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コンビニのレジ横ドーナツはなぜ消えた? コーヒー成功に続くはずだったドーナツが失敗した理由を解説

 今回紹介するのは、ニコニコ動画に投稿された『【コンビニドーナツ】レジ横のドーナツが消えた驚きの理由とは?【ゆっくり解説】』というゆっくりルーザーズさんの動画。
 コンビニのレジ横で販売されていたドーナツがいつの間にか消えた理由について、音声読み上げソフトを使用して解説しています。


■ドーナツを食べたい層が日本には少なかった?

霊夢:
 あー、甘いもの食べたい。なんか知らないけどとにかく甘いものを食べまくりたい。

魔理沙:
 ならすぐそこのコンビニでお菓子でも買ってくればいいんじゃないか?

霊夢:
 なんかもっと本格的なものを食べたい気分なんだよ! ん? まてよ? そういえばコンビニってドーナツ売ってなかった?

魔理沙:
 ああ、あったな。

霊夢:
 違う違う! こういうやつ!

魔理沙:
 いや待て霊夢、そのドーナツは多分もう売ってないんじゃないか?

霊夢:
 え? そうなの? 言われてみれば確かに最近見ないような……。一昔前はレジ横でどっしり構えてたような気がするんだけど。

魔理沙:
 そうだな。コンビニドーナツは2014年、セブンイレブンを中心にコンビニで販売されるようになったが、鳴かず飛ばずのまま各社撤退してしまったんだぜ。

霊夢:
 そ、そうだったんだ。一度食べたことあるけどミスドに勝るとも劣らない味で美味しかった印象があるのに。

魔理沙:
 私もセブンイレブンのドーナツを食べたことがあるが、本格的なドーナツで美味しかった覚えがあるんだぜ。

霊夢:
 だよね。いったいなぜコンビニドーナツは上手くいかなかったんだろう。

魔理沙:
 それじゃあ今回は、ドーナツ業界を震撼させたコンビニドーナツがどういうわけか浸透しなかった理由について解説するぜ。

霊夢:
 よろしくお願いします。

魔理沙:
 コンビニドーナツが失敗したのは、コンビニチェーン各社が、ドーナツ市場の潜在市場規模を見誤ったことが最大の理由だと考えられるんだぜ。

 わかりやすく説明するために、そもそもなぜコンビニでドーナツが販売されるようになったのか、というところから話を始めるぜ。

霊夢:
 よろしくお願いしますぅ。

■なぜコンビニでドーナツが販売されるようになったのか

魔理沙:
 コンビニがドーナツの販売を開始したのは2014年ごろだが、ドーナツ販売に踏み切ったのには、それ以前のコンビニコーヒーが大成功したことに起因しているんだぜ。

霊夢:
 コーヒー??

魔理沙:
 そうだ。2008年、日本マクドナルドが「プレミアムローストコーヒー」を販売・成功させ、それに触発されるようにして、2009年にサークルKサンクスが本格的にコーヒー市場に参入した。

霊夢:
 へえ。サンクスがねえ。

魔理沙:
 サンクスの市場参入を皮切りに、ローソン、ファミリーマートとコンビニ各社が次々にコーヒー販売を開始。ついには2013年、最大手のセブンイレブンもコーヒーを売り始めたことで、コンビニ各社のコーヒーは大ヒットしたんだぜ。

霊夢:
 そうなんだ! 意外にもセブンが一番最後なんだね。

魔理沙:
 近年のコンビニコーヒーブームにおいてはな。実はセブンは1983年から4度にわたりコーヒーの販売を試みたことがあったが、オペレーションの問題ですべて失敗に終わっていたんだ。

霊夢:
 そんな歴史が!

魔理沙:
 最後発ではあったが、焦らず2年間の開発期間をかけて万全を尽くし発売されたのが「セブンカフェ」だった。

霊夢:
 それはおいしいわけだね。「セブンカフェ」はコンビニコーヒーの代名詞的存在なんだからすごいよ。でもそんな風にコンビニでコーヒーが売れるようになると、スタバとかドトールとかのカフェは売り上げが落ちて大変だろうね。

魔理沙:
 ところがそういうことにはならなかったんだぜ。

霊夢:
 え?

魔理沙:
 コンビニのコーヒーはコーヒー専門店に負けず劣らずの味で、価格も安く、手軽に購入できるという点でコーヒーチェーンにとっては大打撃になるかと見られたが、実際にはコーヒー市場全体が拡大したことで、売り上げの奪い合いにはならなかったんだ。

霊夢:
 そんなことがあるんだね。

魔理沙:
 つまりこういうことだ。コンビニでコーヒーが提供されるより前、日本ではコーヒー需要が拡大しきっていなかった。美味しいコーヒーを飲みたいけどわざわざカフェに行くほどではないと思っている人たちがたくさんいたというわけなんだぜ。

霊夢:
 なるほど。

魔理沙:
 さて、長いことコーヒーの話をしてしまったが、ドーナツの話に戻ろう。

霊夢:
 そうだ、今回はドーナツ回だった。

魔理沙:
 コンビニコーヒーの大成功を受けて、セブンイレブンを中心としたコンビニチェーン各社はこう考えた。「コーヒーが……。

コンビニドーナツ:
 コーヒーが売れたってことは、コーヒーと一緒に小腹を満たせるドーナツもいけんじゃね?

霊夢魔理沙:
 こ、この声は?

コンビニドーナツ:
 どうも、日本のドーナツ業界に新たな風を吹かせてやりたい。コンビニドーナツです。

魔理沙:
 日本ではドーナツチェーン店がミスドとクリスピークリームドーナツくらいしかなく、本格的なドーナツを食べるにはわざわざそれらの専門店に足を運ばなければいけない。これはコンビニコーヒーが登場する前のコーヒー市場と同様の状態とも言える。

霊夢:
 おお! そんなドーナツをコンビニで販売すれば!

コンビニドーナツ:
 コンビニコーヒーの市場規模は約2000億円と言われているんだよ。2000億円分のコーヒーのお供にドーナツはいかがですかあ?

魔理沙:
 ……というような目論見でコーヒーサーバーの横に様々な種類のドーナツを並べたコンビニだったが、

霊夢:
 だったが?

魔理沙:
 結果はイマイチだった。
 販売開始当初こそ、コンビニでドーナツが買えるという目新しさと、割引クーポンなどの存在もあってそこそこ売れたが、時間が経つにつれ売り上げ規模は縮小していったんだぜ。

コンビニドーナツ:
 い、いったいなぜ?

霊夢:
 それって……ドーナツの「潜在市場規模」を「見誤った」……ってコト⁉

魔理沙:
 そう。霊夢に最初に説明した通り、コンビニドーナツ失敗の原因はそこに尽きるんだぜ。潜在市場規模、つまりドーナツを食べたいと思っている人は、日本にそれほど多く無かったということだぜ。

コンビニドーナツ:
 うそでしょ……! コーヒーとドーナツなんて相性ピッタリなのに……!

魔理沙:
 ここでコンビコーヒー成功談に話を戻すぜ。コンビニ各社がコーヒー販売を開始し、その売り上げは年間2000億円以上とも言われている。ところがさっきも説明したように、不思議とコーヒー専門店の売り上げは落ち込まなかった。

霊夢:
 それはコンビニコーヒーの登場によってコーヒー市場自体が拡大したからという話だったよね。

魔理沙:
 その通りだぜ。一方のドーナツだが、コンビニドーナツが登場した直後、そこそこ売り上げがあった際にドーナツ専門店がどうだったかというと、実はミスドの売り上げは減少してしまっていたんだぜ。

コンビニドーナツ:
 ハッ……それって……!

魔理沙:
 そこにコーヒーとドーナツの大きな違いがあるんだ。

霊夢:
 ほうほう。

魔理沙:
 他にも、クリスピークリームドーナツが日本上陸したとき、出店当初こそブームにすらなったクリスピークリームドーナツだったが、やはり時間が経ち飽きられてくると、ピーク時の2015年の64店舗から現在は50店舗に減少してしまった。

霊夢:
 そうなんだ……。

魔理沙:
 日本はドーナツ市場の9割を占めるミスドの存在だけで、国民のドーナツ需要はほとんど満たされている国だというわけなんだぜ。そもそもの話だが、実は業界最大手のミスドですら、近年は赤字に苦しんでいたんだぜ。

霊夢:
 え、そうなの?

魔理沙:
 ミスドの売上高はこの10年で3割減少。2018年から2021年の4年で約200店舗を大量閉店した。

霊夢:
 そうだったんだ……。

魔理沙:
 もっとも、最近はこの厳しい状況を持ち直すために有名シェフとのコラボや、新商品開発に力を入れてなんとか業績は回復しつつあるんだけどな。

霊夢:
 ミスドですら普通にドーナツを売るだけじゃ厳しい時代なんだね。

魔理沙:
 そういうことだ。コンビニコーヒーが現れた時、コーヒー市場は拡大した。同様にフライドチキンがコンビニで販売されるようになった時、こちらも市場が拡大した。

 しかし既存のドーナツチェーンですら業績不振に苦しんでいるほど飽和しかけているドーナツ市場にコンビニチェーン各社が入り込む隙間はなかった。結果として市場規模を見誤ったコンビニは次々にドーナツから撤退したというわけだったんだぜ。

コンビニドーナツ:
 そういうことだったんだ……。

霊夢:
 ある意味では最もシンプルな理由で失敗したと言える話だね。

魔理沙:
 そうだな。コンビニがドーナツを売り始めた時、一部では「ドーナツ戦争」が始まったとも言われていた。しかし、戦争で生き残ったはずのミスドすらも赤字だった。つまりドーナツ提供会社たちは、元々何もないところで戦っていたんだぜ。

コンビニドーナツ:
 ハハ、笑えるだろ……。笑ってくれよ……。

霊夢:
 でもコーヒーがそうだったように、もしかしたらコンビニでドーナツを販売したことで新たな需要が見出される可能性もあったはずだよね。

魔理沙:
 そうだぜ。実際に上手くいくかどうかはやってみなければ誰にも分からない。そういう意味では積極果敢に新たな市場開拓を試みたコンビニはやはり凄いんだぜ。

霊夢:
 うまくいかないと見るや、早期にドーナツ販売から撤退しているのもすごいよね。

魔理沙:
 そこはある意味専門店じゃないことの強みとも言えるな。

コンビニドーナツ:
 そ、そうかな?

魔理沙:
 この話から学べることは、何か新しいことを始めるなら、事前にわかっている情報から成功可能性を予測すべきであり、もし可能性が低い中チャレンジしたとして、それが失敗したなら早めに手を引くべきだということだな。

霊夢:
 良いこと言うね!

 

 コンビニドーナツがいつの間にか消えてしまったのは、コンビニチェーン各社がドーナツ市場の潜在市場規模を見誤ったことが主な要因のようです。日本では市場規模が小さかったことが背景にあったんですね。
 解説をノーカットで楽しみたい方はぜひ動画をご視聴ください。


▼動画はこちらから視聴できます▼

【コンビニドーナツ】レジ横のドーナツが消えた驚きの理由とは?【ゆっくり解説】

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