ニコ生とライブ会場の一体感はどうやって作ってる? 超パーティーMC・百花繚乱にその極意を聞いてみた
歌ってみた、踊ってみた、ボカロなど、ニコニコのカテゴリが集結したユーザー参加型の超巨大ステージ『ニコニコ超パーティー』。ニコニコ超パーティー2017の開催に合わせて、超パ出演者の方々にステージ・生放送・動画投稿が組み合わさった「ニコニコのライブエンタメ」について話を聞くインタビューを敢行。
第一弾は、あらゆるジャンルから出演者が集結するニコニコ超パーティーのMCを第1回から担い続けている、自称・インターネット出身のMC屋さん、生主としても活動している百花繚乱さん。誰よりも近い場所で見てきたからこそ話せる、超パの移り変わり、自身が考えるMCとしての役割、会場・生放送視聴者すべてで一体感を作り上げるために考えていることなど、MCという目を通して彼が見続けてきた『ニコニコ超パーティー』について語ってもらった。
取材・文:松永麗美
撮影:荒川れいこ
編集:サイトウタカシ
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生主になったきっかけはトークの練習
──繚乱さんがニコニコ公式のMCを始めたのは、何がきっかけだったんでしょうか。
百花繚乱(以下、繚乱):
僕が上京したのはニコニコミュージカル(『ニコニコ東方見聞録』)の出演が決まった時だったんですけど、上京して「何か仕事ないかな」って思いながらフラフラしている時に「公式放送の手伝いをやってみない?」って声をかけていただいたんです。
そこでお手伝いとして裏方作業をやっているうちに『ニコラジ』という番組が始まって、その時に「生主なんだし、ちょっと喋ってみたら?」と話を振っていただいて。そこから進行やアシスタントをやらせて貰うようになったことが、きっかけでしたね。
──もともと生主とか動画投稿とかやってらっしゃったから、お話すること自体は、お好きなんですよね?
繚乱:
僕は元々マジシャンになりたかったんです。地元の広島では結構ステージとかもやらせてもらってたんですけど、全然お客さんが来なくて…….。
「どうしよう! トークの練習をしなきゃ!」というタイミングでニコニコ生放送というサービスがはじまったんです。元々ニコニコが好きで結構見てたし、練習にもなるしちょっとやってみようかと。そして始めたら楽しかったんですね。
生放送はそこから始まったんですが、マジックのステージで客が来ないのはどうしよう? というのは解決していなかったんですね。
それを先輩に相談した時に「おまえ、女顔だからオカマジシャンやってみたら?」といわれたんです。でも、いきなりやって滑ったらシンドイしニコ生で試してみたんです。そうしたら予想以上にいっぱい視聴者が来たんですよ!
当時は顔出しの女の子とかいなくて、物珍しさにアクセスしたら「おまえ男じゃねえか!」「なんか変な奴がいるぞ!」と釣られた人の間で話題になって。しゃべりの練習もできるし、面白いこともできるし、ニコニコ生放送は楽しいなあと思いながら活動をしていました。
第1回超パは大変すぎて全く覚えていない!
──超パーティーでは第1回目から司会を担当していただいていますが、第1回当時の事って覚えていますか?
繚乱:
全然覚えて無いです! もう色々詰められ過ぎていて、まったく覚えてないんですよ! だっておかしくないですか? 超会議と超パーティーが同時開催、しかも2日間ですよ!?【※】
そんな状況だったから、覚えていることと言えばリハーサルに朝までかかったってことと「脳みそが動かなくなってくるっていうのは、こういう感覚なんだな」って思ったことくらいです(笑)。あと、「やっぱり幕張メッセという大きな舞台が全部ニコ厨で埋まるっていうのはすごいことだな」とは思いましたね。
※2012年の第1回から2014年の第3回まではニコニコ超会議との同時開催。2015年以降はさいたまスーパーアリーナに会場を移して、ニコニコ超会議と別日程で開催されている。
──最初は緊張しましたか?
繚乱:
多少は。でも結局集まっているのはニコ厨ばかりだし、それってつまり友達しかいないってことだなと思ったら緊張しなくなりました。
──ホーム的な感覚ですね。そして第2回からはメインMCとして超パに参加されるようになって。
繚乱:
第2回からは演目も出演者も増えたので、覚える事がいっぱいありましたね。だけど第1回を経験していたからこそ活かせた部分もかなりあったんですよ。
第1回の時に、本番でトラブルがあったんですよね。その時もリハーサルには参加していたんですけど、やっぱりどこで何があっても対応できないとまずいなと思ったんで、第2回からはリハーサルから全ての演目を見ることにしたんです。僕自身が超ニコ厨だから「本番中忙しくて見られない分も全部見ちゃえ」と思って見始めたのもあるんですけど、そうやって本番に臨んだ結果、第2回ではトラブルが起こった時もすぐに気付いて対処できました。
──どんなトラブルだったんですか?
繚乱:
海外から来られた方の演目の時にマイク関係でトラブルがあって、そのまま音が入らない状態で歌う状況になっちゃったんですよ。でもリハーサルを見ていたからすぐにこれはダメだって気付いて、自分の判断で「スミマセン、やり直します!」と入っていって、再度やり直して貰ったということがありました。
僕自身も、リハーサルでその方の演目を見て、すごく楽しみにしていたんですよ。「日本に来て歌詞を聴いてもらえたり歌えたりすることがすごく楽しみだ」と言っていたし、中途半端な思いはさせられませんからね。ここで、演目に対する思い入れがグッと変わりました。
──ひとりひとりにとって、そのワンステージがすべてですからね。
繚乱:
そうなんです。だからその時間の中で、主演者、見ている人達みんなに、いかに楽しんで貰うかということをすごく考えるようになりましたね。