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ニコ生とライブ会場の一体感はどうやって作ってる? 超パーティーMC・百花繚乱にその極意を聞いてみた

気持ちの壁を無くすことで、面白いコメントが生まれてくる

──生放送の場合は放送を見ている方という一方向に意識を向ければいいけど、イベントの場合は目の前にいるお客さんと画面を通して見ているお客さん、双方向を見なくてはいけませんよね。これってなかなか難しいんではないかと思うんですが……。

繚乱:
 それがそうでもないんですよ。どこで見ているかというだけの違いで、見て楽しんでいるという部分では同じなんで、個人的には距離感もまったく変わらないんです。僕も画面を通して見ている側だったんで、今どういう気持ちでコメントを打っているのかって感覚が分かるから、会場で面白い反応があれば応えるし、コメントがあったらピックアップするし……っていうくらいの気持ちです。

 あまり深く考えずに、「面白いことがあったらみんなで共有する」くらいの認識で喋ってますね。

──きっと会場にいる人と生放送を見ている人のハブ的な役割を繚乱さんが担っているんでしょうね。

繚乱:
 ありがとうございます。距離感的には同じって言いましたけど、例えばコメントで参加しやすいように、ちょっと工夫しているところはあるんですよ。

 生放送を見ている人たちの中には、「コメントを書きたいけど、何を書いていいのかわからない」という人が結構いるんです。なので、「888・・・」をして欲しいタイミングで「拍手!」と言ったり、面白いことがあったら「笑コメ書いて!」って言うとか、「書いて」と言葉に出すようにしています。

超パーティー2016のオープニング。ニコ生視聴者に「今日の朝ごはん書いて」と呼びかける繚乱さん。画面は「パン」「おにぎり」「すき焼き」といったコメントで溢れた。

──コメントを書きやすくなるように意識しているんですね。

繚乱:
 そう。「何を書いてもいいんだ!」と思ったら、みんな本当にしょうもないことを書きはじめるんですけど、そのしょうもないことが一番面白いんですよ! それで、そうやって自分が打ったコメントで会場が笑ったら、すごく参加している気持ちになれるじゃないですか?

 むしろ、今「参加している気持ち」とは言いましたけど、生放送を見ている人だって元々ずっと参加しているし、会場にいる人たちと一緒なんですよ。だからまずは、そのことを実感してもらいたいんです。

 コメントを書いて、みんなで一緒に拍手すれば仲間意識ができるし、 みんな仲間だと思えば好き放題書ける。そうやって気持ちの面での壁を無くしてあげることも、MCとしての役割かなと考えています。

──では、超パーティーの会場内で、特に意識を向けていることはありますか?

繚乱:
 ニコニコはイベント会場に来る人が目立とうとするんですよね。みんな自己顕示欲がめちゃくちゃ強い(笑)! そういう 目立ちたがり屋が多いからこそ、その人たちがいかに目立つことをしているか、ちゃんと見るように意識しています。実際、そういった人たちが、次のスターになることも結構ありますからね。

 超パーティー2016の時、誰でもステージに上がって歌っていいですよというコーナーをやったんですけど、「誰かステージに上がる奴はいねえか?」と言った時に、巫女の服を着てオタ芸をうち始めた女の子にパッと目がいったんですよ。

 「 なんだ こいつは!」 と思って、「君、面白いからステージに上がって歌ってよ!」と言ったら、何の打ち合わせもないのに綺麗に音を合わせるし、声も良いし可愛いし、ちゃんとパフォーマンスをするわけです。「やっぱりスターは客席内にもいる!」 というのを見せつけてくれた出来事だったし、これこそニコニコだなって思いましたね。

「【公式】ニコニコ超パーティー2016ダイジェスト ※ネタバレ注意」 より

超パーティーはイベントそのものに物語がある

──第1回からずっとMCとして参加してくださっている繚乱さんから見て、超パーティーの変わったなと思うところ、変わらないなと思うところはそれぞれどういったところでしょうか。

繚乱:
 変わらないなと思うのは、超パの世界。超パには「超パの世界」があるなと思うんですよ。他のニコニコのイベントとも全然違うじゃないですか? ニコニコのイベントの中でもストーリー性を重視してるのが超パーティー。イベントそのものに物語がある感じですね。

 ひとつの世界観に、いろんな演目をのっけてゴールに向かわせ、そのゴールで得たバトンを、次の超パーティーに渡していくというスタイルは、最初の超パーティーから一貫して変わらない。超パーティーは超パーティーの世界観で、ずっと歴史を刻んでいるという感じがします。

 だから「演者個人を見に来る」って人よりも、「超パーティーが好きだから行く」という人の割合が多いんですよね。誰が出るかはわからないけど超パーティーの空気が好きだからすぐにチケットをとった、という話を結構聞きます。

「【公式】ニコニコ超パーティー2016ダイジェスト ※ネタバレ注意」 より

直前に決まった『ボーカロイドたちがただ叫ぶだけ』のパフォーマンス

──その空気を作り上げるうえで繚乱さんが担っている部分も、すごく大きいと思いますよ。超パーティー2016の『ボーカロイドたちがただ叫ぶだけ』のステージはすごかった。あれは最早MC屋さんの域を大幅に超えていますよね。

繚乱:
 あれ、1週間前にやって下さいって言われましたからね!

──そうなんですか!?

繚乱:
 1週間、いや、もっと短かったかな……。スタッフさんからいきなり「繚乱さん、ひとつ演目やってもらっていいですか?」って言われて。「演目って何だ、MCかな?」って思ったら、「いや、歌ってください。」ですよ。もうバカじゃないのかと(笑)! 会場のみんなが声を出すパートが少ないってことからの話だったんで、「じゃあやりましょう!」ってことで決まったんですけどね。

──「あれが去年1番印象に残っている」という関係者の方もいらっしゃいましたからね。ここまでのことがやれてしまうなら、もう繚乱さんに出来ないことはないんじゃないかと(笑)。

繚乱:
 過去にいろいろなムチャぶりを受けてきましたから、やらざるを得なくなったら何でもやりますよ。超パーティー3では熱湯風呂にも入れられましたし(笑)。

 でもね、超パーティーに関していえば、僕もひとりで騒いでいる一(いち)ニコ厨でしかないんですよ。だから僕、実は超パーティーではそこまで「MCをやっている」って感じがしていなくて。ひとりのお客さんとして、「次は何やる? 何やる?」 みたいな感じで楽しんでいるからやれる部分もあるのかもしれないです。

──そこでも「みんなと同じ目線で一緒に楽しむ」が軸にあるんですね。その考えに基づいてか、ステージ裏でもスタッフや出演者の皆さんに話しかけたりと、いつも良い空気を作ってくださっていますよね。

繚乱:
 MCとしていい空間を作ろうって思いもありますけど、やっぱりそこもニコ厨なんで、「好きなニコニコを作ってる人たちがいるなら話してみたい」って気持ちがいちばんですよ。

 だって僕自身は何もできませんからね。歌も歌えないし踊りも踊れない、何かパフォーマンスができるかと言われたら、途中で投げ出した手品ぐらいしかない。だから「何かが出来る人」へのリスペクトがあるんですよね。それで自然に話しに行っちゃうんです。

 それに、そこでしか聞けない話なんかもあったりしますからね。面白い話が聞けたら「この話ステージで喋ってもいいですか?」って聞いて、みんなと共有する面白さもある。スタッフさんとの話でも、「裏ではこういう出来事もあってね」って話が出てきたりするじゃないですか。そういう話を知ってもらうことで、みんなにも一歩踏み込んでもらえたりするのが、また楽しいんですよね。

──2015年辺りから、繚乱さんのコメントいじりが、もの凄くパワーアップしているように見えるのですが。

繚乱:
 本当ですか? それは間違いなく超会議と超パーティーの併催がなくなったからです(笑) カロリーの消費が半分になってエネルギーがあるから(笑)。

──超会議も引っ張りだこですもんね。

繚乱:
 おかしいですもん、本当もう。声枯らしまくりましたし。よくこれ同時に作るなって。(2015年に)「今回から別だから」って言われたとき、本気で喜びましたもん。「やった!」って。

──さっき言った『ボーカロイドたちがただ叫ぶだけ』とかもそうですし、年々ハードルを上げていってるというか。これは意図してなんですか?

繚乱:
 いや、振り回されてるだけです。ニコニコって、昔は何やっても面白い時期ってあったじゃないですか。「次はこれをしよう、次はあれをしよう」ってだんだんハードルを上げていくうちに付いてこれる人間が減ってくるっていう。無茶振りをやらせてもらってる中で「お前残ってるな、残り物同士一緒にやろう」って声かけてもらえるっていう。

──超パーティー、ここが変わったなと思うところはありますか?

繚乱:
 出演者の皆さんも感覚が変わってきているところは多少あるのかなと思います。最近はニコ厨というよりアーティストといいますか。

 昔の超パーティーの楽屋は「一緒に作っていこう」という感じで、誰かが出るときは「よっしゃ行ってこい! 頑張れ!」って送り出して、みんなでモニターを見ながら盛り上がっていたんですけど、今はそれぞれ楽屋でみんなが演目の準備をしていて、他の人の演目を見られない人も増えちゃって。そこはちょっと変わっちゃったなと思うところですね。

 人前に出すものとしてより高いものを、いいものをと考えると、プロに行った方々、ニコ厨出身の方々の演目を見るのも大事ですが、やっぱりニコニコのお祭りなんで、ニコ厨としての心を忘れないで欲しいなと、正直少し思うところはあります。

──普段、ニコ動、ニコ生で個々に活動している人達が、せっかく集まってひとつのイベントを作り上げる日ですからね。

繚乱:
 ニコニコって一体感の世界じゃないですか。根本的には「今ある出来事を一緒に面白おかしく笑おうぜ、バカみたいに一緒に楽しもうぜ」という気持ちだけなんですよ。

──超パーティーはまさにそれを体感できる場所ですよね。

繚乱:
 そうですね! それに今回の超パーティー前にクレッシェンド(niconico(く))が始まるじゃないですか。10月末にクレッシェンドが始まって、その直後の大きなお祭りだから、いろんな人達が「俺たちこれからこういう事をやっていくぜ」って言える場所になるんじゃないかと思っているんです。そういう意味でも、今回は期待感が高いですね。

 あとは、やっぱり超パーティーってニコニコを知っている人だけが集まる場所なんで、何を喋ってもみんなわかってくれるし、やりたい放題できる。そんなみんなとまた一緒に騒げることも、すごく楽しみにしています。


歌ってみた・踊ってみた・ボカロなど、ニコニコのライブイベントが詰まった「ニコニコ超パーティー」、2017年11月3日(金・祝)に開催されます。百花繚乱さんが語った会場とニコ生の一体感、ぜひ体感ください!

▼チケット購入はこちら
http://choparty.jp/ticket/

ニコニコ超パーティー公式サイトはこちら

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