会話が困難、皮膚が腐ってる…その症状、もしかしたらゾンビかも。生きてる間に読んでおくべき、明日から使える『ゾンビの作法』
未曾有の「ゾンビ災害」の対策を真面目に考える『ニコニコワークショップ』が開催されました。前回までのワークショップではゾンビウイルスに感染しないように日常の防災・危機管理にも活かせる多くのサバイバルスキルが紹介されました。
今回は不幸にも「ゾンビウイルスに感染してしまった場合」に役立つスキルを、第三章「感染編」として、『ゾンビの作法 もしもゾンビになったら』の翻訳を担当した兼光ダニエル真さんが講師として、ゾンビライフをエンジョイするための「ゾンビの作法」をゲーム実況者のコジマ店員さん、ドグマ風見さんに紹介しました。
ゾンビに遭遇したときのサバイバルシリーズ
第1章「情報収集編」
日本で“ゾンビウィルス”が蔓延したらどう行動するのが正解? 危機管理のプロに『ゾンビ出現時に身を守る方法』を聞いてみた
第2章「撃退編」
ゾンビが出現したらマジでどうする? 信頼できる情報筋に“生き残るための心得”を聞いてきた
第4章「人間狩り編」
人間食べよっか。ゾンビの視点でまじめに考える「人間の正しい食べ方」
ゾンビと人間の見分け方「あなたもゾンビかも……」
コジマ店員:
さっそく「ゾンビとはなんぞや」というものの基礎を教えてください。
兼光ダニエル真:
こういう本が出ていまして、私が翻訳させていただいております。きょうは「オースティン流ゾンビ鑑定術」でお話を進めたいと思います。
兼光ダニエル真:
そもそも自分がゾンビか? ということを確認する必要があります。実はゾンビではないという状態が意外とありえます。
兼光ダニエル真:
不眠症、動き回るのが大変になった、億劫だというのも範疇に入ります。他人との会話が困難。
コジマ店員:
俺だ。
兼光ダニエル真:
最後の皮膚が腐敗しているというものも、変色しているというものも入りますね。
ドグマ風見:
僕、五つ当てはまるんですけれど……。
兼光ダニエル真:
ゾンビかもしれませんよ(笑)。次は、感情という名の重荷をすべて捨て去る。とにかくゾンビということに関して、人間界のしがらみを捨て去って、ゾンビライフを満喫するというのがゾンビの条件です。
兼光ダニエル真:
それと物忘れがひどいというもの。
ドグマ風見:
僕、しょっちゅうですよ。
兼光ダニエル真:
次の三つが重要です。頭以外撃たれても全く問題ない。そして「最近人間を食べてもおいしくない」「やっぱり脳みそを食べないと我慢できない」というものありますね。
ドグマ風見:
脳みそは食べたことないな。
コジマ店員:
かにみそくらいですね。
兼光ダニエル真:
あとは最近死んだ、というのが一番大事ですね。自分の胸に手を当ててちゃんと心臓が動いているか確認してください。
ドグマ風見:
僕、本名が風岡範明(かぜおかのりあき)っていうんですけれど、風岡範明としては死んだと思ってるから。だからある種、当てはまってるかも。ゾンビ化が始まっているのかな。
兼光ダニエル真:
ここでまた気をつけてもらいたいことがあります。ゾンビの見分け方というものです。
兼光ダニエル真:
ゾンビの真似をしているだけかもしれません。「にわかゾンビ」ですね。それを見極めるは非常に重要です。普通の人間が泥酔するとゾンビっぽくなりますからね。
ドグマ風見:
新橋駅にいるサラリーマンの中にゾンビが混じっているかもしれないですね。
兼光ダニエル真:
あとは病人もパッと見はゾンビに見えることもあるので気をつけたいですね。
ドグマ風見:
服装がきれいなゾンビもいるんですか。
兼光ダニエル真:
千差万別なんですよ。撃たれてゾンビになっちゃった人もいれば、長い間ゆっくりとウイルスが侵食したパターンもあります。他にも精神が錯乱しているパターン。ストレスが溜まりすぎちゃって、あっちの世界に行きたいみたいな人です。それと、なかなか見分けにくいのですが、悪魔憑きというものです。
コジマ店員:
悪魔憑きってなにですか。
兼光ダニエル真:
侮蔑語、わいせつ語をしゃべりまくり、首が360度曲がるような人は悪魔憑きです。大事なのは、ゾンビと違って食っちゃダメです。
コジマ店員:
ダメなんですか。
兼光ダニエル真:
悪魔の臭いはさすがにゾンビでも我慢できませんからね。他にもナノマシンを仕込まれていているものがありまして……。
兼光ダニエル真:
こんな感じになってしまっている人がたまにいます。ナノマシンが仕込まれている人間と、ゾンビの見分け方ですが、これは非常に簡単です。動きがカクカクしている場合はナノマシンが入っている可能性があります。
最後のなりすましゾンビは、このゾンビの作法の中でオースティンによる非常に素晴らしいアドバイスがあります。「あなたがなりすましゾンビを見つけたら、しばらく放っておきましょう」というものです。
ドグマ風見:
放っておく?
兼光ダニエル真:
はい。なぜなら、なりすましゾンビが「あ、僕たちちゃんと逃げられるんだ」と思い込んで、なりすましゾンビの真似をする普通の人間も出てきますので、そこで一網打尽にできるわけです。
ドグマ風見:
エサにするわけだ(笑)。
もしもゾンビになったら――ゾンビの身体的特徴
兼光ダニエル真:
ここで極めて重要な「ゾンビの責任」という項目を掘り下げていきたいと思います。
コジマ店員:
責任!?
ドグマ風見:
ゾンビに責任なんかあるんですか?
兼光ダニエル真:
あるんですよ。
兼光ダニエル真:
はい、税金を払う必要はございません。就職を気にすることもありません。ですから気に入らない上司や先輩を食い散らす権利があります。
ドグマ風見:
権利はないんじゃないですか(笑)。
兼光ダニエル真:
そこはポジティブにいきましょう。お金を気にすることもありません。重要なのは脳みそと血液です。生前のときにお金を四苦八苦貯めていたのは、意味がありませんでしたね。ダイエットも気にする必要もありませんから、女性のみなさんはゾンビになれば気にすることなく満喫できます。
ドグマ風見:
ゾンビ界では「ちょっと太ったら嫌だわ」みたいなのはないのですか。
兼光ダニエル真:
ありません。ゾンビ界はみんな平等ですから。
ドグマ風見:
やったじゃん、食べ放題じゃん! お腹とか気にしなくていいんだ。
兼光ダニエル真:
衛生管理も必要ございませんし、睡眠も必要ありません。24時間ずっと起き続けることができます。あと、煩わしいネット上の社交ですね。
ドグマ風見:
これだよ一番鬱陶しいやつ。
兼光ダニエル真:
空気を読むなんて、ゾンビには関係ないですから。ゾンビは優しい世界ですからね。では次にゾンビの体がどのようなものなのかを見ていきたいと思います。
兼光ダニエル真:
両腕があったほうが望ましいですね。足も必要です。胴体だけで起動するのは大変ですから。理想を言えば両足。片足だけでもいいです。それからゾンビとしては頭が必要ですね。ゾンビの基礎能力として、聴覚、視覚、嗅覚が必要です。少なくとも目が見えるというのが重要です。
ドグマ風見:
コンタクトレンズの人は大丈夫なんですか。
兼光ダニエル真:
大丈夫なんです。レーシックも必要ありません。なにしろ、ゾンビになると眼球の形が変わって目がよくなるんですよ。
ドグマ風見:
え! そうなの!?
兼光ダニエル真:
そしてゾンビとして視力のテストもあります。
兼光ダニエル真:
一番上が回避したほうがいいなというものです。消防士とか警察官とか。
コジマ店員:
こういう人に近づくなということでですね。話を聞いていて、ゾンビはたくさん食べるらしいですが、排泄はするんですか。
兼光ダニエル真:
するんですよ。
兼光ダニエル真:
こういう具合でちゃんと排出します。
ドグマ風見:
栄養をちゃんと取り込むんですね。ちなみにゾンビには寿命はあるんですか。
兼光ダニエル真:
だいたい人間の体をベースに組み替え直されてはいますが腐っているので、2年はなんとかいけるんじゃないかなと。
ドグマ風見:
割と短いんですね。でも腐っているから自分のことは臭くないんですか。
兼光ダニエル真:
重要ですね。ゾンビは嗅覚が発達しているので、人間のおいしい血液や脳みその臭いは嗅ぎ取れるんですが、それ以外はスルーです。
コジマ店員:
ゾンビは脳みそが好きなんですか?
兼光ダニエル真:
ゾンビにとって、ウイルスの栄養源を供給するのが重要なので、その点においては脳みそがナンバーワンなんです。脳みその献立というものもあります。そして肝心な獲物をどう捕まえるかという話もしないといけません。大事なポイントは24時間活動できるというところに有利なものがあります。
ずっと監視ができるんです。少しの物音でも見つけることができるかもしれません。まばたきしないゾンビとか普通ですから、煙が少し出ただけでも見つかるかもしれません。
コジマ店員:
ホームセンターとか学校とか病院とか……。
兼光ダニエル真:
シャッターが閉まっているところだと望みが高いですね。