「首が尋常じゃないくらい長い人が…」沖縄の霊媒師“ユタ”の子孫が語る恐怖体験がヤバかった
殺人、自殺……様々な理由により、いわくつきとなってしまった事故物件を徹底的に語り尽くすニコニコ生放送番組「事故物件ラボ」には、MCとして事故物件公示サイト「大島てる」管理人の大島てる氏(@Oshimaland)と、事故物件住みます芸人の松原タニシ氏(@tanishisuki)のふたりが出演。沖縄出身で沖縄ユタの孫であるミュージシャン上里洋志(らせん。)氏(@hiroshi_uezato)がゲストとして登場しました。
番組では、上里氏が学生時代に海で遭遇した怪現象や、ユタの家庭で起きた不思議な体験、松原氏の沖縄出身である新人マネージャーが体験した怪談が紹介されました。
※本記事はニコニコ生放送での出演者の発言を書き起こしたものであり、公開にあたり最低限の編集をしています。
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“その人”にも僕が見えていることがわかっちゃったみたいで
上里洋志:
僕、沖縄の宮古島の端っこのほうに住んでいたんですよ。いわゆる市内から車で30分ぐらい離れていた所だったので、友達と遊ぶ場所が限られていたんですよね。
中学生になってくると色気づいて、女の子と遊びたいとか思うわけですよ。でも車がないから市内に行くことができないので、遊びのスポットはやっぱり海なんですよ。遊泳禁止になっている区域が沖縄にはざらにあって、そこに男女が集まってお菓子パーティーみたいなのをするんですよ。
学校にバレないように、遊泳禁止の場所には夜中に集まって遊ぶことが多かったんです。そこでお菓子を食べてり、イチャイチャする男女もいたりして……まさにナイトプール(笑)。
僕は小・中学生の頃から霊感的なものがあったので、異変に気付いてふと前を見ると、海の水平線の向こうに顔がポコッと浮いているんですよ。
「見ちゃいかんものを見てしまった!」と思ったけれど、場の空気を崩せないと思って黙っていたんですね。ずっと意識しないようにしてたんですけれど、“その人”と目があったりして……“その人”にも僕が見えていることがわかっちゃったみたいなんですよね。すると、海から“その人”の顔が少しずつ近寄ってきたんです。
“その人”はちょうど鼻から下が水面に浸かっていて、目だけが浮いていました。僕はしばらく見ないようにしていたんですけど、30分ぐらいすると、友達と話していても変な汗とかかきだしちゃったんですけれど、周りが異変に気付かないようになんとか取り繕っていたんです。
“その人”の顔がどんどん近づいてきて、水面から少しずつ顔が出てくるんですよ。僕は気持ち悪いなって思っていたんですけれど、害を与えるようなものでもないだろうなと思ったので、しばらく放っておいたんです。でも、またしばらくすると異変に気付いたんです。どんどん水面から上がってくるんですけれど、“その人”は首が尋常じゃないくらい長いんですよ。
“その人”は砂浜にいる僕らの集団を見下ろしているぐらいまで近づいて来ちゃって、まずいかもと思ったら汗も止まらなくなっちゃったんです。周りも僕の異変に気づいて「どうした? 何かあったんか?」と言われたから、僕は「とりあえずあとで話すから、砂浜から出るところまでは普通にしよう」と。「砂浜から出た瞬間から散り散りに散っていいから、そうしてくれないか」って頼んだんです。
周りは僕がそういうものを持っているのはわかっているので「わかった」って言って、何事もなかったように荷物を片付けて、砂浜を出た瞬間に、みんな一斉に走り出したんですよ。
うちのばあちゃんの家はすごく大きい家だったので、そこにみんなで逃げ込んで、その夜は、そこで雑魚寝しようということになりました。僕はめちゃくちゃ怖かったんですけれど、みんなには見えていないから「何があったんだ?」と聞かれました。僕が見たものを説明すると、みんなは「マジか⁉」みたいな反応でした。
僕は「この話はなかったことにしよう」と言って、夜な夜な海で遊んでいることがバレないように、ばあちゃんの家に入るときに、砂を外の水道で全部洗い流したんです。体もタオルで拭いて、海に行ったという形跡は全くない状態にしていました。みんなで雑魚寝していたんですけれど、僕は怖くて明け方5時ぐらいまでずっと寝付けなかったです。
すると、海にいたときと同じような、見られてる! という感覚がゾワッとしてきたんですね。僕はずっと寝たふりをしていたんですけれど、そういう時ってやっぱり目を開けちゃうんですよね。
松原タニシ:
何もないのを確認したいんですよね?
上里洋志:
そう。とりあえず何かに見られているかもしれないけれど……とパッと目を開けた瞬間に、目の前に“その人”がいたんです。“その人”が口を開けると、そこから海藻や砂や海水とかが僕の顔面にドワッとかかってきたんです。
うわ~! ってなったら、そこでパッと目が覚めたんです。すごい大きい声を出していたので、ユタをやってるうちのばあちゃんがダッシュで来ちゃって。「お前ら、きのう、海に行っただろう!?」って第一声で言うんですよ。僕らは「行ってないよ」って言ったんですが、ばあちゃんが「よく見てみ」って床を指したら、部屋中が砂だらけだったんですよ。
松原タニシ:
体は洗ったのに? すごい話や。素晴らしい。妖怪だとしても聞いたことがないタイプ。
ユタに「お前は水に気をつけろ」と言われて
上里洋志:
妖怪はあまり沖縄にいないかなと思ったんですけどね。僕が高校生だった頃にあった心霊体験を、もうひとつ話そうかなと思います。高校のときはどうしても進路ですごく悩む時期でして、僕は高校卒業したらバンクーバーに留学をしたいっていう、わけがわからないことを言い出しちゃったので、うちの母親と大喧嘩しちゃったんですね。
進路のことで互いに言い合いになっちゃったりとかして、しばらく口を利かない時期があったんです。進路のこともそろそろ決めなきゃいけないなと思っていたので、今日はちょっと話をしようかなと思って、夜遅かったので寝てるだろうなと思ったんですけど、母の部屋に行ったんです。
母は寝てるかなと思ったんですけれど、部屋の中の鏡台に向いて座っていたんですよ。僕は起きてたんだと思って、「進路のことで僕もそろそろ決めなきゃいけないし、話をしよう」って言ったんですけれど、母は無視したんです。
僕はめちゃめちゃ腹が立って、その辺にあるティッシュだったり小さい棚みたいのもをガンガン母親にぶん投げてしまったんです。それでも、まったく無反応だったので、腹が立って部屋を出て自分の部屋に行ってしまいました。
しばらくして、やっぱり無視されたことが納得いかなかったのでもう一回、母の部屋に行って「なんで無視するの? ちゃんと話をしようって言ってんじゃん!」って言ったんですけれど、それでも母は無視するんですよ。僕は何かおかしいなと思ってベッドのほうを見ると、ベッドにも母が寝ているんですよ。
ベッドに母が寝ているんですけれども、鏡台にも母が座っているんですよね。これはヤバイやつだと思って、なんとか母親を助けなきゃと思いました。僕は、鏡台に座っている母親がヤバイやつだと思ったので、鏡台に写っている母の顔を絶対見ないように下を向きながらベッドに寝ている母を一生懸命揺すったんですよ。
でも全然起きなくて、怖くなって部屋を出ちゃって、自分の部屋に戻ってガタガタ震えていたんですけれど、どうしても母が心配になってきちゃって……。もう一回母の部屋に行くと、やっぱり鏡台に母は座っていて奥でも母が寝ているんですよ。
もうばあちゃんに頼るしかないと思って。急いで身支度をして自転車の鍵を取って、玄関をガチャっと開けたら母が帰ってきたんですよ。
松原タニシ:
ほう……。
上里洋志:
この日、母は同窓会があって遅くまでお酒を飲んで代行で帰ってきたんですね。酔っ払って帰ってきたところに、汗だくの僕と遭遇するという状況でした。僕はそれを見た瞬間に腰が崩れちゃって、そこに座り込んじゃいました。
母が僕に事情を聞くと真っ青になっちゃって、ふたりで恐る恐る部屋に入ったんですけれど、鏡台に座っている母も奥で眠っている母もいなかった。
松原タニシ:
これは強烈やな。何なんですか?
上里洋志:
ばあちゃんに後日その話をしたら、僕が憑依体質なので今回のは僕が持ってきたものだと言っていました。その後は神様が祀られてる祠みたいなところに連れて行かれてお祈りされて、ユタの最高峰みたいな人に「お前は水に気をつけろ」と言われたんです。
松原タニシ:
水……。
上里洋志:
その水、まさにさっきの海の話なんですよ!
松原タニシ:
怖っ。でも、この話も素晴らしい。ありがとうございます。
助手席の窓に張り付く女の子
松原タニシ:
松竹芸能に26歳くらいの若い男の新人マネージャーが入ってきまして、彼は石垣島出身なんですよ。仮に“Aマネージャー”としておきます。沖縄の人ってそういう霊体験をする人は多いんですか?
上里洋志:
多いと思います。僕の周りにも結構いました。
松原タニシ:
沖縄という土壌が結構特別かなと思うんですけれども、彼が結構いろいろな体験をしておりまして、「是非タニシさんに聞いて欲しいです」って聞いた話なんですけれども、Aさんが高校生のときに石垣島で彼女ができたんですね。
Aさんは免許をまだ取っていなかったんですが、彼女が18歳で免許を取ったからドライブに行こうということで、石垣島の夜景の見えるスポットに行ったそうです。すると、ドライブの帰りに急勾配の坂がありまして、そこを降りようとしたところ彼女が急ブレーキを踏んだそうです。
Aさんは「どうしたの?」と聞いたら、運転している彼女が「隠れて!」って言うんですね。Aさんはとりあえず隠れるんですけれども、彼女が「絶対に顔を上げたらダメ」と言ってハンドルを持ちながらガタガタ震えていたそうです。彼女は「もう無理! 運転代わって!」と言い出すんですけれど、Aさんは免許を持っていないので「無理!」と答えたそうです。
そのまま10分くらいガタガタ震えながら隠れている状態が続いたら、彼女がゆっくりと顔を上げて外を見て、ゆっくりと車を発進させて坂道を少し外れた駐車スペースに車を置いて、そこで一旦待機したんですね。それでも彼女は「まだダメ、まだ動けない」って言いながらガタガタ震えていたので、結局明け方までそこで過ごしたそうです。
朝になって、家に帰る途中の彼女に「何があったの?」とAさんが聞くと、「坂道を下るときに、急に女の子が目の前を横切った」と彼女が言うんですね。うわっ! と思って急ブレーキを踏んだんだけど、その後、助手席の窓にその女の子が張り付いて覗いている状態だったらしいです。
彼女は、その時「これはもう人間じゃない」と思ったそうです。
後日、Aさんの学校の授業で地域のスクラップ記事を集めて、石垣島の記事を自分たちで作る授業があって、そのときにある記事を発見するんですけれども、それがダンプカーで小さい女の子が轢かれるという事件の記事でした。
その新聞記事の写真が、彼女が急ブレーキを踏んで「隠れて!」と言った場所とまったく同じ風景なんです。記事には、娘を連れた母親がいて、子供が「トイレに行きたい」と言い出したから、近くの坂道の横に車を停めて「じゃあ行っておいで」と言って、女の子が車から出てトイレに行こうと飛び出した瞬間にダンプカーに轢かれるという事故が書いてあったんですね。
Aさんは、その記事を彼女に見せて「これはあのときの場所だよね」と。彼女は「絶対この子だ」と言ったそうです。彼女が言うには、「その子はトイレに行こうとしてダンプカーに轢かれたあとに、お母さんを探していたんじゃないか?」と。
車があったから助手席の窓から「お母さんいるかな?」と覗いていたのが、その女の子だったんじゃないかという話ですね。
上里洋志:
ちょっと切なさもありますよね。
松原タニシ:
沖縄じゃなくてもありそうな話なんですけれども……てるさん、どうですか?
大島てる:
心が痛みます。今みたいな話は苦手です。
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