「ゴキブリなんて序の口」──どんなゴミ屋敷もキレイさっぱり“特殊清掃員”体験レポが強烈すぎて肩に力が入っちゃうレベル
ゴミ屋敷化する→ものがなくなる→買うの延々ループ
村田:
次いきましょうか。
ここは少なめ、小さめのところですね。
松原:
(コメントを見て)「これマシそう」って、こんなのマシちゃうで(笑)。
村田:
こういうところは基本的には心理的瑕疵【※】にならないですよね?
※瑕疵
かし。きず、欠点のこと。転じて法律や当事者の予期するような状態や性質が欠けていること。
松原:
この後に住む人がですか?
大島:
このままじゃ心理的瑕疵にならないですけれどね。
村田:
競売で買ったらこういう状態なのはよくあるみたいです。
ここがライフスペース、住む場所になってくるわけです。
松原:
あ、へこんでる。あそこで寝てるんかな。
村田:
そこで寝て、ってなってくる。やっぱりこんな部屋で生活していくと、ライターだとか物がどんどんなくなっちゃうんですよね。だから同じ物をいっぱい買ってしまう。
松原:
いっぱい出てくるんだ。カッターめっちゃあるやん(笑)。
村田:
そうそう、100円ショップのやつですね(笑)。カッターがなくなっちゃうんですね。それから山ほどのライターとカッターが出てくるっていうのがありました。ここはリモコンとかお金や写真とか必要な物だけをとっておいてあるんですね。
松原:
依頼者から言われるんですね。
村田:
言われずとも、とっておいているんですよ。「写真とお金は絶対にいるから」と。それ以外にも、「ここらへんに指輪があるんです」とか「ここらへんに鍵があるんです」とか言われたらなるべく探すようにして、うるさい人は本当に「全部チェックしないとイヤ!」という人もいるし。
松原:
うわ、めんどくさいな。ゴミ屋敷やのに。
村田:
間違えて捨てたやつを拾いにゴミ処理場のトラックの中に……っていう人もいましたよ。だから全部チェックしてもらわないといけない人も比較的います。
松原:
お金を払っているからってことなんかな。自分で片付ければいいのにってなっちゃいますけれど……。
村田:
なかなか難しいところです。
「死ぬまで住んだれ」!? ゴミ屋敷の退去時の出費をおさえる仰天アドバイス
村田:
次いきましょうか。
これは切ないというか、下にある銀色のやつが発泡酒ですね。おびただしい数のお酒の缶。これはありがちではあるんですけれどね。こんな感じの空き缶だらけの部屋っていう感じですね。
松原:
出すのがめんどくさいんでしょうね。足元がなくなっているから。
村田:
ここに住んでいた方は結構なお年の方でして、清掃代などの費用を心配して「この部屋を退去するときに大変ですか?」って住人の方がうちの業者の社長に聞いたら、社長は「死ぬまで住んだれ」って住人の方に言っていました。すごいアドバイスだなと思って(笑)。
松原:
「死ぬまで住んだら?」っていうのがアドバイス?
村田:
死ぬまで住んだら払わんでええから(笑)。それか取り壊しになったら大丈夫とか。要は自分から出ると近所から言われるから、そのまま住み続けたらええでっていう。築50年とかすごく古いアパートだったので。
松原:
(コメントを読む)「死に逃げ」(笑)。
村田:
もう新しい人は住めないなっていうアパートなんですよ。だから大家も出て行ってほしいとは思っていないので。
松原:
家賃は払うってことか。
村田:
これがトイレみたいな感じでね。小学校以来見ていない、おしりにハサミがついている虫がいましたよ(笑)。サソリのちっちゃいやつみたいな。
松原:
なんていう虫だったかな。ハサミムシだ! 動きが速いしね。
村田:
あれ気持ち悪いですね。子供の時は平気だったのに、大人になって見ると気持ち悪いなって。
松原:
ハサミムシがトイレにいるんですね。
村田:
このトイレは壁の色とか本当にホラーっぽいですよね。『世にも奇妙な物語』のスタッフが作りそうな色ですよね。
これがそこにあったポスターです。結構懐かしい(笑)。
松原:
懐かしい……誰やろなあ? 当時のグラビアの方なんでしょうね。
村田:
たぶん90年代ぽいですよね。