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「これがマリファナビジネス最前線だ」5万人が大麻を吸いまくる”ヤバい”パーティーから超ハイテクのマリファナショップまで突撃リポート

 

マリファナ体験ツアーはどうやって生まれたのか?

町山:
 出発地点に一度戻ってきました。これからこのツアーの主催サイドにインタビューをしようと思います。このツアーに参加している人は全面解禁になっていない州から参加している人ばかりでしたよね。解禁が進むと、こういったツアーも成立しなくなるような気もします。ある意味では、先にやったもん勝ちという側面もあるのか気になりますね。

町山:
 ここがマリファナ体験ツアーを行っている事務所ですね。そして、彼女がツアーの広報を担当するシンシアさんです。ナイストゥーミートゥー。

シンシア:
 はじめまして。このツアーはマリファナが解禁された年から開催しています。認可されたときからオーナーがすべてをパッケージ(栽培、販売、観光など)で運営することを考えていたんです。少しずつ事業を拡大していったのはなく、最初からすべてを運営することがアイデアとしてあったんです。

町山:
 ははぁ~なるほど。創業者であるダニーさんという方が、すべて考えたそうです。

シンシア:
 彼はこのビジネスを立ち上げる前は、IT関係の会社で働いていました。

町山:
 彼も解禁にあたってマリファナが大きなビジネスチャンスになると考えたというわけですね。シンシアさんは、この会社で長く働いているんですか?

シンシア:
 私はまだ2ヶ月です(笑)。その前は、普通の旅行会社のツアーガイドをしていました。このツアーは今では年間3000人ほどが参加します。同じコロラドの中でも、これだけ参加者が増え続けている旅行はないと思いますよ。年々状況が良くなっていますね。

町山:
 日本からの参加者はいますか?

シンシア:
 全然見かけないですね(笑)。そもそも外国からこのツアーに参加する人は全体の5%ほどなんです。ほとんどがアメリカ国内からの参加者。特に最も取り締まりが厳しいと言われているテキサスからの参加者が多いですね。

町山:
 一番厳しいテキサスなんだけど、実は一番吸っている人が多いのがテキサスですよね?(笑)

シンシア:
 That’s right.(笑)

町山:
 次々に他の州が全面解禁を行うようになると、パイが少なくなっていくようにも感じるのすが、いかがでしょう?

シンシア:
 他の州が解禁するようになれば、逆にマリファナに対する関心度は上がります。特に、先駆けてマリファナビジネスをしているコロラド州への注目度は、もっと上がるはずです。お酒が解禁されたときも、お酒をツールにした酒場やライブハウスといった文化が出来上がっていきました。マリファナもそういった可能性を秘めているので、今後はもっと大きな産業になると思っています。

町山:
 なるほど。今、日本ではこの放送を約30000人が見ています。このツアーを宣伝する良い機会だと思いますので、何かメッセージをいただけますか?

シンシア:
 ワォ! もしデンバーに来ることがあったら、ぜひ体験してください。デンバーではマリファナは、すでに一風景であり、一文化になっています。このツアーを体験しないことには、デンバーに来たことにはならないので、皆さん、お待ちしています(笑)。

町山:
 ありがとうございます! この後は、車で「マリファナ教会」というところに移動します! 彼らはマリファナをもとにした宗教を信仰しているということで、一体どんな宗教なのか、探っていこうと思います!

自分を新たなステージに引き上げる、それがマリファナ教会

町山:
 やってきました、マリファナ教会(International Church of Cannabis)。ここは礼拝堂ですが・・・すごいカラフルですね(笑)。

町山:
 照明の色がけっこうな頻度で変わりますね。ちなみに、Cannabisとはマリファナの科学的な呼称なんですけど、International Church of Marihuanaと銘打たないところにこだわりがあるんでしょうね。

町山:
 彼はスティーブ・バークさんと言って、International Church of Cannabis、マリファナ教会の設立者の一人です。
 ちょっとお話を伺ってみたいと思います。スティーブさん、あなたは教祖でもあるのですか?

スティーブ:
 教祖という呼ばれ方は望んでいません。大麻と人間のかかわりは何百年、何千年も前からあったことなので、私が開発したものではない(笑)。またカルト的な新興宗教とも思われたくないので、教祖という呼称はふさわしくないと思います。

町山:
 教祖じゃなくても、リーダーですよね?

スティーブ:
 いや、ここでは誰もが平等でイコールです。ですから私はリーダーじゃないんです。毎週、いろいろな方が来ますが、みな同等なんです。これはエレベーショニズムという宗教です。すでにキリスト教徒や仏教徒、イスラム教徒であっても改宗する必要はなく、自身が信仰する宗教を続けながらマリファナ教会に入ることができます。

町山:
 エレベーショニズムとは何を意味するのでしょうか?

スティーブ:
 自分の中にある最も良いもの、価値のあるものをより高めることです。最高の自分にするための宗教です。

町山:
 エレベーショニズムとマリファナはどんな関係なのでしょうか?

スティーブ:
 マリファナを吸うことによって無駄な怒りや不満がなくなります。結果、前の自分よりもクリアになり、高い次元に行くことができます。実際にこの教会の内部でマリファナを吸いながら、自分を高めるために祈ったりしているんです。午後三時からここでマリファナを吸いながら映画を観たり、音楽を聴いたり、対話をしたりします。宗教的指導者が何かを話すわけではなく、各々が会話を通じて高め合っていければいいのです。

町山:
 経典やバイブルのようなものはない?

スティーブ:
 ありません。崇拝すべき神もいません。ただ、儀式はあります。例えば、今日4月20日午後4時20分にここにいる者は、声も音も出さず沈黙してその時間を迎えるようにします。

町山:
 ここは宗教的非営利団体なのでしょうか?

スティーブ:
 そうです。そのように認可されています。International Church of Cannabis は寄付で成り立っています。ただ、この教会は私の所有物なんですよ。

町山:
 そうなの!?

スティーブ:
 1億円を出してこの教会を買いました。この建物を何か投資として使おうと考えたのですが、教会を壊すことはしたくなかったんです。いろいろ考えた結果、教会としてそのまま利用しようと思ったんですよ。儲けるつもりだったのですが、気分が変わって今にいたります(笑)。でも、こういった施設を作ったことに対して、今は本気で取り組んでいますよ。

町山:
 すごい話だなぁ。リーダーではなくて、教会オーナーだったんですね。お話を聞かせていただき、ありがとうございました!

スティーブ:
 こちらこそ。

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