ボーイングとエアバス、それぞれの機体の魅力を航空写真家が解説ーー両社の機体の違いは操縦席の設計思想にあり!?
ボーイングとエアバス、大きな違いは操縦方法
古庄:
(2社の機体の違いは)簡単に言うと、操縦方法です。飛行機は、車と違って大きい機体に乗れるから小さいのにも乗れるというのではないんですよ。ひとつひとつ、免許を取らないといけない。車で例えると、スカイラインはスカイライン用の免許、カローラはカローラ用の免許というふうにね。ボーイングだと、次の機種に行くのに結構(免許を取るのが)面倒くさいんですよ。
古庄:
エアバスの考え方は、「基本的に人間はミスをするので、コンピューターに任せなさい」というもの。コンピューターへの打ち込みが多くて、解除の仕方を間違っちゃうと危ないんですけどね。これに対してボーイングは、一応コンピューターで管理していますけれど、操縦桿をつかめば全部(コンピューターの電源を)切れます。
古庄:
(2社間で操縦に対する)考え方は違います。けれど、アメリカでは戦闘機は、自動運転で飛ばして砂漠で爆撃して帰ってくるなんていうのもあるんですよ。もう少ししたら旅客機も、今はパイロットが2人いますけど、1人でいいのでは?、となったり、乗せなくていいだろう、となるかもしれません。それは、旅客機でやると最初は反対があるから、とりあえず貨物機だけにしてみよう、という流れがあります。
国内で見られる、ボーイング・エアバスの機体
久野:
ちなみに、今日本で見られるボーイングやエアバスの機体は、どういったものになりますか。
古庄:
一番目立つのが、エアバスA380という2階建てのデカいやつです(笑)。タイ航空が朝晩成田に来ています。あとはエミレーツ航空というドバイの航空会社ですね。ファーストクラスだったら、シャワー室に入れるんですよ。
山元:
でも、本当にファーストクラスに乗る人だったら、シャワーくらい浴びてから乗れよ! って言いたくなりますよ(笑)。
古庄:
あとは、エアバスA350という新しい機体ですね。これが関空に結構来ていますけれど、ベトナム航空やチャイナエアラインとか、キャセイパシフィックとかですね。翼の端のシュッとした感じがカッコよくないですか(笑)。
山元:
でも、どこで見るかがポイントだなぁ。飛行機って、飛んでしまえば、腹面しか見えませんからね。上から見たいとなると、1機チャーターして、一緒に飛ばないといけないですからね。
古庄:
最近、腹面に機体名を描いている航空会社が増えてますね。
山元:
どっかの会社にくまモンが描いてある機体がありましたよ(笑)。