニメは、目をみれば、わかる。」
というメッセージとともに、さまざまなアニメキャラクターたちの“目”がアップされた特別映像も公開されており、Netflixの“目”にかける想いは相当なもののようだ。
さて、ここでひとつの疑問が浮かぶ。
「なぜここまでアニメキャラクターの“目”にこだわったのか?」
と。
そんなことを思いつつ現地を歩いていたところ、本イベントを企画したNetflixの的場敬紀氏とお会いできたので、「なぜ“目”にこだわったのか?」、「これほどのアニメ作品をどうやって集めたのか」などお話を聞かせていただいた。
取材・文・編集/竹中プレジデント
なぜアニメキャラクターの“目”を集めたのか
──今回のイベントでは、なぜここまでアニメキャラクターの“目”にフォーカスをあてたのでしょう?
的場敬紀氏(以下、的場氏):
Netflixではこの1年、アニメジャンルに非常に力を入れており、視聴できるアニメタイトル数もかなり増やしています。ただ、多くのアニメファンの方に「Netflixではアニメが充実している」というのが未だに知られていないという現状がありました。
それを打破するためにも、インパクトのある広告をやりたいと思ったのが最初のきっかけです。
──それで“目”だけを集めて展示する今回のイベントを企画したと?
的場氏:
はい。これだけの数の目を切り抜いて展示するのは、おそらくアニメ業界の中で初の試みですので、より多くの方に知っていただけるのではないかと。
また、アニメが好きな方やその作品のファンの方なら、目を見ただけでどのキャラクターかわかると思うので、この目はこのキャラかな……というようにクイズやゲーム感覚で楽しんでもらいたかったのもあり、あえて各作品の特徴溢れる目だけにフォーカスした広告を企画しました。
──では展示されている“目”にキャラクターの名前か記載がないのもあえてなのでしょうか?
的場氏:
そうです。プロジェクトメンバー内での議論において、「どの目がどのキャラクターのものか記載したほうがいいのではないか」という意見も確かにありました。
しかし、それを入れてしまうとゲーム感覚で当てる楽しみが減ってしまううえに、アニメファン同士がキャラクターの目の特徴について議論して盛り上がる機会を減らしてしまうので書かないことにしました。
こうしてたくさんの方がひとつひとつの目をジックリ見ていただいているのを見ると、とてもうれしく思います。
──狙い通りというか、Twitter上でかなり話題になっていました。
的場氏:
これだけのアニメキャラクターの目だけを集めて、前例のない“目”だけをピックアップした動画を公開すれば、「どの目がどのタイトルのどのキャラクターだ」というのをアニメ愛のある方々が当て始める、そこからSNS上で活発な会話が生まれてほしいという期待はしていました。
どのようにこれだけのアニメキャラクターを集めたのか
──今回展示されているのは89作品から280キャラクターということですが、これだけ多くのアニメ作品とキャラクターをどのようにして集めたのでしょう?
的場氏:
Netflixで配信されている何百というアニメ作品の中から、よりさまざまなジャンルで、人気も高く、目に特徴があるキャラクターをピックアップし、そこからどの瞬間の目をキャプチャするかを吟味し、広告デザインに落とし込んでいきました。
──この数のアニメ作品を集められたのは、やはり動画配信サービスを行っているNetflixだからこそなのかなと思います。
的場氏:
そうですね。多くのパートナーさんのご協力を得ることができたからこそ、これだけ多くのタイトルを紹介できました。
──ただ、これだけタイトルの数が多いと、各社とのやり取りじたいが大変というイメージがありますが?
的場氏:
やはり何十社にも及びましたし、アニメキャラクターの目を切り抜くこと自体が常識はずれとも言えることなので、各パートナー企業の皆様の理解を得るのに時間は必要でした。
「Netflixはいったい何を始めようとしているの?」と、ご心配をされたアニメスタジオさんもあったように思います。
ただ、こういう初の試みに対して「おもしろいね」と楽しんでくださる方もいて、各パートナーのみなさんと一緒に作り上げることができました。
Netflixの社風だからこそ実現できた企画
──今回のプロジェクトの開始時期はいつごろですか?
的場氏:
2017年の7月くらいからです。
──企画を提案した際の周囲の反応はいかがでした?
的場氏:
社内では「大変そう」というより「これはおもしろい」という前向きな意見が多かったです。ただ、進めていく中での許諾を得るプロセスはしっかりやっていこうとは話していました。やはりパートナー各社さんの大事なキャラクターですからね。
また、Netflixの社風として、企画を進める際に上司の許諾は必要ないので、担当にやりたいという熱意があったらその時点で企画を進めることができます。そういう社内の体制も今回の企画が実現できた要因のひとつだと思います。
──では的場さん自身も、もともとアニメ好きだったんですか?
的場氏:
はい。アニメは昔から好きです。最初にハマったアニメは『ドラゴンボール』で、悟空が小さいころからを見ていました。最近だと『PSYCHO-PASS サイコパス』や『東京喰種トーキョーグール』などが好きです。
──そんなアニメ好きの的場さんから、今後注目のアニメタイトルを教えてください。
的場氏:
やはりNetflixでしか見られないオリジナルアニメをぜひご覧いただきたいです。
『B: The Beginning』(3/2全世界同時配信)と『A.I.C.O. Incarnation』(3/9全世界同時配信)は完全新作の2作で非常にクオリティも高いです。世界中のアニメファンの方々の反応がどうなるか楽しみです。
──ありがとうございます。最後にアニメファンに向けてひと言メッセージをお願いします。
的場氏:
2015年に動画サービスを開始した際、多くのアニメファンの方が30日無料トライアルを体験していただいたものの、当時はまだアニメのラインナップが多くなく、あいだを置かれている方もいると思いますが、いまの充実ぶりをご覧いただければ絶対満足いただけると思うので、カムバックしてみてください。
さらにNetflixでは、今後もアニメのラインナップを充実させていきたいと考えており、今回のようなプロモーションも展開していく予定ですので、ぜひ注目してください。