サッカーのPKで「5回中成功を3回以上」と「5回中失敗は2回まで」、どちらの指示が成功率が高い? ドイツ選手が協力した心理学実験が興味深い
今回紹介する動画は、スマココチャンネルさんが投稿した『【心理学】常にポジティブに目を向けさせるのは正しいか? サッカーのPKで実験!【VOICEROID解説】』。
2009年に行われたサッカーのPKの成功率を高める心理学実験について解説しています。
舞:
ごきげんよう心理学エンジェル今田舞です。
あすか:
こんにちは新庄明日香です。コスタリカ戦、勝てなくて残念やったわ。
舞:
攻めてたんだけど、ことごとく上手くいかなかったね。
あすか:
この前サッカーのファンを対象にした心理学の研究があったけど、選手のメンタルも気になるわ。
舞:
じゃあ今日はサッカー選手への声かけによって、PKの成功率が変わる話を見ていこうか。ちなみにこの動画はスペイン対ドイツを見ながら作ってるらしいよ。
あすか:
まさかの当日作成。
舞:
プレスナーらは、選手の個性に応じた指示の仕方の研究を行いました。ドイツのリーグの選手たちにPKをしてもらう実験です。
あすか:
ドイツってことは、かなりハイレベルということやな。
舞:
コーチが選手に対し、2通りの指示を出します。A:PKを5回蹴って、最低でも3回成功させよう。B:PKを5回蹴って、2回以上ミスしないようにしよう。
あすか:
言い方は違うけど、意味は同じやな。要は成功を3回以上、失敗は2回までってことか。
舞:
さて、指示の仕方でPKの成功率は変わるでしょうか。
あすか:
ドイツでプレイしてるすごい選手たちやろ? 言葉がけくらいで変わらんやろーと言いたいけど、この前、しないではなく、したいという接近目標の方がいいと学んだから、Aの方が成功率高いんちゃう?
舞:
半分正解だけど、半分間違いだね。
あすか:
どういうこと?
舞:
3回以上成功しようという言葉がけが有効なのは、達成や報酬に目がいく選手たちなんだ。この人たちは成功に目を向けさせた方がPKの成功率が高い。
あすか:
じゃあ、失敗に注目させる言葉の方がええ選手もいるんか?
舞:
そう。回避すべき危険や責任などに目が行く選手たちは、失敗を2回までと声をかけた方がパフォーマンスが良くなる。
あすか:
どちらかというとネガティブ思考やけど、その方が成果を出す選手がいるんやな。
舞:
失敗するかもしれないとネガティブに考えるからこそ、頑張れるタイプの人たちだね。
あすか:
ひたすらポジティブにすればええ訳やないんやね。
舞:
最近はとにかくポジティブになろうみたいなことがよく言われるでしょ?
あすか:
意識高い系パリピが言いそうなイメージやわ。
舞:
一般的には間違いじゃないし、心理学者もポジティブポジティブ言ってるけど、人によってはそれがダメな人もいる。
あすか:
結局のところは、個人差があるもんな。
舞:
もっとポジティブになろうよと思う人もいるけど、ネガティブで成功してる人はそれでいいんだ。
あすか:
逆に言えばポジティブすぎて危ういと感じる人も、それで成功してるならそれでええんやな。
舞:
見方がそもそも違うからね。ちなみに同じ研究で、成功に目が向く人たちはストライカーが多い。失敗に目が向く人たちはディフェンダーが多いことも明らかになってるよ。
あすか:
めっちゃそんな感じがするわ。
舞:
研究のまとめ。1、成功に目を向けるのが良い人がいる。2、失敗に目を向けるのが良い人もいる。3、それぞれの見方を尊重して、声をかけるのが大切。
あすか:
ポジティブでうまくいく人たちも、ネガティブでうまくいく人たちもそれぞれの考え方を大事にしたいな。
舞:
絶対的な正解はないことを忘れないようにしたいね。
選手自身をよく観察し、各々に合ったアドバイスをするのが、選手を成功に導くコーチング術なのかもしれませんね。
この解説をノーカットで聞きたい方はぜひ動画を視聴してください。
『【心理学】常にポジティブに目を向けさせるのは正しいか? サッカーのPKで実験!【VOICEROID解説】』
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