後世に語り継がれるライバル史「ジョブズ VS ゲイツ」—— MicrosoftとAppleの駆け引きの裏話を両社元副社長が語る
世界の様々なライバルたちを捉えたフランスのドキュメンタリー番組『Face to Face』より、『スティーブ・ジョブズVSビル・ゲイツ ~ヒッピーとオタクの対決~』がニコ生公式で放送された。
その放送に合わせて、元・米マイクロソフト副社長の古川享 氏、元・米アップル副社長の前刀(さきとう)禎明 氏をスタジオに迎え、アップル創業者のスティーブ・ジョブズと、マイクロソフト“帝国”を作り上げたビル・ゲイツのライバル関係を取り上げた本作を見ながら、アップル社とマイクロソフト社の駆け引きの裏話や、ジョブズとゲイツの素顔を語っていただいた。
古川 氏はゲイツと、前刀 氏はジョブズと仕事をしていた間柄。彼らをよく知る2人はこのライバル関係をどのように捉えていたのだろうか。世界を変えた偉人の物語を、映像と共に振り返る。
「世界を変える」という強い信念を持った青年。ジョブズは神秘と英知を求めてインドへ旅に出る
「ジョブズはいつも自分の直感を信じていました。そこにはスピリチュアルな意味合いも含まれています。私たちは、グルジェフという神秘思想家の本も読みました。グルジェフは物事の融合や一体性を説き、高次の能力の存在である“第三の目”を主張したのです」
前刀:
スピリチュアルというと、胡散臭く聞こえますが、直感の部分をスティーブは大事にしていました。ここで物事の本質を見る目というか、そういう思考が強まったので、その後、良いものが作れているのです。
古川:
しかし、ジョブズに言わせると「結局(インドに)行ってみたけど何も見つからなかった」という表現もしています(笑)。
1976年、ジョブズはウォズニアックと共同でアップル社を設立、法人化。そして拠点を現本社のクパチーノへ移す
2人は意気投合し、コンビを組むことになる。ウォズニアックはパーソナルコンピュータの“AppleⅡ”を開発した。
ジョブズは会社成長の為、出資者を探していた。その時、出会ったのが投資家のマイク・マークラ。マークラが資金を募り、事業計画を立て、理事を雇って会社を法人化した。
(画像はカリフォルニア州クパチーノ市にあるApple本社)
前刀:
そういえば、スティーブの車にはナンバープレートが付いていませんでいた。その代わりバーコードが付いています。
古川:
購入してから2ヶ月は仮ナンバーで走っても良いという法律があって、2ヶ月ごとに買い換えてしまえばよいという話になったんです。
前刀:
それでナンバープレートにバーコードが付いていて、見ればすぐにスティーブの車だと分かってしまうんです(笑)。