波紋でなんとかなるのか!?『ジョジョ第2部』最終回で岩盤と共に落下したジョセフが無事だった理由を科学的に検証してみた
『ジョジョの奇妙な冒険』第2部のクライマックスでは主人公のジョセフ・ジョースターが究極生物と化したカーズと死闘を繰り広げます。
手に汗握る展開に、本編視聴中は気になることはありませんがここでひとつの疑問が浮かび上がります。ずばり、「ジョセフはどうして生き残ることができたのか?」。この疑問に科学的な考証を用いて真っ向から立ち向かう動画がニコニコに投稿されています。
投稿者であるシルフィード(NSVF)さんが音声読み上げソフトを使用して、科学的なアプローチで次々解説をする様子をお楽しみください。
どこまで飛んだのか?
『ジョジョの奇妙な冒険』について見ていきます。それでは問題の場面をダイジェストでどうぞ。
シルフィード(NSVF):
あ、ありのまま、今起こったことを話すぜ! 「ジョジョが高高度【※】から落ちて死んだと思ったらいつの間にか助かっていた」何を言っているのかわからねーと思うが……。
※高高度
地上から7、8000メートルから1万メートル前後までの高さ。
というわけで、今回の質問はズバリ、「ジョジョはどのくらい丈夫なの?」です。
シルフィード(NSVF):
ジョジョ達が戦っていたのは地中海に浮かぶ島、ヴォルガノ島。名前からして同じく地中海に浮かぶ「ヴルカーノ島」だと思われます。ちなみにこのヴルカーノ島、実はイタリアシチリア州メッシーナ県に属しています。さて、今回はヴルカーノ火山の火口からジョジョとカーズ、そして岩盤が噴火の勢いによってはるか上空へと飛ばされたわけです。
シルフィード(NSVF):
ジョジョ達が乗っていた岩は、直径が約6.6mと、ジョースターさんの195cmの体が小さく見えるほどのビックサイズ。おおよそ半球状ですから、その重量はおよそ230トン程度です。さて、問題はジョジョ達がどこまで飛んだかですが、ジョジョと岩盤が下降し始めた場面推測します。
試しによく似た画像を検索してみると……。
シルフィード(NSVF):
そうそうこんな感じ、って国際宇宙ステーションじゃねえか!
ジョジョ達が国際宇宙ステーション辺りまで飛んでいたことに、視聴者からは「な、なんだってー!」「んなアホなw」といっった驚きのコメントが寄せられました。
マッハ16で400km上空まで打ち上げられても、なぜ死なない!
シルフィード(NSVF):
というわけで複数カットから概算すると、ジョジョ達ははるか上空400kmまで上昇したようです。地上400kmとは大気圧がゼロに等しく、即死はしないまでも全身の毛細血管が内出血するわ、鼓膜は弾けるわ、うっかりすると目玉も飛び出すわとひたすらエライ目に遭うことは必至です。さらに場面を見るとジョジョ達が居たのは地球の昼間側。山吹色どころか、直接本当の意味での直射日光で体表面は120度くらいにアッチッチ。もちろん言うまでもなく空気なんてあるわけがないので、この時点で波紋【※】を練ることも不可能です。
なぜ死なない。
※波紋
『ジョジョの奇妙な冒険』の作中に出てくる超能力。特別な呼吸法によって、肉体にエネルギーを生み出す技術。
シルフィード(NSVF):
というかそれ以前にあの噴火は大丈夫なのでしょうか。重量・大きさ・空気抵抗を考慮すると、ジョジョ達が打ち上げられた速度は……だいたいマッハ16です。なぜ死なない。
さらに言うと、この加速でジョジョにかかる力は20キロトンで、さらにさらに空気によって15000度まで加熱されます。
シルフィード(NSVF):
たった1000度程度の溶岩岩でギャアギャア言っていたカーズも、ボロボロで生身のジョジョも、それに巻き込まれかけたシュトロハイムもなぜ死なないのか。
シルフィード(NSVF):
もっと言うと岩盤と一緒に落下したジョジョの速度は600[m/s]。岩盤が保護壁になったとか言ってましたが、岩盤で防げるのはせいぜいが空気との摩擦程度で、着水時の衝撃はほとんど緩和できません。
シルフィード(NSVF):
そんな速度で海に飛び込んだ日には、TNT爆薬1トンに吹き飛ばされたも同然です。もはや誰が究極生物なのか分かんねーよ。
マッハ16で上空400kmまで打ち上げられても死なないジョジョ達に、「結果…全員究極生物」「もう全員究極生命体でいいよwww」といったコメントが多く投稿されました。
「これも計算の内か、JOJO!」
シルフィード(NSVF):
というわけでまとめるとジョジョは、2000万Gに耐え、15000度でもプラズマ化せず、宇宙空間での活動が可能で、TNT1t分の破壊力をものともせず、しかもそれらを2週間程度で回復してしまうタフネスさをもっていたということになります。いやあ主人公って大変ですね。
シルフィード(NSVF):
しかし彼らが人間だという前提に立つと、これらを実現するにはかなり強力な波紋が必要だったはずです。そんなもん練れるなら始めからやれよ! と言いたい気も……。
シルフィード(NSVF):
ああそうか、増幅したのね。なるほど、ジョジョが赤石【※】で増幅した波紋で防御していたと考えれば、ジョジョがこれほどまでに人間離れ、というよりもはや物質離れしていることにも、今までこれほど強力な波紋を練られなかったことにも、そして赤石がないと柱の男が倒せないという伝承が残っていたことにも、全て納得がいくというものです。
※赤石
エイジャの赤石。『ジョジョの奇妙な冒険』・第二部「戦闘潮流」のキーアイテムとなる秘宝。
シルフィード(NSVF):
しかし、いくら赤石だからと言って、ジョジョの凄さが霞むわけではありません。増幅するとはいえ、波紋を使う以上呼吸は不可欠なわけですが、噴火の前に波紋を練らなければならないため、ジョジョは赤石が波紋増幅器だと知ってから噴火するまでの数秒の間に、宇宙空間まで吹き飛んでも大丈夫なだけの呼吸を行ったということになります。
こんな状況下でそこまで計算ができるかと言えば、普通の人間には無理な話です。つまりはまさに「これも計算の内か、JOJO!」と言わざるをえないような計算高い精神こそが、ジョジョの丈夫さだったということのようです。
ジョジョの丈夫さが計算高い精神だったということに、視聴者からは「「ジョセフならワンチャンある」って思えてしまうのが怖い」「ジョセフの計算高さって言われると納得してしまう恐ろしさよ・・・」「なるほどw」といった納得のコメントが寄せられました。
解説をノーカットで楽しみたい方はぜひ動画をご視聴ください。
『【空想科学小話】ジョジョはどれくらい丈夫なのか?【ジョジョ最終話】』
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