中国で「佐々木希の妊娠」が検索ワード1位に? 意外と言論統制されてない中国のネット事情を中国人民大学研究員が解説
民主化にかかわらなければ、表現はほぼ自由
中川:
これは本当に中国のVASOON社という企業が作ったものですが、結構クオリティも高くて、王川監督は僕も何回かお会いしたことがあります。
中川:
元々記者の出身の方ですけれども、アニメスタジオ作って結構ちゃんとしたところをやっているというところで、この「規制下の自由を求めて」と書いたのですが、結構自由な範囲というのはあって、民主化とか天安門だとか、そういったものにかかわらなければ、ほぼ自由なんですよ。
そういうことは、あまり日本では報道されていないので、その辺は一般の人たちは自由ですよというとこを認識しておいたほうがいいですよ。
山本:
この絵の衣装とかも大人しいですよね。ある程度倫理観がある。
中川:
それはある程度規制が入る。王川監督は日本の作品がすごい大好きなんだけども、日本の作品を学びながら若干カルチャライズというのをしている。ちなみに百度(バイドゥ)【※】の検索エンジンでトップだったキーワードって何だったかと言うと、「中国の新しい鉄道が開通しました」とかいうのを圧倒的に抑えて、1位の検索ワードは佐々木希さんの妊娠だったんです。
※百度
中華人民共和国で最大の検索エンジンを提供する企業。
なんで中国が? と思うかもしれませんが、それぐらい日本のメディアとかも全然見ているので、「和諧社会」のような前近代的な共産っぽい雰囲気ではなくて、こういう状況もあるよということです。
山本:
日本のアニメの影響が大きいですね。まるでアニメ『バジリスク 〜甲賀忍法帖〜』みたい。
(画像は公式サイトより)
中川:
そういうのが好きなんですよね。
アニメ・コミックでは中国の市場規模が日本を超えた
中川:
これもデータソースが正しいと言えないので、なんとなくだと思ってください。
アニメ・コミックの市場規模は2兆5500億円くらいですよと。日本はだいたい2兆円超えと言われています。そこを若干越えてきたと。これからのネット人口の数だと、こういう伸び方をしているので、到達するんじゃないかなというところなんですけれども。
これなんですけども、中国全体の図で、このラインがほぼ日本と同じくらいの大きさです。ここが「アニメベルト」と言われているところで、アニメ制作会社が密集している地域がこれだけあるんです。国土から考えると相当大きいですね。
『アリババ』『百度』etc…知ってるようで知らない中国企業の特徴を中国人民大学研究員が解説
中国で1個400円のおむすびが爆売れ!――冷えた米を食べない国で“おむすび”を定着させた日本企業「百農社」の挑戦