ビットコインの先物上場で何が起こる?「商品先物になるということは原油や穀物程度には認められたということですね。」小飼弾が言及
「政府でやっているなら北朝鮮とか……」
山路:
「中国共産党がやっています」(コメント)
ビットコインの取引のことかな?
小飼:
共産党としてやっているんだろうか? 共産党の偉い人が、共産党に隠れてやっているんだろうか?
山路:
おそらく、後者だと思いますね。
小飼:
でも、政府でやっているなら北朝鮮とか……。
山路:
なにかやっていそうな匂いはちょっとあります(笑)。
小飼:
最後にどうやって決済するのか。例えば、ビットコインで儲かった、あるいはなにか買い付けたとして、持ってくるときに大変なんだよ。
山路:
アメリカのほうでは、経済制裁で口座とか閉じられていますね。
小飼:
その一方で、中国を通してしか輸出入を事実上できなかったけれども、ロシア金融でもある程度できるようになったという話もあります。
少数の所有者によってビットコインは操作されている?
山路:
今、各メディアで話題になっているのは、4割にあたる1,000人くらいのビットコイン多額所有者が、実は結託して価格とかをコントロールできるんじゃないかという記事なんです。
小飼:
理論的にはできちゃうでしょうね。
山路:
それはかなり通貨としては不安なことじゃないでしょうか?
小飼:
でも、通貨うんぬんではなくて、それを言ったら個人の財産とかもそうじゃないですか? そういう偏りというのはあるわけですよ。むしろ、4割に1,000人も必要なのかという、逆のことに驚いています。
山路:
本当はもっと少ないかもしれないと。サトシ・ナカモト【※】とかはとりあえず100万BTC持っているんですよね?
※サトシ・ナカモト
ビットコインプロトコルと、そのリファレンス実装であるBitcoin Coreを作ったことで知られる人物の称する氏名。本名であるか、そもそも個人であるかどうかを含め、正体は不明。
小飼:
持っているみたいですけれどもね。10人くらいで半分ほど持っているんじゃないかな。
山路:
この1,000人というわけではないんですけれども、先物市場もできるということで、すごい投資家がどんどん参入してくるじゃないですか。
例えば、『ソーシャル・ネットワーク』というFacebookの映画でも出てきたウィンクルボス兄弟【※】というのが、ビットコインの取引に乗り出すことで、もっと上がって、今の10倍、100倍にもなるといった景気のいいことが言われていますね。
※ウィンクルボス兄弟
兄のキャメロン・ウィンクルボスと弟のタイラー・ウィンクルボス。実業家、投資家。実在の人物であり、訴訟によってFacebook社から6,500万ドルを受け取った。
バブルは仮想通貨ではなく現実の通貨に起こっている
小飼:
ビットコインのバブルはあり得ます。しかし、バブルになっているのは、仮想通貨のほうではなくて現実通貨のほうです。
要するに、法定通貨ベースの取引で動いているマネーのほうこそバブルになっている。
山路:
仮想通貨のほうの価値が急騰しているんではなくて、リアルの通貨の価値が下がっていっていると。つまり今現在、仮想通貨は適正な価値がついているということなんですか?
小飼:
要はどの通貨を基準にするかです。お金というのは、必要以上にもうあるんですよ。
山路:
それが現在の仮想通貨を巡る現象の根底にあるのかもしれないということですか?
小飼:
そう、だからもし、お金の量が適量であれば、仮想通貨に回す余地がないはずなんですよね。どこかに行かなければいけないんですよ。
山路:
余っているものが流入していると。どこかに行かなければいけないというのは、お金をたくさん持っている人が、より儲けられるところに投資しようとする性向があるということですか?
小飼:
金持ちばかりがトレードしているのとはちょっと違うんだよな。
山路:
つまり、より得になる取引をやっていくうちにそうなる、という自然な経済の流れですね。
小飼:
余ればどこかにあふれる。どこに今あふれているかと言ったら、そのうちのひとつが仮想通貨です。
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