【ボカコレ2023夏投稿作品】ボカロP 凪ヤナリ 渾身の一作!繊細で凛とした星界の歌声が最後まで聞き逃せない1曲『仮面に咲く』
初音ミクやCeVIO AI音楽的同位体を主に従え、これまでに数々のオリジナル楽曲を発表してきたボカロP・凪ヤナリ。
そんな彼がボカコレ2023夏参加曲として投稿した渾身の一作が、星界を用いた「仮面に咲く」となる。
文/曽我美なつめ
「ミュウヂアム」「Pilgrim」「かぞえうた」に引き続く星界使用曲ともなった今作。
サウンドのテイストが変われど、どこかに繊細さや仄かな退廃を滲ませる彼の楽曲は、一言で言えば非常に星界の声とのマッチングも抜群だ。
映像面でこれまでに採用してきた繊細でアーティスティックなイラストレーターの作品の印象とも、その雰囲気はぴったりマッチしている。
凛とした響きでありながらも、他のCeVIOと比較するとやや線の細い声質を特徴とする星界。しかしそんな彼女の声も分厚い音像のオケに埋もれさせることなく、ダイナミックかつ繊細な楽曲として全体を作り込んでいる点はさすがの手腕と言えるだろう。
これまでにも従来曲で度々用いてきたエレクトロスウィングの曲調をメインに据えつつも、Bメロでは束の間、やや重心をロウに据えたロックテイストへの曲展開を巧みに行い、リスナーの興味もしっかり捉えて離さない。
やや硬い語感ながらも華やかで文学性を感じるサビのリリックも、フックラインとしての役目を十分に果たしている。
歌唱本編が終わった後も、さらにアウトロで厚みのあるサウンドを携えたまま三拍子へと展開。最後の最後まで曲を作り込み、リスナーを飽きさせまいとする気概を感じるアレンジだ。
この1曲でも十分すぎるほどに、凪ヤナリというボカロPの秘める音楽的ポテンシャルがあちこちから垣間見える。一聴ののち、そんな満足感をしっかり味わえる楽曲ともなっている。
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