『ポプテピピック』須藤Pが語る制作秘話。「オンエア前は社内で見向きもされなかった」「毎週、“電話かかってこないで”と祈ってやっと解放される(笑)」
「頼むから電話かかってこないでくれ!」と毎週祈り続けてやっと解放される
高橋:
お仕事の中でプロデューサーとして大変なことって感じられますか?
須藤:
アニメってたくさんの人が関わるんでいろんな意見もありますし別にどれが正解ってわけでもないんですけど、最終的にジャッジしなきゃいけないんです。
A案って言っている人もいれば、B案って言っている人もいるし、「じゃあ、須藤さんはどうなんですか?」って言われたら、A案って言ったらB案の人には角が立つし、B案って言ったらまたそうですし。それを総合して新しいものを「こういうのどうですか?」って提案することとかを常に考えなきゃいけないところ。
なんとか現場をまとめなきゃいけない苦労はあるかなって思います。最終的には自分がジャッジしたものにはなるんですけど、それはそれで自分のジャッジに「これでよかったのかな」って思うときもありますし。
『ポプテピピック』に関しては内容が「これは大丈夫かな」っていうネタとかもやっちゃってるんで。毎週土曜日はあんまりオンエアを見ないようにしてます。携帯の電源も切って、月曜日もあんまり会社に行かないようにして、「頼むから電話かかってこないでくれ!」って毎週祈り続けて今日やっと12回目で解放されるんで(笑)。
悪夢のような3ヶ月間が終わりましたよ。助かりました。
高橋:
でも、最後まで何があるかわかりませんからね。
須藤:
そうなんですよ。だからこれを見ている人は頼むから連絡しないでください(笑)。
竹書房は、お金も口も出さないが「すごく良いスナックを紹介してくれました」
高橋:
『ポプテピピック』は原作元とのコミュニケーションはどうされているんですか。
須藤:
みなさんもご存知のとおり指定暴力団なわけですから(笑)。なかなか壁が厚いというか、こっちもちゃんとした格好をして行かなきゃいけないですし。会社自体は近いんですけど、アニメに関しては基本的に静観している立場というか。
逆に原作者の大川ぶくぶ先生とやりとりすることが多いかなと。竹書房さんは一銭も出資してないですし、「勝手にアニメやってる」みたいな感覚だと思います(笑)。
高橋:
「お金も口も出さない」という。
須藤:
でも、すごく良いお店を紹介してもらいました。コミュニケーションじゃないですけど、原作者の先生だったり、竹書房さんだったりもお話をすることはあるので新宿区役所の裏に花水木(ハナミズキ)っていうスナックがあるんですけど、そこがすごくよかったです(笑)。そこでよく会議をしています。
高橋:
唯一、竹書房さんから口を出されたことが……。
須藤:
お店を紹介してもらいました。一見さんお断りだったんで。
高橋:
(笑)。藤田さん、あの人ちょっとすごいですよ(笑)。
藤田:
(笑)
須藤P「竹書房さんは最高の会社」その理由とは……?
高橋:
ぶくぶ先生とのコミュニケーションという話も先程ありましたけれども、須藤さんがお感じになる原作とアニメの良好な関係というのは一言で表すとどんな言葉になりますか。
須藤:
ぼく、喫煙者なんですけど結構普通の会議でも原作者の方と話していても、あまりいいものは思い浮かばなくて……。向こうの担当の人や編集者の方が良い方だと喫煙所に行ったりとか。会議しながら煙草吸えたりするんで、竹書房さんは最高の会社だと思います。
高橋:
結論から言うと、「煙草友達」っていう?
須藤:
そこで話していることで結構面白いことが出たりするんで。
高橋:
最後にお知らせの時間をいただいて、それぞれの作品を伺いたいなと思ったのですけれども、映像や、会場で販売しているものなどを今日、ご登壇している方にはご用意いただきましたけれども、須藤さんは特に何のご用意もないというお話を伺っておりますので(笑)。
須藤:
はい(笑)。特にないです。
高橋:
では、口頭でお願いします(笑)!
須藤:
今夜(3月24日)25時から最終回がありますので、お時間ある方は気楽な感じで見ていただければいいかな、というふうに思います。
須藤孝太郎プロデューサーのインタビューは下記生放送の4:30:00から視聴することができます。