『FF6』のバグを令和になっても探し続ける男──「縛りプレイ記録更新のために本職のゲームデバッガーに」狂気に満ちたやりこみゲーマーの生き様に迫る
【おまけ】エディさんが縛りプレイ時に使用している資料データ
じつは本取材において、エディ氏が普段使っているいくつかの資料をご用意いただいていた。
しかし、丁寧に説明をしていただいたにも関わらず筆者の理解が追いつかず、恐らく多くの読者にとっても頭が「???」で埋まってしまうだろうと予測できたため、本文中での記載は見送る判断をとらせていただいたのだ。
しかし、最後まで読み進めてくれた読者であるなら、きっと楽しんでくれるハズ。おまけとしてまとめておくので、興味のある方はぜひ楽しんでいただきたい。
■「EventScriptTxt」
海外の方が作成した解析データ。『FF6』におけるすべてのイベント処理が記載されている。ゲーム中のイベントでどのような処理が行われているかを調べるのに使う。
■「ff6_snes_event_bits」
海外の方が作成した解析データ。『FF6』で使われているイベントフラグの一覧。「EventScriptTxt」と併せて、ゲーム中のイベントでどのようなフラグが立っているのかを調べるのに使う。
■「nazo」
さまざまな調査データがごちゃ混ぜになっているファイル。いろいろ謎なデータがいっぱいなので「nazo」になった。
低歩数クリアの際におもに使用するのは、クリア予定歩数の算出に使用する「歩数とか…」、低歩数のチャートが書き下されている「メモ」、テントの使用回数の算出に使用する「テント数」。
■「NPCバグイベント」
『FF6』には本来は触れることのできないNPCが数多く存在するが、それらもなぜか触れた際のイベント情報が設定されており、大抵バグっている。
このようなNPCが持つバグったイベントデータをリストアップしたファイル。リストアップしたはいいけど、ほとんどがフリーズしたり、バグ利用でも触れられないNPCばかりなので、使い道がない。
■「windowcolor」
52回全滅バグを利用するToolAssistedSpeedrun作成の際に使用した、ウィンドウカラー変更の最適化データ。
ウィンドウカラーに書きこむコードの候補毎に、カラー変更に何フレームかかるのかを調べるのに使った。
■「ジャボテンダー砂漠マップ」
GBA版の追加モンスター「ジャボテンダー」撃破後に表示される専用マップの調査データ。どこに何があるのかをマッピングしたものが「砂漠マップ」のシート。
マップ内で採取できるバグアイテムのデータが「バグアイテムデータ」のシートに記載されている。
■「メインメンバーOBJ生成・消去処理一覧」
『FF6』のプレイアブルキャラクターのオブジェクトが、ゲーム中のどのタイミングで生成されたり、消去されたりするのかを「EventScriptTxt」から抜き出してリストアップしたもの。「このキャラのオブジェクトどのタイミングで生成されるんだっけ?」ってなったときに使う。
■「メインメンバー配属・除外処理一覧」
『FF6』のプレイアブルキャラクターが、ゲーム中のどのタイミングでパーティに入ったり抜けたりするのかを「EventScriptTxt」から抜き出してリストアップしたもの。「このキャラどこでパーティに入るんだっけ?」ってなったときに使う。
■「ようくわからん」
検証した何かのデータをとりあえず保存しておくために作ったファイル。保存したはいいけど、見返してもよくわからなくなったのでこんな名前になった。
「よくわからん」と打とうとして衍字(間違って入った不要の字)が発生したが、めんどうなので修正していない。平たく言えばメモ書き。
■「乱数」
『FF6』で使われている乱数テーブルを表にしたものが入っている。「C0FD00」のシートにあるものがその乱数テーブル。「C0FD00(10進数)」が上の内容を10進数に変換したもの。
ほかは何かの調査に使用した名残だと思うが、何をしていたのかは覚えていない。乱数が関係する様々な要素を調べる際に使う。