「オフラインの遊び=贅沢」の時代に突入か。20代の外出回数が70代を下回る結果に。「引きこもり」自認する20代は6割超
社会人の移動実態を民間企業が調べたところ、1カ月の外出回数は20代が最も少なく、70代を下回る結果が出ました。さらに「自分は引きこもり」と認識する人も20代は6割を超えた、と発表しています。
これを受けて漫画家の山田玲司氏は番組アシスタントの乙君氏としみちゃん氏に、若者が外出や消費に意欲的にならない原因は、戦後から更新されていない学校教育のシステムにあると解説します。
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何をするにしても外出は金がかかる
山田:
リアルな意見を言うと、年寄りが出歩きすぎだろう(笑)。
乙君:
意外と30代が外出してます、要は外出とはなにかというと通勤、買い物、外食、美容、運動、娯楽、教養、通院とか18項目の頻度を調査しているので。
山田:
若者はお金がないもんね。みんなそうだよ。
乙君:
仕事もそうだし、娯楽というだけではないんですよね。年代別で言うと30代が一番外出していて1か月に49.1回。一度家に帰ってきて、それからもう1回出て行くというようなことですね。
70代が40.8回、20代が37.3回ということで……。いろんな項目があるんですけれども、外に出るということ自体が少ない。玲司さんはこれはどう思いますか。
山田:
何したって金がかかりすぎだよ、ちょっとお茶をするのでも金がかかるでしょ? コンビニでお茶買って公園で飲むにしてもひと工夫しないといけないくらい。しかもそんな気の利いた公園がそこら中にあるわけじゃないじゃん。
乙君:
電車に乗るのもバス乗るのも、お金を使いますし……。
山田:
移動もそうだな。そうまでして会いたい人がいるのか、というコミュニケーションの問題になってくる。
乙君:
なるほどね。じゃあ家でアニメとか見ていたほうがいいや、と。
山田:
パソコンを起動したら、俺の気に入った奴らだけが、ネットでログイン中となっているわけだ。「元気? ゲームでもやらない?」となるのもわかる。俺の周りでわりと有名なドラマとかに出ている俳優さんの話で、俳優同士で、ずっとFPSやってるって言っていた。
戦争ゲームをオンラインでやりながら、オンラインで「台本がさー」とか言ってるそうだから、華やかそうに見える人たちも同じスタイルになっていると思う。
乙君:
俺は昔、学童で働いていたんですけど、休日にたまに公園を歩いていると子供たちに会うんですよ。何をやっているかというと、DSでポケモンをやっていたりするんですよね。
だから結局、公園に集まってゲームをしているから家と一緒じゃないかよ、みたいなことも起こっているんです。外出という概念も、ちょっと変わっちゃっているんですよね。
結局外に出たほうが内にこもるときに楽しくなる
山田:
俺はオフラインがこれから贅沢になっていくんだと思うよ。会っていてもどこかオンラインだからね。次のステージはオフラインが一番贅沢になってくるし、リア充と言われるだろうね。
乙君:
バーベキューするとか。
山田:
当然、そういう連中になれるかどうかもあるだろうし。
乙君:
俺は、引きこもっている人が全員アニメ見ているだとか、ゲームやっているとかではないと思うんですよ。
山田:
あと全員が外出してないわけではないよ。ちょっとは出たりするよね、友達もいるはずなんだよ。
乙君:
結局外に出たほうが内にこもるときに楽しくなるというのがあって、それはギャップがあるから面白いのではないんです。俺が小説を本格的に読み始めたのは20代前半なんですけれど、読んでいくときに、たとえば川端康成を読んだとして、風景描写がいっぱい出ているんですよ。
それを言葉だけで感じているのと、『雪国』を読んで実際に越後湯沢に行きました、とか。つまり経験がなければ感じられないものは、やはりあるんですよ。
外出しなければ、予期せぬことと出会うこともないんですよ。アニメとか漫画とかで入れた知識だと、においも温度もバーチャルなものだから実感というものがない。そのままそれを得ていくと、小っちゃくなっちゃうというか……もったいないと思うわけです。
しみちゃん:
乙君が言ったみたいに、コンテンツを見ているときのような展開の予期せぬことではない、誰かが関わってくる予期せぬことは外じゃないとないんじゃないかなと思います。僕も疲れたときはこもりたいと思うので、そのときはずっと携帯をいじっていますね。