「オリエント工業はラブドール界のトヨタ」空気人形→ラテックス→ソフビ 技術革新の歴史を収集家が解説
ラブドール界に起きた革命! ソフトビニール製が登場
土屋:
ここからです。ビニール製からラテックス製になり、ここから17年の月日が経つと、1999年に革命が起こります。レボリューションです。それがこちら!
土屋:
ソフトビニール製!
西川:
ソフトビニールってソフビのこと?
星田:
フィギュアとか、ウルトラマンの怪獣とか。
土屋:
このオリエント工業というところのプチソフトシリーズが爆発的にヒット。オリエント工業という名前は男子の中ではそれなりに知れた名前だという話があります。
西川:
それこそスキンとか? 大人のおもちゃとか?
兵頭:
こういうラブドールと言われている製品の最大手です。
ミクロマンサンライズ!!!:
日本の会社ですか?
兵頭:
そうですよ。
土屋:
この会社がすごい会社なんですよ。
兵頭:
70年代の終わりから技術革新をやってきた会社です。この会社がなければ、おそらくラブドールというものが存在していないです。
西川:
「ラブドール界のトヨタですね」って(笑)。怒られるよ(笑)。
土屋:
世界のオリエント工業ですから。
星田:
両方乗り物やしね。
西川:
何なん(笑)。
土屋:
先生的にソフビのどこが素晴らしいんですか。
兵頭:
まず可愛くなったんです。それまでは一般的に大人サイズだったんですけど、ここから少女サイズが出てきました。
星田:
ロリータ的な?
兵頭:
そうです。
星田:
人形のモデルとかはあるんですか。
兵頭:
顔はおそらく当時の一番人気だった広末涼子さん。
一同:
あぁ~。
土屋:
ボディは?
兵頭:
おそらく当時人気だった綾波レイだと思います。
一同:
おぉ~。
土屋:
当時の流行りを常に導入していると。
西川:
やっぱり大人というか、出るとこは出ているというより、ちょっぴり少女っぽいところが残っている感じなんですかね。
土屋:
そこは結構男子は求めていたということなんですね。そして、この実物はどれなんですか。
兵頭:
持ってきます。
西川:
うわ~!
手島:
小さい!
星田:
これはもう、そういうことをする用になっているんですか。
兵頭:
なっていますね。ここに穴があいていまして、そこにホールというパーツを入れて使います。
土屋:
触りますか?
手島:
触りたい!
西川:
何がすごいって、このスタンドは付いているんですか。
兵頭:
純正です。
西川:
あぁ、昔のおもちゃのお人形さんというか、妹が持っていたやつ。
土屋:
リカちゃん人形的な。
手島:
あ、硬いな。
星田:
乳首みたいなものもあるの?
兵頭:
あります。
星田:
ミクロといい感じやね。
西川:
お前の嫁(笑)?
ミクロマンサンライズ!!!:
家族です(笑)。
手島:
これずらしていいの?
星田:
どうなってんの?
手島:
ただの穴。
兵頭:
その穴に人工の性器を入れて使うんです。
手島:
これ足りるんですか。
西川:
どういうこと?
手島:
長さ足りるんですか。
西川:
お前どんな男と付き合ってたん(笑)。
手島:
だって奥行きが(笑)。
土屋:
思ったより人形ですね。
西川:
お顔は可愛らしいんですけれど、やっぱり人形感はありますね。
土屋:
これはおいくらで買われたんですか。
兵頭:
当時で13万円ぐらい。ちょっと頑張れば買える金額でこういうものが出てきて、爆発的なヒットとなりました。
ラブドールがいらなくなったら「里帰り」させるシステムが登場
土屋:
爆発的ヒットになったということは、いっぱい売れたんですよ。そうすると、それだけ増えるわけです。
西川:
もちろん。
土屋:
捨てる時はどうするんですか。
兵頭:
メーカーさんが引き取ります。自分で送るんですけれどね。
土屋:
やっぱりゴミとして袋に入れちゃうと……。
兵頭:
いろいろ問題が。
西川:
たまにですけれどマネキンとかでも湖とかに投棄されちゃって、それを見間違えた人が慌てて通報しちゃってみたいな。
兵頭:
この子たちもたまに山や海に捨てられて事件になっています。
星田:
そりゃドキッとするわ。
土屋:
でもこれ、ちゃんと供養してくれるんですよね。
兵頭:
オリエント工業さんは供養してくれます。
ミクロマンサンライズ!!!:
コメントを書いている人で詳しい人がいますね。「里帰りするんですよね」みたいな(笑)。そんなんあるんですか?
兵頭:
そういうことを里帰りと言うんですよ。
土屋:
きょうはここまでどうやって持ってきたんですか。
兵頭:
車です。
土屋:
その写真を撮ったんですよ。移動中の写真がこちらです。
西川:
おいおい(笑)。
星田:
これはあかんで(笑)。
西川:
どれが人間!?
土屋:
まわりのドライバーさんとか、驚かれませんか。
兵頭:
走っていると意外に助手席に乗せていても気づかないです。ただ高速で休憩で停めたりすると寄ってきます。見に来ますね。
西川:
別に見られてもいいんですか。
兵頭:
自分の場合はいいんですけれど、大半の人は家でこっそりだと思います。
集大成ともいえるシリコン製のラブドールは56万円
土屋:
進化はどんどん加速していきます。ラブドールの集大成ともいえる境地に入っていきます。それがこちらです。
星田:
本物っぽい!
土屋:
最高級品の誕生。
西川:
金額がすごい!
兵頭:
シリコンという材質が非常に高価なんです。ちゃんと動く骨格が中に入っています。手間がかかっています。材料代が高いので、どうしてもこういう値段になってしまいます。
土屋:
こちらも実物があります。
一同:
うわ~。
手島:
ウエスト細っ!
土屋:
触りますか。
西川:
あの、これは兵頭さんは使っていないだろうなというのはなんとなくわかります。
でもこっちは……。
兵頭:
体は使っています。
一同:
(笑)
兵頭:
さらに衝撃の情報があるのですが、今年お正月に4日間くらい泊まったユーザーがいたのですが、宿代代わりにヘッドを置いていったんですね。唇の色がほとんど無くなっているのですが、これは相当愛された証拠です。
星田:
もう下げなさい(笑)。唇はもっとちゃんとした色だったということでしょう。舐めとったっていうことでしょう。
手島:
吸い付きすぎでしょう。
兵頭:
そうですね。
西川:
舐めてるどころじゃないですよ……。
土屋:
ただいろいろ消毒はしているんですよね。
兵頭:
クリーニングはしています。
土屋:
せっかく56万円の材質なので触ってみましょうよ。
手島:
手とか柔らかそう。
兵頭:
こういうふうに動くんです。
星田:
怖っ! 本物やん!
西川:
重さがあるんですよ。
星田:
あぁ、全然違う。本物の人がだらんとなったのを持っている感じ。
手島:
わぁ! これ人じゃない!? 人ですよ!
星田:
足の指も人と同じや。これ愛されすぎて絶対に魂入っとるわ。
土屋:
胸のほういきましょうよ。
西川・手島:
あぁ~。
手島:
でも理想の色ですよ。
西川:
もともと色素が薄い人の色です。
兵頭:
色がちょっとずつ抜けていくんです。
星田:
でもちょっと傷が付いていたりしてる。
兵頭:
それはどうしても付くんです。
星田:
どうしても(笑)? 愛すから(笑)?
土屋:
鎖骨とかどうですか。
手島:
骨はないけれど……。
西川:
首はしっかりしていますね。
土屋:
胸いってください。
手島:
柔らかい! ハリのある中学生くらいのおっぱい!
西川:
さっきまでのソフビの硬いっていうのよりも奥行きがありますね。
星田:
ほんまや。見ないで触ったら本物みたい。
土屋:
これが一番集大成ということですね。
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