“タトゥー差別”について日本の刺青事情を評論家が解説――彫師は医師免許がないとダメ?技術革新で皮膚がデジタルサイネージ化する
デジタルサイネージ化タトゥーもそんなに遠くない未来? 北欧ではICタグを体に埋め込む会社も
小飼:
でも今だったら、サイネージタトゥーとか絶対できるはずだよね。
山路:
それは言ってみたら、プロジェクションマッピング的な?
小飼:
IoT【※】だよ。だからタトゥーのドットひとつひとつに、小さなコンピューターに……。別にコンピューターでなくてもいいけれども。ちゃんとディスプレイになるの。
※IoT
Internet of Things.様々な「モノ(物)」がインターネットに接続され情報交換することにより相互に制御する仕組み。
山路:
結構アメリカのほうで、デジタルタトゥーみたいなことを研究しているところはいっぱいありますもんね。
小飼:
そうしたら自分の肌がサイネージになる。広告とか売れるわけさ。
山路:
それはもう「タトゥー」とは言われない可能性はありますけれどね(笑)。
小飼:
単に表示できるだけではなくて、触覚センサーとかもついているはずなので、ちゃんとクリックできるんですよ。
山路:
(笑)
小飼:
タトゥーの辛いところっていうのは、一度彫っちゃうと簡単には彫り直せないということですよね。
山路:
消すのも完全に消えるわけじゃないですもんね。
小飼:
やっぱりサイネージにしてからかな。僕もサイネージ待ち。サイネージができるようになったらビャーっと入れて(笑)。
山路:
入れるんですか(笑)。タトゥーシールを貼るだけですよね。
小飼:
自由に表示を変えられるのであれば埋め込んじゃっていいと思うよ。
山路:
ヤクザの人はそれでもデジタルサイネージに行くんだろうか。
小飼:
『Splatoon』の人とかみんな入れるんじゃないかな。みんなそれでイカ化するんじゃない(笑)?
山路:
そうなってきたら、今までの日本人にあったタトゥー、刺青に関する忌避感も変わってくるのかもしれない。
小飼:
『魏志倭人伝』には「顔に入れ墨を入れている人たち」というふうに出ていたはずだよ。
山路:
2000年くらい前の話ですけれどもね(笑)。
小飼:
いや、そんな前じゃない。
山路:
1500年前くらいか。邪馬台国のあたりですもんね。結局それだけ一般化したら、タトゥーが厳しいというのは、どうでもよくなりそうな気もしますけれどもね。
小飼:
でもたとえば「タトゥー」「残念」で画像検索するとさ、すごい本当に残念なおもしろタトゥーがいっぱい出てくるんですけれど。
山路:
なんでこの人たちは、Google翻訳でピッとやったら翻訳できる時代に、自分に彫るタトゥーを調べないんですかね(笑)。
小飼:
タトゥーをサイネージにしたら、Apple Watchもいらなくなるね。Appleタトゥー。表示を変えようとしたら、認証を切られちゃってどうしよう! みたいになる(笑)。
山路:
弾さんがよく言っている全裸コンピューティングの……。
小飼:
そうそう! 余計な服はいらなくなるじゃん。日本の夏も非常に過ごしやすくなって、いいことづくめなんじゃないですか(笑)。
山路:
日本の夏はあまり涼しくならないような……。スーツを着る人はそれでもスーツを着るんじゃないのかな(笑)。
小飼:
それはタトゥーをスーツモードにすれば。
山路:
ピッタリした感じがして嫌なんですけれども(笑)。ちょっと変態おじさんみたいな感じの外見に(笑)。
小飼:
十分な描画速度があれば、たとえばネクタイの揺れとかもサイネージでシミュレートしちゃうから(笑)。
山路:
(コメントを見て)「ワイもふさふさになれる?」。
小飼:
毛根をタトゥーナノマシンにしちゃえば。
山路:
(コメントを見て)「裸族も何代か続けたら隠れるくらい毛が生えますよ」って、本当かいな(笑)。(コメントを見て)「故障したらやべぇ」って、本当にその通りですよね。北欧とかでは、普通にICタグを体に埋め込む会社が出てきたそうですけれどね。従業員がみんな埋め込んでいると。
小飼:
タトゥーでQRコード決済ができるじゃん(笑)。
痛みが少なくなる技法や侵襲度を下げる研究は進んでいないのか
山路:
(コメントを見て)「身体改造やサイボーグ技術は規制したほうが良いよ」。そうかなあ。身体改造やサイボーグ技術は規制したほうが良いと思いますか。
小飼:
でも実際に規制はかかっちゃうでしょうね。やっぱり初期の頃というのは、いろいろな事故も出るでしょうし。感染症で死亡みたいなのが出たりして、やっぱり医師免許が必要なほうに傾きつつあっちゃうけれども、でもその一方で施術がより楽になるっていう方向へ進化しないのだろうか。
山路:
要はたとえば、手術の場所みたいなところが「ここ切って下さい」みたいなのがデジタルサイネージで表示されるとか、そんな感じですか。
小飼:
そういう意味ではなくて、今のタトゥーにしてもあれなわけですよ。真皮層まで色素を打っちゃうわけですよね。表皮だと垢になって取れちゃいますから。だから実際に彫ると高熱を出すんですよね。だからそういう侵襲度を下げるという研究はしていないのだろうか。
でもあくまでもファッションとして捉えられているので、医療の方向にはあまり進化していなかったかもしれないけれども、サイネージタトゥーができるって言うのであれば、より痛みも少なくなる方向に行きませんかね。
山路:
上皮組織だけでなんとかなるみたいな。
小飼:
そうそう。
山路:
確かにタトゥーシールの研究とかは聞いても、デジタルサイネージのタトゥーというのは……。
小飼:
シールだったらベリっとなっちゃうでしょう。それだと強い発色とか出来ないじゃない。今のタトゥーというのは、完全に減色方式で光を吸収する方式で出しているけれども、やっぱりロボタトゥーで、要するにサイネージとかで表情コントロールできる、デジタルにコントロールできるタトゥーというのができるのであれば、光らせてもいいよね。ますますイカだよね(笑)。
山路:
結構科学ニュースをまとめる仕事とかしているんですけれども、光るその辺の事は出来やすくなっていますもんね。
小飼:
人類イカ化計画。
山路:
レーザー発振できる塗料も開発されているみたいですし。
小飼:
本当にリアルに「ハニーフラッシュ!」とかできるようになるわけ。
山路:
それはちょっと見たいですね(笑)。
小飼:
十分明るくすれば、大事なところは見えないと思うんだけど(笑)。