「ゴキブリなんて序の口」──どんなゴミ屋敷もキレイさっぱり“特殊清掃員”体験レポが強烈すぎて肩に力が入っちゃうレベル
ゴミ山の中で多頭飼いされていたインコ
村田:
次いきましょうか。ここもたいしたことはないですね。たいしたことはないんですけれど、片付けていたらピーピー音が鳴る。
まあこれくらいでゴミ屋敷としては軽いんですよ。友達の家だったらキツイけど。
松原:
いやキツイな、友達の家だったらキツイなあ。
村田:
「ウチくる?」って女の子に言われて「行く行く!」って行ってこれだと「おぉ……」っていう感じですよね。
松原:
キツイですね。「ゴミ屋敷だったら軽い」。その表現すごいですわ。
村田:
ただですね、鳥がいっぱい出てきた。
松原:
生きている鳥ですよね?
村田:
生きている鳥が出てきたっていう。適当にザラザラザラってゴミの上から餌を撒いて。
松原:
マジで!? パチンコみたいなもんですね、餌がここに入るっていう。
村田:
床にこぼれた餌を虫が食うわけですよ。だからゴキブリがいっぱいいました。本当に一匹じゃないですよ。でも一匹も死んでいなかったから、すごいなと思いましたけれどね。
松原:
ちゃんと餌が行き渡ってたんやな。
村田:
全部でこれぐらい出てきました。
松原:
でも清掃したら綺麗ですね。
村田:
これは掃除が終わった部屋ですね。ゴミ屋敷になってからさほど間もなかったみたいで、家がゴタゴタっとしてちょっと片付けられなかったぐらいの部屋だったので。すごい大きい家でしたし。
大島:
ため息しか出ないですよ(笑)。
松原:
ため息なんですか? 眠たい? 鳥がかわいそうということですか?
大島:
というよりも、私もこうなったら嫌だなっていう。ある程度溜まっちゃうと、もうどうしようもなくなっちゃう……。
村田:
汚い方なんですか?
大島:
汚くはないんですけれど、さっきの「同じ物をよく買う」というのはすごくよく分かります。見当たらないと買っちゃう。
松原:
でも地面が全部ゴミになってしまうなんて……。
大島:
いや、それはないですけれど。なんとなく分かりますね。
松原:
でもそういうきっかけですよね。「捨てるのめんどくさい!」が溜まって一定を越えると、どんどん溜まっていっちゃいますもんね。
ここなら、お化けの出る家のほうがマシ? 大量に放置されたおしっこペットボトル
村田:
これが最後ですね。今までのを見てくると、「ゴミは多いけれど普通かな」と思うじゃないですか。
松原:
もう麻痺してますけれどね。
村田:
お茶があるのは分かりますか。こんなところにあるのに、中身は入っているじゃないっていう。
松原:
ホンマや。冷蔵庫入れたらいいのにな。
村田:
外から見るとこんな感じになるんですけれど。
でもお茶がまあまああるように見えますよね。次いってもらっていいですか。
こんなにお茶が出てきたんですね。これ、実は三分の一ぐらいです。あったのはこの三倍。
松原:
この三倍……。
村田:
これはおしっこです。
松原:
黒い! このおしっこ黒すぎません!?
村田:
酸化して烏龍茶色になっているんです。
松原:
だから烏龍茶のパッケージにちょうどいいっていう。緑茶のパッケージだったら違和感ありますもんね。
村田:
これ分からないのが、トイレは綺麗ではなかったですけれど使えていたんですよね。
松原:
これは男性ですか。
村田:
男性です。これで入りきらなかったのでクローゼットに……。
松原:
ポカリが……。
村田:
もうポカリ色じゃないでしょう? 烏龍茶のペットボトルだけだと烏龍茶も混じっていると思うかもしれないけれど、ポカリであの色はないでしょう。
松原:
トイレはどうなっているんですか?
村田:
トイレは普通というか、ただ汚いぐらいで。だっておしっこをこっちでしているから。うんちもしているはずだし。でもこうなってくると、趣味だよなとも思って。
松原:
趣味か……。
大島:
でもさっきのお酒の方より、健康に気を使って選んでいる感じがしますよね。
松原:
どういうこと? 飲んでいる物がってこと?
大島:
烏龍茶とスポーツドリンクで。お酒の飲み過ぎはよくないって思って。
村田:
何本か捨てたんですけれど、めちゃくちゃ臭いですよ。これは死臭よりもダイレクトにキツい。アンモニアになっていると思うので、目にしみるやつで、「これ無理だ!」ってなりました。
松原:
これはトイレに流すんですか?
村田:
これは結局、作った人に「自分でやりましょう!」ってなった。処理がものすごく難しいんですよ。これをゴミ処理場に……となるとかなり難しくて、全部捨てなければいけなくて。全部捨てるとなると丸3日とかかかるので、自分で毎日やっていきましょうと。それだったらお金を取らないので、自分でやっていきませんか? ということにして。
松原:
納得してくれたんですか?
村田:
納得してくれたというか、「1個500円で捨てましょう」という感じにしていたと思います。「1000本だったら50万円だから、50万払ったら捨てます。どっちにします?」と言って。「だったら自分で捨てます」と。
大島:
じゃあ結局、これはこのままかもしれないんですか?
村田:
いや、それは確認して。電話で聞いたりとか「ちゃんと捨てていますか?」とか聞いたりして。結構やらせるような形でというような感じでした。これが僕が持ってきた“ゴミ屋敷”の資料ですね。
松原:
(コメントを見て)「この家行くならお化けの出る家の方がいいわ」という人も。
村田:
確かにゴミ屋敷のキツイ部屋は僕もそう思いますけれどね。
大島:
はあ……。
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