不登校した本人たちが挙げた4つのイヤだったこと【不登校新聞】
いじめ問題を中心に、学校へ行きたくない人の悩みや体験について専門家とともに考えていく番組「明日、学校へ行きたくない」新型コロナ、いじめ、不登校~全国から寄せられた悩みを専門家と一緒に考えるが、2021年8月30日にニコニコ生放送で配信されます。
いじめや不登校……ニュースで報じられているのを見たことはあっても、実際に体験していない方にとっては、いまいち想像しづらいものがあるかと思います。
そこでニコニコニュースオリジナル編集部では、日本で唯一の不登校専門紙である「不登校新聞」に掲載されている「いじめ」「引きこもり」「不登校」の当事者、経験者の声を紹介。生放送当日の8月30日まで毎日1本の記事をお届けします。
「明日、学校へ行きたくない」と悩む方々は何を体験し、何を思っているのか。いじめ問題について一緒に考えてみませんか?
※この記事は「不登校新聞」許諾のもと転載しています。
学校へ行くのがつらいとき、せめて家では安心してすごしたいもの。しかし、家に居ても周囲の無理解から、つらい思いをすることもある。今回は不登校経験者4名に、実体験を書いてもらった。
* * *
家庭訪問「クラスメイト編」
不登校になりたてのとき、学校でまったく仲がよくなかった子たちが先生に言われて家に来て「学校においで~、待ってるよ~!」と声をかけに来ることがありました。
私は「あなたたちが本当に来てほしいと思って待っててくれるなら、私は不登校にならなかったよ?」と思ったし、「ふつうに学校へ通って不登校の子に家庭訪問するくらい余裕のある人生を送っているんだ……、それに比べて私はただ家にいるだけで親を毎日泣かせてる。なんにも価値がないじゃないか」と負のループにおちいるだけでした。
励ましで救われるという人もいるとは思いますが、私は気持ちを整えるまでに時間がかかるタイプなので、家庭訪問はせず、そっとしておいてほしかったです。(ひな)
家庭訪問「先生編」
学校へ行かなくなったある日、担任の先生と校長先生が自宅に来たことがありました。母と父が先生たちと話しているのを、私は2階の自分の部屋からこっそり聞いていました。
校長は「お子さんに会わせてください。学校へ行くよう、私が説得します」と両親に強く言っていました。
しかし、両親は「娘は会える状態ではありません」ときっぱり断り、何度かの押し問答をしたあと、先生たちは帰っていきました。
校長の言葉を聞いたときには、「まさか私の部屋に先生たちが来るなんてことはないよね?」と心がざわつきましたが、守ってくれた両親には感謝しています。
しかし、今ふり返ると、もし両親が根負けをして先生たちを私の部屋に招きいれてしまっていたら……。
私と両親の信頼関係は完全に崩れ去ってしまっていたと思います。「あれはかなりギリギリのできごとだったな」と、今さらながら冷や汗が出てきます。(富良野しおん)
行く・行かないで親とモメる
私の親は学校に行かなくなってからも、適応指導教室、フリースクール、学習塾などいろんな場所を私に勧めてきました。
「学校へ行けないのはしょうがないけど、どうにかしてほかの場所へ行ってほしい」と思っていたようです。親も不登校を認めていいのか葛藤していたのだと思います。
私はどこにも行きたくなく、家でずっとゲームをしているのが一番落ち着けたのですが、それが許されるような雰囲気ではありませんでした。
しかたなく、いくつかの居場所へ行きましたが、無理をしていたのですぐに行けなくなり、また別の居場所へ行っても行けなくなり、親子ともに疲れはてる。そんなことをくり返していました。(uni)
この経験を活かして?
よくネットなどで、「自分は不登校やひきこもりなどのつらい経験をしたから、同じ経験をした人を助けたい」というようなインタビューを読むことがあります。僕の親もそういう記事を読んで、感動しているのを見たことがあります。
それ、正直迷惑です。僕は小学6年生から不登校、今は20代半ばですが、ほとんどひきこもりです。
もちろん自分のペースでバイトなどは始めようと思っていますが、自分の人生を生きていくだけで精いっぱいで、「不登校・ひきこもりの人の力になる」なんて、自分にはそんな余裕はありません。
だけど親や世間を見ていると「他人のために何かをしないと不登校・ひきこもりは許されない」かのように思えてしまいます。
そのため、家に居てもなんだか気が休まらず、つねに追われているような気になってしまうのです。(小松菜康平)
「明日、学校へ行きたくない」新型コロナ、いじめ、不登校~全国から寄せられた悩みを専門家と一緒に考える
「新型コロナ」「いじめ」「学校行きたくない」など
悩みを教えてください
2020年の小中高生の自殺者数は、過去最多の499人に達しました。(前年比+100人、文部科学省調べ)2020年は新型コロナによる休校があり、休校あけの6月に不登校と自殺が増え、8月の自殺者数は、前年より倍増しています。
なぜ、学校に行きたくないのか・・・理由の1番は、やはり「いじめ」だと、『不登校新聞』の石井志昂編集長はいいます。
そこで、番組では、『こども六法』の著者、山崎聡一郎さん、『弁護士秘伝!教師もできるいじめ予防授業』の筆者、真下麻里子弁護士、そして、不登校やいじめ問題を取材し続けている『不登校新聞』の石井編集長をお招きして、「いじめ」問題を中心に、学校へ行きたくない人の悩みや体験について一緒に考えていきます。
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